「妻が家事しない…」その理由と専門家直伝5つの効果的な解決法

「妻が家事しない…」その理由と専門家直伝5つの効果的な解決法

「なんで家事をしてくれないんだろう」「どうしたら家事をしてくれるようになるのだろう」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

私は夫婦関係修復のカウンセリングを20年以上行ってきましたが、その中で最も多い相談の一つが「家事の問題」です。

実は、妻が家事をしない状況には必ずその人なりの理由があり、その理由を理解し、適切なアプローチをすることで、ほとんどの場合、状況は改善に向かいます。

私のカウンセリングでも、「相手を否定することなく、まずは自分にできることから始める」というアプローチで、多くの夫婦が良好な関係を築けるようになっています。

この記事では、20年以上の夫婦カウンセリングの経験から、すぐに実践できる具体的な対処法と、長期的な解決に向けた方法をご紹介します。

▼この記事で分かること

  • 妻が家事をしない場合の具体的な対処法
  • NGな対応と正しい対応例
  • 妻が家事をしない本当の理由
  • 家事の上手な話し合い方
  • 長期的な解決方法

1.妻が家事をしない場合の効果的な対処法

妻が家事をしない状況を改善するためには、まず「自分にできること」から始めることが重要です。一方的に要求するのではなく、相手の立場に立って考え、行動することで、必ず状況は良い方向に向かいます。

1-1.まず試したい3つの具体的アプローチ

状況を改善するために、まずは以下の3つのアプローチを試してみましょう。これらは夫婦カウンセリングの現場で、実際に効果が確認されている方法です。

  • 自分でできる家事から始める
  • 感謝の気持ちを具体的に伝える
  • 家事の負担を軽くする工夫をする

それぞれのアプローチについて、詳しく見ていきましょう。

【自分でできる家事から始める】
「なんで自分がやらなきゃいけないんだ」と思うかもしれません。しかし、誰かが始めなければ状況は変わりません。まずは自分にできる簡単な家事から始めてみましょう。

例えば、食器を使ったら自分で洗う、服を脱いだら洗濯かごに入れる、新聞は読んだら片付けるなど、自分の身の回りのことから始めるのがおすすめです。

そうすることで、家の中が少しずつ整理され、妻も家事に取り組みやすい環境が整っていきます。

【感謝の気持ちを具体的に伝える】
妻が少しでも家事をしてくれたら、その場で具体的に感謝を伝えましょう。「いつもありがとう」という一般的な言葉ではなく、具体的な行動に対して感謝を伝えることが大切です。

「洗濯物を畳んでくれて助かったよ。シャツがきれいに畳まれていて気持ちいいよ。」

「夕食を作ってくれてありがとう。温かいご飯を食べられてほんと幸せだよ。」

このように具体的に感謝を伝えることで、妻は自分の行動が認められていると感じ、家事に対するモチベーションが高まります。

【家事の負担を軽くする工夫をする】
食器洗い機や食洗機、ロボット掃除機など、家事の負担を軽くする便利な家電があります。また、宅配弁当や家事代行サービスの利用も検討してみましょう。

「家事を楽にする工夫を一緒に考えていきたい」と提案することで、妻も前向きに家事について考えるきっかけになります。

1-2.NGな対応と正しい対応例

具体的なアプローチを試す一方で、避けるべき対応もあります。夫婦カウンセリングの現場でも、これらのNG対応が原因で関係が悪化するケースを多く見てきました。以下のような対応は絶対に避けましょう。

【他人と比較する】
「○○さんの奥さんは毎日きれいに掃除をしているのに」という比較は、最も避けるべき対応です。他人との比較は、相手の自尊心を傷つけ、むしろ家事をする意欲を失わせてしまいます。

正しい対応としては、「一緒に住みやすい家にしていきたい」など、二人の問題として捉えた発言をすることです。

【一方的に非難する】
「何もしないで一日中スマホばかり」「やる気がないだけでしょ」といった非難の言葉も、状況を悪化させます。相手を責めることで、心理的な反発を生み、コミュニケーションが途絶えてしまいます。

正しい対応は、「最近疲れているように見えるけど大丈夫?」など、相手の状況を気遣う言葉をかけることです。

【過去の約束を蒸し返す】
「結婚する時に家事をやると約束したよね」など、過去の約束を持ち出すのもNGです。このような発言は、現在の状況改善には全く役立ちません。

その代わりに、「これからどうしていけば良いか、一緒に考えていきたい」など、未来志向の発言を心がけましょう。

1-3.妻が家事をしない6つの理由とそれぞれの対処ポイント

ここまで具体的な対応方法を見てきましたが、より効果的なアプローチのために、妻が家事をしない理由について理解を深めましょう。理由を理解することで、より適切な対応が可能になります

妻が家事をしない理由には、主に以下の6つがあります。

  • 仕事の疲れがたまっている
  • 家事の基準が異なる
  • 体調が優れない
  • 育児に手一杯
  • 夫への不満がある
  • 家事が苦手、やり方が分からない

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

【仕事の疲れがたまっている】
共働きの場合、仕事と家事の両立で疲れが蓄積していることがあります。この場合、まずは妻の仕事の状況について話を聞き、理解を示すことが大切です。その上で、家事代行サービスの利用や、家事の分担について話し合うことをおすすめします。

【家事の基準が異なる】
「掃除の頻度」や「料理の品数」など、家事に対する考え方が夫婦で異なることがあります。夫が「やってくれない」と感じる一方で、妻は「十分やっている」と思っている可能性があります。お互いの基準を話し合い、すり合わせることが解決の第一歩です。

【体調が優れない】
体調不良や妊娠、出産後の体力低下など、身体的な理由で家事が困難になっている可能性があります。このような場合は、まず妻の健康状態を最優先に考え、必要に応じて医師への相談も検討しましょう。

【育児に手一杯】
小さな子どもがいる場合、育児に時間を取られ、家事まで手が回らないことがあります。育児の大変さを理解し、家事よりも育児を優先させることも時には必要です。

【夫への不満がある】
夫の言動や態度への不満が、家事をしない形で表れることがあります。特に、感謝の言葉が少ない、家事を当たり前だと思っている、といった不満は多く聞かれます。まずは自分の態度を振り返ってみましょう。

【家事が苦手、やり方が分からない】
実家で家事をあまりしてこなかったなど、家事に不慣れな場合もあります。この場合は、一緒に家事をしながら具体的なやり方を共有したり、家事のコツを教え合ったりすることで、徐々に改善していくことができます。

2.妻との家事に関する上手な話し合い方

妻が家事をしない理由について理解できたところで、次は具体的な話し合いの方法についてお伝えしていきます。ここでは、家事について建設的な話し合いを行うためのポイントをご紹介します。

2-1.話し合いの前にまず整理すべきこと

家事について話し合う前に、まず自分の中で整理しておくべきことがあります。カウンセリングの現場でも、この準備をしっかりとした夫婦ほど、話し合いが建設的な方向に進んでいます

【自分の理想と現実を書き出す】
まずは、自分が理想とする家事の状態と、現在の状態を具体的に書き出してみましょう。たとえば「毎日掃除がされている家」が理想だとして、現状は「週1回程度しか掃除されていない」といった具合です。

この作業を通じて、自分が本当に何に困っているのか、何を改善したいと思っているのかが明確になります。

【自分ができることを考える】
次に、家事について自分ができることを考えましょう。「仕事から帰ったら食器を洗う」「休日は掃除をする」など、具体的に行動できることをリストアップします。相手に要求するだけでなく、自分の役割も明確にすることで、より建設的な話し合いが可能になります。

2-2.話し合いの進め方5ステップ

話し合いを始める際は、以下の5つのステップで進めることをおすすめします。

  • 【Step1】適切なタイミングを選ぶ
  • 【Step2】気持ちに寄り添う
  • 【Step3】現状の確認
  • 【Step4】具体的な提案
  • 【Step5】合意形成と実行

このステップを踏むことで、お互いの気持ちを理解し合いながら、具体的な解決策を見つけることができます。それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

【Step1:適切なタイミングを選ぶ】
お互いに時間的、精神的な余裕がある時を選びましょう。疲れて帰ってきた直後や、イライラしている時は避けます。休日の午前中など、心に余裕がある時間帯がベストです。

【Step2:気持ちに寄り添う】
まずは妻の気持ちや状況を理解することから始めます。「最近仕事が忙しそうだけど大変じゃない?」「家事と育児の両立は大変だよね」など、相手の立場に立った声かけから始めましょう。

【Step3:現状の確認】
お互いが感じている現状について、冷静に話し合います。この時、批判や非難は避け、事実を述べることに徹します。「私はこう感じている」「こういう状況で困っている」という形で伝えましょう。

【Step4:具体的な提案】
自分にできることを提案しながら、一緒に解決策を考えます。「僕は平日の夜に食器を洗うようにするから、洗濯物は一緒に干さない?」といった具合です。

【Step5:合意形成と実行】
話し合いで決まったことは、具体的に書き出して確認します。そして、まずは1週間など、試行期間を設けて実践してみましょう。

2-3.話し合いで使える具体的な会話例

実際の会話では、どのように話を進めれば良いのでしょうか。以下に具体的な会話例をご紹介します。

【話し合いの切り出し方】

「最近、二人とも忙しくて家のことが大変だよね。週末に少し時間作って、これからのことを話し合わない?」

【現状の確認時】

「僕も仕事が忙しくて、なかなか家事の時間が取れなくて。でも、二人で工夫すれば、もう少し快適な生活ができるんじゃないかなって思うんだ」

【具体的な提案時】

「僕は平日、夜9時までには帰ってこられるから、その時間に食器洗いと翌日の準備をするようにするよ。週末の掃除は二人で分担してやってみない?」

【合意形成時】

「じゃあ、まずは1週間試してみて、また話し合ってみよう。うまくいかないところがあったら、その時に一緒に考えていこう」

このように、相手を責めることなく、二人で解決する姿勢で話を進めることが大切です。

3.長期的な解決に向けた家事分担の見直し方

これまでの対処法と話し合いを通じて、少しずつ状況は改善されていくことでしょう。しかし、その改善を一時的なものではなく、長期的なものにしていくためには、家事分担の仕組みづくりが必要です。私のカウンセリングでも、この仕組みづくりができた夫婦は、5年後、10年後も良好な関係を保てていることが多いです

3-1.家事の現状を可視化する方法

長期的な解決の第一歩は、現状を正確に把握することです。家事の内容や所要時間を具体的に書き出すことで、お互いの負担を理解し合うことができます。

【1日の家事リストを作る】
まずは、1日に必要な家事を全て書き出してみましょう。朝食の準備から夜の後片付けまで、できるだけ細かく記録します。たとえば、

  • 朝食の準備(20分)
  • 食器洗い(15分)
  • 洗濯物を干す(10分)

といった具合です。

この作業を通じて、家事にどれくらいの時間がかかっているのか、どの時間帯に家事が集中しているのかが見えてきます。

【家事カレンダーを作成する】
次に、1週間分の家事カレンダーを作成します。平日と休日で必要な家事は異なりますし、曜日によって買い物や掃除など、特別な家事が発生することもあります。

カレンダーを作ることで、「月曜は仕事が遅くなりやすい」「水曜は早く帰れる」といった、お互いの生活リズムに合わせた分担が考えやすくなります。

3-2.家事の基準をすり合わせるポイント

家事の現状が見えてきたところで、次は家事の基準をすり合わせていきます。夫婦間で家事の基準が異なることは珍しくありません。むしろ、それが自然なことだと理解することが大切です

【それぞれの「気になること」を共有する】
「毎日掃除機をかけたい」「料理は手作りにこだわりたい」など、それぞれが大切にしている部分を共有します。また、「洗面所の水滴が気になる」「玄関の散らかりが気になる」といった、特に気になるポイントも出し合いましょう。

【優先順位をつける】
全ての家事を完璧にこなすことは現実的ではありません。そのため、どの家事を優先するのか、どの部分は妥協できるのかを話し合います。

たとえば、「平日の料理は簡単なもので良いが、洗濯物は毎日干したい」「掃除は週末にまとめてするが、食器は毎日洗う」といった具合に、優先順位をつけていきましょう。

それぞれの生活スタイルや価値観に合わせて、無理のない基準を見つけることが、長続きのコツです。

3-3.無理のない分担方法の決め方

家事の現状と基準が見えてきたら、具体的な分担方法を決めていきます。ここで大切なのは、それぞれの生活リズムやスケジュールを考慮し、無理なく続けられる方法を選ぶことです

【得意不得意を考慮する】
料理が得意な人は食事の準備を担当し、几帳面な人は洗濯物の整理を担当するなど、それぞれの得意分野を活かした分担を考えましょう。苦手な家事を無理に担当すると、モチベーションが続きにくくなります。

【時間帯で分ける】
朝型の人は朝の家事を、夜型の人は夜の家事を担当するなど、それぞれの生活リズムに合わせた分担も効果的です。「朝は妻が朝食と洗濯、夜は夫が食器洗いと翌日の準備」といった具合です。

【曜日で分ける】
平日と休日で分担を変えたり、特定の曜日を担当制にしたりする方法もあります。たとえば「火曜と金曜は夫が料理担当」「土曜の午前中は二人で掃除」といった決め方です。

3-4.家事代行サービスの活用検討

どんなに工夫しても、共働きの場合など、家事の負担が重すぎると感じることがあります。そんな時は、家事代行サービスの活用も検討してみましょう。これは決して「できない」ことを意味するのではなく、より良い夫婦関係を築くための賢い選択肢の一つです

【活用を検討するべき場面】

  • 共働きで時間的余裕がない
  • 育児や介護で手一杯
  • 体調不良や妊娠中
  • 仕事が繁忙期

【サービスの選び方】
利用を検討する際は、以下の点をチェックしましょう。

  • 料金体系(定期利用割引はあるか)
  • サービス内容(何をお願いできるか)
  • スタッフの教育体制(安心して任せられるか)
  • 口コミや評判

まとめ

妻が家事をしない状況は、決して珍しいことではありません。大切なのは、その状況を一方的に非難するのではなく、二人で解決していく姿勢を持つことです。

この記事でご紹介した内容をまとめると。

  • まずは相手を責めず、自分にできることから始める
  • 妻が家事をしない理由を理解し、適切なアプローチを選ぶ
  • 建設的な話し合いを通じて、お互いの状況を理解し合う
  • 無理のない家事分担の仕組みを作る

これらの取り組みは、すぐには大きな変化が見えないかもしれません。しかし、小さな一歩から始めることで、必ず状況は良い方向に向かっていきます。

私のカウンセリングでも、「まずは自分にできることから」という姿勢で取り組んだ夫婦は、多くの場合で関係が改善しています。

夫婦でより良い関係を築くためにも、ぜひこの記事で紹介した方法を試してみてください。

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