離婚したいと言われたときの返事|修復の道を閉ざさない伝え方

パートナーから突然「離婚したい」と告げられたとき、頭が真っ白になってしまうのは当然のことです。

「何て返事をすればいいんだろう」「ここで間違えたら、本当に終わってしまうかもしれない」。そんな不安で押しつぶされそうになっているのではないでしょうか。

実は、「離婚したい」と言われた直後の返事と対応が、その後の夫婦関係を大きく左右します。結論から言うと、最も大切なのはその場で即答せず、「少し考えさせてほしい」と伝えることです。

私は夫婦関係修復コーチとして20年以上にわたり、1万組を超えるご夫婦の関係修復をサポートしてきました。その中で、最初の返し方ひとつで修復の道が閉ざされてしまったケースを、何度も見てきました。

しかし逆に言えば、正しい返事の仕方と、その後の対応を知っていれば、ここから関係を立て直せる可能性は十分にあります。

今回は、「離婚したい」と言われたときにどう返事をすればいいのか、そしてその後どう行動すれば関係修復につなげられるのかを、具体的にお伝えしていきます。

この記事で分かる5つのこと
  • 「離婚したい」と言われたときの返事の正解
  • 絶対にやってはいけないNG行動と言葉
  • パートナーが離婚を切り出した本当の理由の探り方
  • 離婚危機から夫婦関係を修復するための具体的な道筋
  • 自分と家族を守るために知っておくべき制度と相談先

1.「離婚したい」と言われたときの返事はこう返す

ここではまず、あなたが今一番知りたいであろう「何と返事をすればいいのか」について、具体的にお伝えしていきます。

結論から言うと、最も大切なのは「その場ですぐに答えを出さないこと」です。なぜこれが大切なのか、そして実際にどんな言葉で返せばいいのかを、順番に解説していきます。

1-1.最初にやるべきは「即答しない」こと

「離婚したい」と言われた直後は、ショック、怒り、悲しみ、不安など、さまざまな感情が一気に押し寄せてきます。

この状態で何かを答えてしまうと、感情に任せた言葉が出てしまいがちです。たとえば「分かった、離婚しよう」と勢いで同意してしまったり、「何を言ってるの!」と感情的に否定してしまったり。

どちらの返しも、関係修復の可能性を一気に狭めてしまいます。

ここで大事なのは、返事を「保留」することです。「保留」と聞くと逃げているように感じるかもしれませんが、決してそうではありません。

冷静に考える時間を確保することで、感情に流されず、あなたにとっても相手にとっても最善の選択ができるようになります。

「すぐに返事をしなきゃ」と焦る気持ちは分かります。でも、夫婦の今後を決める大事な話だからこそ、慎重に考えてから答えることが何よりも大切なのです。

1-2.関係修復の可能性を残す返事の具体例

では、具体的にどんな言葉で返せばいいのでしょうか。ポイントは、「離婚を拒絶するわけでもなく、同意するわけでもない」返し方をすることです。

相手の言葉を一旦受け止めつつ、考える時間をもらう。この姿勢が、関係修復への道を残してくれます。

たとえば、次のような返し方があります。

「急に言われて驚いてる。大事なことだから、少し考える時間がほしい。」

「そこまで思い詰めてたんだね。すぐには答えられないけど、ちゃんと向き合いたい。」

「離婚のことは簡単に決められない。少し時間をもらってもいいかな。」

ここで注意していただきたいのは、「絶対に離婚しない!」と頭ごなしに否定しないことです。相手は覚悟を持って切り出している場合も多いので、全否定されると「やっぱりこの人には何を言っても無駄だ」と心を閉ざしてしまいます。

一方で、「じゃあ離婚しよう」と簡単に同意するのも避けてください。

相手の気持ちを受け止めつつ、結論は急がない。これが、修復の可能性を最大限に残す返し方です。

なお、LINEやメールで「離婚したい」と伝えられるケースもあります。文面だと感情が伝わりにくく、既読スルーや長文の反論をしてしまいがちですが、やるべきことは対面と同じです。

まずは「大事な話だから、ちゃんと向き合いたい。直接会って話せる日を作れないかな」と返してください。文面上で結論を出そうとすると、お互いの言葉が行き違いやすく、修復の可能性がどんどん狭まってしまいます。

1-3.返事を伝えた後にまずやるべきこと

返事を保留にしたら、次に大切なのは「冷静になるための時間の使い方」を意識することです。

まず、その日のうちに追いかけて話を蒸し返すのは避けましょう。お互いに感情が高ぶっている状態では、建設的な話し合いにはなりません。

その代わりに、意識していただきたいことが2つあります。

1つ目は、自分の気持ちを紙に書き出してみることです。「悲しい」「怖い」「怒りを感じる」「やり直したい」など、今の正直な気持ちを言葉にするだけで、頭の中の混乱が少し整理されます。

2つ目は、パートナーとの間で「次にいつ話すか」だけを決めておくことです。「来週の日曜に、改めて話そう」など具体的な日時を決めておくと、お互いが冷静に考える時間を確保できます。

もしすぐに話す日を決められない場合は、「少し時間がほしいけど、ちゃんと向き合うから待っていてほしい」と伝えるだけでも構いません。

2.これだけは絶対に避けたいNG行動と言葉

ここまで、返事の仕方と保留後にやるべきことをお伝えしてきました。次に知っておいてほしいのが「やってはいけないこと」です。

私のカウンセリングの現場でも、「あの一言さえ言わなければ…」「あのとき冷静でいられたら…」と後悔される方がとても多いです。

ここでは、離婚を切り出された直後に絶対に避けるべき行動を3つお伝えしていきます。

2-1.感情的に言い返す・泣いてすがる

最もやりがちで、最も関係修復を遠ざけてしまうのが、感情的な反応です。

「こっちだって我慢してきたんだ!」と怒りをぶつけたり、「お願いだから離婚しないで」と泣いてすがったりする気持ちは、よく分かります。

しかし、どちらの反応も相手の心を動かすどころか、逆効果になってしまうことがほとんどです。

怒りをぶつければ、相手は「やっぱりこの人とはやっていけない」と確信を深めます。泣いてすがれば、「自分の気持ちを聞いてもらえない」と感じ、余計に心が離れていきます。

相手が「離婚したい」と切り出した時点で、あなたに対して何らかの不満や限界を感じているのは事実です。その状態で感情をぶつけても、状況が良くなることはありません。

つらいかもしれませんが、まずはぐっとこらえて「受け止める姿勢」を見せることが大切です。感情を我慢する必要はありません。ただ、その感情を相手にぶつけるタイミングは「今」ではないのです。

2-2.売り言葉に買い言葉で離婚に同意してしまう

もう一つ多いのが、ショックと怒りから「分かった、離婚しよう」と反射的に応じてしまうパターンです。

本心では離婚したくないのに、「こんなことを言われて、もう終わりだ」という絶望感や、「こっちだって出ていってやる」というプライドから、つい同意してしまう方は少なくありません。

しかし、一度口にした「離婚に同意する」という言葉は、後から撤回するのがとても難しいのです。

相手は「あのとき同意したよね」と言ってきますし、そこから修復に方向転換しようとしても、信用してもらいにくくなります。

「売り言葉に買い言葉」で出た同意は、あなたの本心ではないはずです。だからこそ、どんなに腹が立っても、その場で離婚に「Yes」と言わないことが大切です。

2-3.その場で離婚届にサインする

さらに注意が必要なのが、離婚届を目の前に出されるケースです。

パートナーに「もう決めたことだから」「早くサインして」と詰め寄られると、心理的に追い込まれてサインしてしまう方もいます。

しかし、法務省の案内によると、協議離婚の届出には成年の証人2名の署名が必要であり、届出が受理されればそのまま法的に離婚が成立します。つまり、一度サインして届出が受理されれば、原則として後戻りができません。

「今すぐ答えを出す必要はない」「冷静に考えてからにしたい」と伝え、その場ではサインしないでください。仮に「サインしないと出ていく」と言われても、ここで応じてはいけません。

もし、あなたの知らないうちに離婚届を出されるのではないかと不安な場合は、「離婚届不受理申出」という制度があります。こちらについては、この記事の後半で詳しくお伝えしていきます。

ここまで3つのNG行動をお伝えしてきました。「もしかして、すでにやってしまったかも」と不安になった方は、以下のチェックシートで確認してみてください。

離婚を切り出された直後の行動チェックシート
□ 感情的に言い返してしまった
□ 泣いてすがってしまった
□ 売り言葉に買い言葉で「離婚でいい」と言ってしまった
□ その場で離婚届にサインしてしまった
□ 相手を問い詰めるように理由を追及してしまった
□ 子どもや親に相手の悪口を言ってしまった
※当てはまる項目があっても、ここから軌道修正することは十分に可能です

当てはまる項目があった方も、落ち込む必要はありません。大切なのは、ここからどう行動するかです。

3.パートナーが「離婚したい」と言った本当の理由を知る

NG行動を避けることができたら、次にやるべきことがあります。それは、パートナーがなぜ「離婚したい」と言ったのか、その本当の理由を理解することです。

「離婚したい」という言葉の裏には、ほとんどの場合、長い間積み重なってきた不満や悲しみが隠れています。

この章では、相手の心理を理解し、本当の理由を引き出すための具体的な方法をお伝えしていきます。

3-1.「離婚したい」の裏にある心理を理解する

「離婚したい」という一言は、突然に見えても、実はパートナーの中で長い時間をかけて育ってきた気持ちであることがほとんどです。

最高裁判所の司法統計(令和6年)によると、家庭裁判所に持ち込まれた婚姻関係事件の申立て動機で最も多いのは、夫・妻ともに「性格が合わない」です。次いで妻側では「生活費を渡さない」「精神的に虐待する」、夫側では「精神的に虐待する」が目立ちます。

ここで注目していただきたいのは、離婚を考える理由は一つではなく、いくつもの不満が重なり合っていることが多いという点です。この統計は動機を3つまで挙げる形の重複集計であり、複数の問題が絡み合っていることがうかがえます。

つまり、「離婚したい」の背景には「性格が合わない」だけでなく、日々のコミュニケーション不足、家事・育児の負担の偏り、お金の問題、そして「自分のことを分かってもらえない」という孤独感など、さまざまな要因が絡んでいる可能性が高いのです。

この段階で大切なのは、「どうして離婚なんて言うんだ」と責めることではありません。「この人は、何にそこまで追い詰められていたんだろう」と想像してみることです。

3-2.相手の本気度を見極めるポイント

パートナーの「離婚したい」には、いくつかの段階があります。一時的な感情の爆発として言っているのか、長期間悩んだ末の結論なのかによって、これからの対応は変わってきます。

本気度が高いサインの1つ目は、以前から何度か不満を伝えていたのに変化がなく、「もう何を言っても無駄だ」と諦めている場合です。この状態は最も注意が必要で、相手の中ではすでに結論が出かけています。

2つ目は、すでに別居の準備や弁護士への相談など、具体的な行動を進めている場合です。言葉だけでなく行動が伴っているときは、かなり本気度が高いと考えてください。

3つ目は、表情や口調に怒りよりも「冷たさ」や「無関心」が見える場合です。怒っているうちはまだ関心がある証拠ですが、無関心になっているときは気持ちがかなり離れている可能性があります。

逆に、ケンカの直後や感情が高ぶった勢いで口にした場合は、本音では「離婚したい」のではなく、「自分の気持ちに気づいてほしい」という叫びであることも少なくありません。

ただし、たとえ感情的な発言だったとしても、パートナーがそこまでの言葉を口にした事実は重く受け止めてください。「本気じゃないだろう」と流してしまうことこそが、本当に離婚へ進む最大の原因になりかねないのです。

3-3.理由を引き出すための対話の進め方

相手の心理と本気度をある程度つかめたら、次はパートナーから本当の理由を聞き出すための「対話」に進みます。

ここで最も大切なのは、「聞く姿勢」で臨むことです。自分の意見を伝えたい気持ちは一旦おさえて、まずは相手の話を最後まで聞くことに徹してください。

具体的には、次のような言葉で対話を始めると、相手も話しやすくなります。

「この間は突然のことで、うまく話せなかった。あなたがどう感じてきたのか、聞かせてほしい。」

「離婚したいと思うくらい、つらかったんだよね。何が一番しんどかったか、教えてくれないかな。」

このとき、絶対にやってはいけないのが「反論」と「言い訳」です。

相手が「あなたは家のことを何もしてくれなかった」と言ったときに、「そんなことはない、ちゃんとやっていた」と返してしまうと、対話はそこで終わります。

相手の言葉が事実と違うと感じても、まずは「あなたはそう感じていたんだね」と受け止めてください。反論は後からいくらでもできます。でも、相手が心を開いてくれた瞬間を逃してしまったら、次のチャンスはなかなか来ません。

私のカウンセリングの経験でも、「ただ話を聞いてもらえただけで、気持ちが少し楽になった」とおっしゃる方はとても多いです。修復の第一歩は、上手に説得することではなく、まず「聞くこと」から始まります。

4.離婚危機から夫婦関係を修復するための具体的な道筋

ここまで、返事の仕方、NG行動、そしてパートナーの本当の理由を知る方法についてお伝えしてきました。ここからは、いよいよ離婚危機を乗り越えて夫婦関係を立て直していくための、具体的な方法に入ります。

「相手がその気にならなければ修復なんてできないのでは」と思うかもしれません。しかし、私が20年以上にわたって夫婦関係の修復をサポートしてきた中で確信しているのは、まず一人が変わることで、関係全体が動き出すということです。

パートナーの協力が今すぐ得られなくても、あなた自身にできることは確実にあります。その一歩一歩の積み重ねが、1年、1年半という時間をかけて、夫婦の形を変えていくのです。

修復までの道のりの目安を、時期ごとに整理しました。「これからどれくらいの期間で、何をすればいいのか」を把握しておくと、先が見えない不安が和らぎます。

▼夫婦関係修復の道のり(目安)
時期 取り組む内容
直後〜1か月 自分の気持ちを整理する
感情的な行動を控える
相手の話を聞く姿勢を意識する
1〜3か月 パートナーの気持ちに寄り添う
日常のあいさつや感謝を丁寧にする
自分の行動パターンを見直す
3〜6か月 小さな信頼の積み重ねを続ける
対話の機会を少しずつ増やす
必要に応じて専門家に相談する
6か月〜1年半 関係の変化を焦らず見守る
二人の新しいコミュニケーションの形を作る
「以前より良い関係」を目指す
※あくまで目安です。状況によってペースは異なりますので、焦らず取り組んでください

それでは、それぞれの時期にやるべきことを詳しくお伝えしていきます。

4-1.まず自分の気持ちを整理する

関係修復に向けて動き出す前に、まずやるべきことがあります。それは、あなた自身の気持ちを整理することです。

「離婚したい」と言われた直後は、悲しみ、怒り、不安、自責など、いくつもの感情が入り混じっている状態です。この状態のまま相手に働きかけても、気持ちが空回りしてしまうことがほとんどです。

具体的な方法としておすすめなのは、今の気持ちをノートに書き出すことです。「悲しい」「怖い」「怒っている」「やり直したい」「でもどうしていいか分からない」。正直な感情を、そのまま言葉にしてみてください。

書き出してみると、「自分は本当にやり直したいんだ」という気持ちが明確になる方もいれば、「実は自分も不満を溜めていた」と気づく方もいます。

大切なのは、自分の本心をごまかさないことです。「やり直したい」のか、「世間体が気になるだけなのか」、「子どものためだけに我慢しようとしているのか」。ここを正直に見つめることが、その後の行動の軸になります。

自分の気持ちが整理できると、相手への接し方にも余裕が生まれます。焦りや不安に振り回されず、落ち着いた姿勢で修復に向き合えるようになるのです。

4-2.パートナーの気持ちに寄り添う姿勢を見せる

自分の気持ちが整理できたら、次は相手の気持ちに目を向けていきます。

ここで大切なのは、「相手を説得する」のではなく、「相手の気持ちを理解しようとする姿勢」を見せることです。

「離婚したい」と言ったパートナーは、長い間一人で苦しんできた可能性が高いです。「話しても分かってもらえない」「何度伝えても変わってくれない」。そんな絶望感の末に、ようやく口にした言葉かもしれません。

この状態の相手に「やり直そう」「変わるから」と繰り返しても、すぐには信じてもらえません。言葉よりも、態度で示すことが重要です。

たとえば、相手が話し始めたら、スマホを置いて目を見て聞く。相手が不満を口にしたら、まずは「そう感じていたんだね」と受け止める。

「それは違う」「自分だって頑張っていた」という反論は、ぐっとこらえてください。あなたの言い分を伝えるタイミングは、相手が「この人は変わろうとしている」と感じてからでも遅くありません。

寄り添う姿勢を見せ続けることで、相手の中に「もう少しだけ様子を見てみよう」という気持ちが芽生えることがあります。この小さな変化こそが、修復への大きな一歩です。

4-3.日常の中で少しずつ信頼を積み直す

パートナーの気持ちに寄り添う姿勢が見えてきたら、次は日常の中で信頼を積み直していく段階です。

「信頼を取り戻す」と聞くと、何か大きなことをしなければならないように感じるかもしれません。しかし実際には、毎日の小さな積み重ねこそが、壊れた信頼を修復する唯一の方法です。

たとえば、「おはよう」「行ってきます」「おかえり」といった日常のあいさつを、自分から丁寧にすること。相手が家事をしてくれたら「ありがとう」と声をかけること。約束した時間に帰宅すること。

「そんな小さなことで変わるの?」と思うかもしれません。でも、相手にとってはこうした小さな一つひとつが「この人は本気で変わろうとしている」と感じるきっかけになるのです。

実際に、私のカウンセリングに来られた40代の男性のケースをお伝えします。この方は、ある日突然妻から「もうあなたとはやっていけない」と言われ、完全に会話がなくなってしまいました。

最初は何を言っても無視される状態が続きましたが、まずは自分の行動から変えることを決意されました。朝のあいさつ、洗い物を率先して済ませること、妻が話しかけてきたときはスマホを置いて向き合うこと。そうした日々の積み重ねを、焦らず続けていきました。

3か月ほど経った頃、妻が少しずつ言葉を交わしてくれるようになり、半年後には「最近、少し変わったね」と言われたそうです。そこからさらに対話を重ね、約1年半後には「あのとき離婚しなくてよかった」と二人で笑い合える関係に戻っていきました。

ここで注意していただきたいのは、成果を急がないことです。

夫婦関係の修復には、最低でも1年はかかると思ってください。3日、1週間で変化を求めると、思うようにいかないときに挫折してしまいます。信頼は一度壊れると、元に戻すには時間がかかります。でも、毎日の積み重ねは確実に相手に届きます。

4-4.一人からでも始められる関係改善の第一歩

「相手がまったく話を聞いてくれない」「今は口もきいてもらえない」。そんな状況でも、あなた一人から始められることはあります。

まず大前提として、夫婦関係の修復は「二人がそろって同時にスタートしなければならない」というものではありません。むしろ、一方が先に変わり始めることで、もう一方にも変化が起きるケースの方が多いのです。

一人で始められることとして効果的なのは、「自分自身の行動パターンを見直す」ことです。

たとえば、これまで相手の話を途中でさえぎっていなかったか。自分の意見ばかり押し通していなかったか。家事や育児を「手伝う」という意識で見ていなかったか。

こうした振り返りは、一人でもすぐに始められます。そして、自分の行動が変わると、不思議なことに相手の態度にも少しずつ変化が現れ始めます。

もし、一人での取り組みに不安を感じる場合は、夫婦関係の専門家に相談するのも一つの方法です。私たちのカウンセリングも、パートナーには内緒で、悩んでいる方お一人だけでお越しいただける形を取っています。

「一人で来て意味があるの?」と思われるかもしれませんが、まずあなたが変わるための具体的な方法を知ることが、関係全体を動かす大きなきっかけになります。

5.自分と家族を守るために知っておくべきこと

修復に向けて動き出すと同時に、万が一のために自分や家族を守る備えも知っておくことが大切です。

「備える=離婚を受け入れる」ではありません。最善を尽くしながら、同時に安全策を知っておくこと。その安心感があるからこそ、焦らず修復に取り組めるのです。

5-1.子どもがいる場合に気をつけること

お子さんがいるご家庭の場合、「返事をどうするか」を考えるときに、子どもの存在が大きなウエイトを占めます。

人口動態調査(2024年)によると、親が離婚した未成年の子の数は18万5,904人にのぼります。子どものいる離婚は9万5,436組にも及んでおり、決して他人事ではありません。

子どもがいる場合に最も大切なのは、夫婦の問題に子どもを巻き込まないことです。特に気をつけていただきたいのが、以下の3点です。

子どもを夫婦の問題に巻き込まないための3つの注意点
  • 子どもの前で相手の悪口を言わない
  • 離婚の話を子どもに伝えない
  • 子どもにどちらと暮らすか選ばせない

それぞれ詳しくお伝えしていきます。

子どもの前で相手の悪口を言わない

つい感情的になって「パパ(ママ)はひどい人だ」と口にしてしまうことがあるかもしれません。しかし、子どもにとっては両親のどちらも大切な存在です。片方の親を否定する言葉は、子どもの心に深い傷を残してしまいます。

離婚の話を子どもに伝えない

「パパ(ママ)が離婚したいって言ってるんだよ」と子どもに告げるのは避けてください。子どもは大人が思う以上に敏感で、自分のせいで両親がうまくいかないのではと自分を責めてしまうことがあります。

子どもにどちらと暮らすか選ばせない

「どっちと暮らしたい?」という質問は、子どもにとって残酷な選択です。どちらかを選ぶということは、もう片方の親を「選ばなかった」ことになり、子どもに大きな罪悪感を与えてしまいます。

また、2024年5月に成立した民法等の改正により、父母が離婚した後も子の利益を確保するための新たなルールが整備されました(2026年5月までに施行予定)。親権・養育費・親子交流などに関わるルールが見直されており、「返事」を考える際にはこうした制度の動きも頭に入れておくと安心です。

子どものためにも、感情だけで結論を出さず、冷静に話し合える状態を作ることを最優先にしてください。

5-2.離婚届不受理申出で自分を守る方法

「もしかしたら、自分の知らないうちに離婚届を出されるかもしれない」。そんな不安を感じている方もいるかもしれません。

この不安に対しては、法務省が案内している「離婚届不受理申出」という制度を知っておくことが大きな安心材料になります。

離婚届不受理申出とは、あなたの同意なく離婚届が受理されることを防ぐための制度です。お住まいの市区町村の窓口に申出書を提出するだけで手続きができ、費用もかかりません。

この申出をしておけば、万が一パートナーが勝手に離婚届を提出しても、役所の窓口で受理されなくなります。

「そこまでする必要があるだろうか」と思う方もいるかもしれません。しかし、この制度はあくまで「保険」です。修復を目指しながらも、自分の意思に反して離婚が成立してしまう事態を防いでおくことは、決して悪いことではありません。

むしろ、「自分にはまだ選択肢がある」と知っておくこと自体が、心の余裕につながります。不安が減れば、その分だけ冷静に修復に向き合えるようになるのです。

5-3.話し合いがまとまらないときの相談先と制度

夫婦二人だけで話し合おうとしても、感情的になってしまって前に進めないことがあります。

そんなときは、第三者の力を借りることも選択肢の一つです。

裁判所の案内によると、離婚について当事者間で話し合いがまとまらない場合や、そもそも話し合いができない場合には、家庭裁判所の「夫婦関係調整調停」を利用することができます。

調停と聞くと「離婚を進めるための手続き」と思うかもしれませんが、実はそうとは限りません。夫婦関係の修復を目的とした「円満調停」という形で申し立てることも可能です。

申立てにかかる費用は収入印紙1,200円分と郵便切手のみで、弁護士を立てなくても自分一人で手続きができます。

もちろん、調停は最後の手段ではありません。その前に、夫婦関係の専門家やカウンセラーに相談することも効果的です。

私自身の経験から言えば、夫婦の問題は一人で抱え込むほど深刻化しやすくなります。「誰かに話を聞いてもらう」というだけで、気持ちが整理され、次に何をすべきかが見えてくることも多いのです。

大切なのは、「助けを求める」ことを恥ずかしいことだと思わないことです。プロの力を借りることは、関係を修復したいという強い意志の表れです。

5-4.暴力や精神的虐待がある場合は修復より安全が最優先

ここまで夫婦関係の修復を前提にお伝えしてきましたが、一つだけ、必ず知っておいていただきたい例外があります。

パートナーからの暴力(DV)や精神的な虐待(モラハラ)が背景にある場合は、関係修復よりも、まずあなた自身の安全を最優先にしてください

内閣府の「男女間における暴力に関する調査」(令和5年度)によると、結婚したことがある人の25.1%が配偶者から暴力を受けた経験があると回答しています。さらに、被害を受けた人の44.2%はどこにも相談していません。

「自分さえ我慢すれば」「子どものためには離婚しない方がいい」と思い込んでしまう方も少なくありません。しかし、暴力や精神的な虐待がある関係の中では、我慢を続けることが状況を悪化させてしまいます。

このような場合は、修復の方法を考える前に、まず安全な場所を確保し、配偶者暴力相談支援センターや警察の相談窓口に連絡してください。

この記事でお伝えしてきた修復の方法は、暴力や虐待がない状況を前提としたものです。もし少しでも「自分は当てはまるかもしれない」と感じたら、無理に修復を目指すのではなく、ご自身の安全を第一に考えてください。相談すること自体は、すぐに大事になるわけではありませんので、安心して声を上げていただければと思います。

Q1:何度も「離婚したい」と言われている場合はどうすればいいですか?

A:繰り返し言われている場合は、一時的な感情ではなく、パートナーの中で不満が積み重なっている可能性が高いです。この場合、「また言ってる」と流すのが最も危険です。今回こそ真剣に受け止め、まずは相手の話をさえぎらずに最後まで聞くことから始めてみてください。そのうえで、一人での対応に限界を感じたら、夫婦関係の専門家に相談することをおすすめします。

Q2:返事を保留したら相手が怒ってしまいました。どうすればいいですか?

A:保留に対して怒るのは、「真剣に受け止めてもらえていない」と相手が感じている可能性があります。「逃げているわけじゃない。大切なことだからこそ、しっかり考えたい」と改めて伝えてみてください。大事なのは、保留の理由が「考えたくないから」ではなく「ちゃんと向き合いたいから」であることを、言葉にして伝えることです。

Q3:すでに別居している場合も、この記事の方法は使えますか?

A:はい、別居中でも基本的な考え方は同じです。ただし、物理的に距離がある分、日常のあいさつや態度で変化を見せる機会が限られます。その場合は、短いメッセージで近況を伝える、相手が必要としていることにさりげなく協力するなど、できる範囲で「気にかけている」姿勢を示していくことが大切です。無理に会おうとするのではなく、相手のペースを尊重しながら関わり続けてください。

まとめ

「離婚したい」と言われたとき、最も大切なのはその場で即答せず、冷静に考える時間を確保することです。

感情的に反論したり、勢いで離婚に同意したり、その場で離婚届にサインすることは、関係修復の可能性を大きく狭めてしまいます。

まずは「大事なことだから、少し考えさせてほしい」と伝え、その上で相手が「離婚したい」と思った本当の理由に耳を傾けてください。

夫婦関係の修復は、パートナーの協力がなくても、あなた一人から始めることができます。自分の気持ちを整理し、相手に寄り添う姿勢を見せ、日常の中で小さな信頼を積み重ねていく。その一つひとつが、1年、1年半という時間をかけて、関係を確かに変えていきます。

同時に、離婚届不受理申出や調停といった制度を知っておくことで、心に余裕を持って修復に取り組むことができます。

今この記事を読んでいるあなたは、「何とかしたい」という気持ちを持ってここにたどり着いたはずです。その気持ちこそが、変化の第一歩です。

人は誰でも変われます。そして、一人が変わることで、夫婦の関係も必ず動き出します。焦らず、諦めず、今日からできることを一つずつ始めていきましょう。

【夫婦関係修復カウンセリング2万名突破記念】

動画を視聴すると、こんなことが知れます▼

  • なぜ多くの夫婦が問題を解決できずにいるのか?その本当の理由
  • 友人や家族に相談しても解決しない理由と、本当に必要なこととは
  • 離婚原因の上位12項目のうち、解決可能な問題と解決できない問題の見分け方
  • 夫婦関係修復に必要な「あり方」を決める方法
  • 本物の自分と偽物の自分を見極め、パートナーから愛される自分になる秘訣
  • パートナーの頭の中の雑念や不安を取り除く具体的なアプローチ
  • 相手をリラックスさせ、前向きな気持ちにさせるコミュニケーション術
  • 見返りを求めない行動が、なぜ関係修復に絶大な効果をもたらすのか
  • パートナーがあなたの優しさや思いやりに気づいてくれるようになる方法
  • 「まずは自分から理解する」ことで相手の心を開く実践法
  • 夫婦ノートの正しい作り方と、それを成功させるために必要な前提条件
  • 相手を変えようとせずに、関係を劇的に改善する考え方
  • etc...

これらの中のたった1つでも、あなたの夫婦関係を劇的に変え、人生を180度好転させるほどのパワーがあります。

「もう一度、結婚当初のような深い絆を取り戻したい」「パートナーとの関係を根本から修復したい」と本気で願うなら、教材を受け取りたいメールアドレスを下記緑色のボタンよりお知らせください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です