夫婦仲が悪いと子供に深刻な影響が!心理カウンセラーが警告

「うちの子、最近なんだか元気がないんです…。私たち夫婦の関係が子供に影響を与えているのでしょうか?」

このような不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。実際、私の夫婦関係修復カウンセリングでも、多くの方がお子様への影響を心配されています。

まずは、以下のチェックリストで、お子様の様子を確認してみましょう。

子供の変化をチェックしてみましょう
□ 以前より表情が暗くなった
□ 勉強に集中できない様子が増えた
□ 友達と遊ばなくなった
□ 食欲や睡眠に変化が出てきた
□ 急に反抗的な態度が増えた
□ 些細なことで泣いたり怒ったりする

1つでも当てはまる項目があれば、お子様が何らかのストレスを感じている可能性があります。しかし、このような変化に気づけているということは、あなたがお子様のことをしっかりと観察できているという証です。

私は20年以上にわたり、夫婦関係・親子関係の改善に携わってきました。そしてこれまでに1万組を超えるご夫婦の関係修復をサポートする中で、夫婦関係の悪化が子供に与える影響を数多く見てきました。

しかし、大切なのは「今からでも間に合う」ということです。今回は、私の経験と専門知識をもとに、夫婦仲の悪さが子供に与える影響と、その対策についてお伝えしていきます。

この記事で分かること
  • 夫婦仲の悪さが子供に与える5つの具体的な影響
  • 影響を最小限に抑えるために今すぐできる対策
  • 夫婦関係を立て直すための具体的なステップ
  • 専門家として見てきた改善事例

1.夫婦仲の悪さが子どもに与える5つの具体的な影響とは

夫婦関係が良好でない状態が続くと、お子様にさまざまな影響が出始めます。文部科学省の調査によれば、子育ての負担が一方の親に集中することで家庭内の不和が生じ、それが子供の成長に影響を与えることが指摘されています。

ここからは、私が20年のカウンセリング経験の中で実際に見てきた、夫婦仲の悪さが子供に与える具体的な影響について5つご紹介します。

夫婦仲の悪さが子供に与える5つの影響
  1. 学業成績や集中力の低下
  2. 自己肯定感の低下とストレス反応
  3. 対人関係の不安定化
  4. 反抗的な行動や非行の増加
  5. 将来の結婚観への悪影響

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1.❶学業成績や集中力の低下

お子様の成績が急に下がり始めたり、授業に集中できなくなってしまうことがあります。

これは、家庭内の緊張状態によってお子様の心が不安定になり、勉強に向き合う余裕がなくなってしまうためです。

私のカウンセリングに来られた方のケースでは、両親の不仲を心配するあまり、授業中も家のことが気になって集中できない、という小学生のお子様がいらっしゃいました。

また、夜中まで続く夫婦げんかで十分な睡眠が取れず、それが日中の集中力低下につながるというケースも少なくありません。

子供は大人以上に良質な睡眠を必要としているため、夜間の静かな環境を守ることが大切です。

学業成績への影響は、次のような段階を経て進行していくことが多いです。

夫婦の不仲による子供の学業への影響の進行
第1段階 夫婦げんかによる睡眠不足
第2段階 授業中の集中力低下
第3段階 宿題・予習の意欲減退
第4段階 テスト結果の悪化

このように、学業への影響は連鎖的に起こっていきます。

1-2.❷自己肯定感の低下とストレス反応

勉強への影響以上に深刻なのが、お子様の心に与える影響です。夫婦間の不和が続くと、お子様の自己肯定感が大きく低下してしまう危険性があります。

私のカウンセリングでは、両親の不仲を自分のせいだと思い込んでしまうお子様が非常に多いことが分かっています。「パパとママが喧嘩するのは、自分が悪い子だからかもしれない」「自分がもっといい子だったら、パパとママは仲良くなれるかもしれない」といった思い込みから、強い自責の念を抱いてしまうのです。

また、ストレス反応として、夜尿や吃音、チック症状といった身体症状が現れることもあります。私が関わった小学3年生の男の子は、両親の不仲が続いた時期に夜尿が始まり、関係が改善してからそれらの症状が徐々に治まっていったという事例もありました。

1-3.❸対人関係の不安定化

両親の関係が不安定な状態を見て育つことで、他者との関係づくりにも影響が出てきます。

特に多いのが、「人と深く関わることを恐れる」という傾向です。両親の険悪な関係を目の当たりにして育った子供は、「親しい関係になればなるほど、いつか必ず壊れてしまう」という不安を抱きやすくなります。

また、両親の言い争いの場面を何度も目にしてきた子供は、自分の意見を主張することに強い抵抗を感じるようになることがあります。「自分の気持ちを伝えると相手を怒らせてしまうかもしれない」という恐れから、周囲に合わせることを優先し、本来の自分を出せなくなってしまうのです。

このような対人関係の不安定さは、お子様の学校生活全体にも大きな影響を及ぼすことがあります。友達とのトラブルが増えたり、反対に必要以上に周囲に気を遣ったりするようになるなど、健全な友人関係を築くことが難しくなってしまうのです。

1-4.❹反抗的な行動や非行の増加

対人関係の不安定さは、時として反抗的な行動となって表れることがあります。厚生労働省の調査でも、家庭内の不和が子供の問題行動を引き起こす要因の一つとして指摘されています。

特に思春期に入ると、両親の不仲に対する不満や無力感が、反抗的な態度や非行という形で表現されることがあります。私のカウンセリングでは、「両親に心配をかけることで、夫婦の関係が改善するかもしれない」と考え、わざと問題行動を起こすようになってしまったという中学生の事例もありました。

また、両親からの愛情を十分に感じられない子供は、学校での授業妨害や喫煙、深夜徘徊といった行動で周囲の注目を集めようとすることがあります。これは、家庭で得られない承認欲求を、別の形で満たそうとする心理が働いているためです。

1-5.❺将来の結婚観への悪影響

夫婦仲の悪化が子供に与える影響の中で、最も長期的なものが結婚観への影響です。

両親の不仲を見て育った子供は、「結婚=不幸」というネガティブな結婚観を持ってしまうことがあります。私がカウンセリングで出会った20代の女性は、「両親のような関係になるくらいなら、結婚はしたくない」と話していました。

また、結婚後の夫婦関係のモデルを持てないまま成長することで、自分が結婚生活を築いていく際にも困難を感じやすくなります。相手との健全なコミュニケーションの取り方や、夫婦間の問題解決方法を学ぶ機会を失ってしまうためです。

しかし、このような影響は決して取り返しのつかないものではありません。親である私たちが適切な対策を講じることで、子供への影響を最小限に抑えることができます。

次の章では、今すぐ始められる具体的な対策方法についてお伝えしていきます。

2.影響を最小限に抑えるために今すぐできる3つの対策

このように、夫婦仲の悪化は子供に深刻な影響を与えます。しかし、パートナーとの関係がすぐには改善できない場合でも、子供への影響を最小限に抑えることは可能です。

私のカウンセリングで実際に効果が確認できた、具体的な対策方法をお伝えしていきます。

子供への影響を最小限に抑えるための3つの対策
  • 子どもの前での喧嘩は絶対に避ける
  • 安定した生活リズムを保つ
  • 子どもとの時間を確保する

順番に解説していきましょう。

2-1.子どもの前での喧嘩は絶対に避ける

子供の心を守るために最も重要なのは、お子様の前での喧嘩を避けることです。

たとえ夫婦の関係が良好でなくても、子供の前では冷静に接することを心がけましょう。必要な会話は、お子様が就寝した後や、外出している時間を利用して行います。

もし、やむを得ず子供の前で言い争いになってしまった場合は、その後必ず「パパとママの言い合いを見せてごめんね。でも、あなたは何も悪くないよ」と伝えることが大切です。子供の自責の念を和らげ、安心感を与えることができます。

2-2.安定した生活リズムを保つ

夫婦関係が不安定な時期こそ、子供の生活リズムは守るようにしましょう。

例えば、「毎朝7時に起きて、一緒に朝食を食べる」「学校から帰ったら宿題をして、夕食は19時」といった具合に、決まった時間に決まった行動をする習慣を作ります。

このような規則正しい生活リズムは、子供に安心感を与えます。「両親の関係は不安定でも、自分の生活は安定している」という感覚が、子供の心の支えになるのです。

2-3.子どもとの時間を確保する

夫婦間に問題を抱えていても、子供との時間は必ず確保するようにしましょう。

一緒に過ごす時間は、量より質が重要です。例えば、「お風呂上がりの15分間は、スマートフォンを見ずに子供と向き合って話をする」「休日は30分でも子供の好きな遊びに付き合う」といった具合です。

このとき大切なのは、パートナーの話題は避け、お子様との時間を純粋に楽しむことです。「パパ(ママ)はね、あなたのことが大好きだよ」というメッセージを、言葉と態度で伝えていきましょう。子供にとって、親からの無条件の愛情を感じられる時間は、何よりの支えとなります。

以上の対策を実践することで、子供への影響をある程度抑えることはできます。しかし、根本的な解決のためには、夫婦関係そのものの改善に取り組む必要があります。

次の章では、夫婦関係を立て直すための具体的なステップをご紹介します。

3.夫婦関係を立て直すための具体的なステップ

子供への影響を最小限に抑える対策と並行して、夫婦関係そのものの改善にも取り組んでいきましょう。実は、多くの夫婦は「子供のために」と我慢を重ねていますが、それは逆効果になることもあります。

本当の意味で子供を守るためには、夫婦関係の立て直しに向き合う必要があります。私のカウンセリングでは、以下のステップで関係改善に取り組んでいただいています。

夫婦関係を立て直すための3つのステップ
  • パートナーとの会話を増やす
  • お互いの気持ちを理解し合う
  • 専門家に相談する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1.パートナーとの会話を増やす

夫婦関係の改善で最も大切なのは、会話の質と量を増やしていくことです。

まずは子供の話題から始めるのがおすすめです。「今日、子供がこんなことを話していたよ」「最近、子供の様子がこう変わってきたと思う」といった会話は、お互いに共有しやすい話題です。

大切なのは、批判や非難を含まない会話を心がけることです。「あなたは子供のことを考えていない」といった言葉は、たとえその通りだと感じても、まずは控えめにしましょう。建設的な会話を積み重ねることで、少しずつ信頼関係を取り戻すことができます。

3-2.お互いの気持ちを理解し合う

パートナーとの会話が増えてきたら、次は気持ちの理解を深めていきます。

例えば、「子供の前で喧嘩をしてしまうのは、実は私も辛いんです。でも、どうしても感情的になってしまって…」といった具合に、自分の気持ちを素直に伝えてみましょう。

このとき重要なのは、お互いの立場や考えを否定せず、まずは受け止めることです。「そういう気持ちだったんだね」「そう思っていたなんて知らなかった」と、相手の気持ちに耳を傾けることで、新たな理解が生まれることがあります。

特に育児中は、お互いにストレスや疲れを抱えやすい時期です。相手を責めるのではなく、「二人でどうやって乗り越えていけるか」という視点で話し合うことが大切です。

具体的な会話の例をご紹介します。以下の表は、同じ状況での「NGな言い方」と「望ましい言い方」を比較したものです。

言い方の比較表:相手の気持ちを理解するために
NGな言い方 望ましい言い方
なんで話を聞いてくれないの? 最近、話を聞く余裕がなくて申し訳ないね。どんなことを話したかったの?
いつも仕事ばっかりで私のこと見てない もっと一緒の時間が欲しいな。週末は二人で出かけない?

このように、相手を責めるのではなく、自分の気持ちを素直に伝え、相手の考えを聞く姿勢を持つことで、建設的な対話が可能になります。

3-3.専門家に相談する

お互いの気持ちを理解し合おうと努力しても、なかなか改善が見られない場合は、専門家に相談することをおすすめします。

夫婦関係の問題は、当事者同士では解決が難しいことがあります。感情的になりすぎて冷静な判断ができなかったり、お互いの言い分を客観的に整理できなかったりするためです。

専門家のカウンセリングでは、中立的な立場から夫婦それぞれの気持ちを整理し、建設的な話し合いができるよう支援します。また、子供への影響を最小限に抑えながら関係を改善していく具体的な方法についても、アドバイスを受けることができます。

私のクライアントの中には、「カウンセリングを受けるのは、夫婦関係の敗北を認めることになるのでは?」と不安を感じる方もいらっしゃいます。しかし実際は、問題解決への一歩を踏み出す勇気ある決断だと捉えていただきたいと思います。

4.実際に夫婦関係が改善した親子の変化

ここまでお伝えしてきた対策について、実際のカウンセリング事例をご紹介します。

もちろん、プライバシーに配慮して詳細は変更していますが、夫婦関係の改善が子供に与える良い影響を実感していただける事例です。

小学4年生の男の子を持つAさんは、些細なことでご主人との言い争いが絶えず、子供の前でも感情的になることが増えていました。

息子さんは次第に成績が下がり始め、担任の先生からも「最近、授業中によく考え事をしている」と連絡が来るようになりました。

カウンセリングでは、まず「子供の前での喧嘩を避ける」ことから始めました。感情的になりそうな時は、息子さんの就寝後に話し合うようにしたのです。

次に、息子さんと過ごす時間を増やしました。特に土曜日の午後は「息子との時間」として、好きな遊びに付き合うことにしたそうです。

3ヶ月後、息子さんの表情が明るくなり、成績も徐々に回復。半年後には、以前のように活発な男の子に戻っていました。さらに興味深いことに、息子さんの変化が夫婦関係の改善を促進したのです。

「息子の笑顔が増えて、自然と夫婦の会話も増えました」とAさんは振り返ります。「完璧な夫婦関係ではありませんが、息子のためにお互いを理解しようとする気持ちは、以前より強くなりました」

このように、できることから一つずつ始めていくことで、確実に状況は変わっていきます。大切なのは、諦めずに一歩を踏み出すことなのです。

まとめ

夫婦仲の悪化は、子供の心身の成長に大きな影響を与えます。しかし、その影響は決して取り返しのつかないものではありません。

お子様の前での喧嘩を避け、安定した生活リズムを保ち、子供との時間を大切にすることで、影響を最小限に抑えることができます。さらに、パートナーとの対話を増やし、お互いの気持ちを理解し合うことで、夫婦関係の改善も可能です。

一番大切なのは、「今から変えていこう」という意識を持つことです。完璧な夫婦関係を目指す必要はありません。お子様のために、そして何より自分たち自身のために、一歩ずつでも前に進んでいきましょう。

もし具体的な方法について悩まれている方は、ぜひ専門家に相談することをおすすめします。私たちは、あなたの夫婦関係の改善と、お子様の健やかな成長を全力でサポートさせていただきます。

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