離婚したいと言われて眠れない夜は答えを出さないで|1万組を支えたコーチが教える修復への最初の一手

夜、布団に入っても、夫から言われた離婚したいという言葉が頭から離れない。このまま本当に離婚になってしまうのか、明日からどんな顔で夫と話せばいいのか。今まさに、そんな不安で眠れない夜を過ごしているのではないでしょうか。

はじめまして。私は夫婦関係修復コーチとして、20年以上にわたり1万組を超えるご夫婦の関係修復をサポートしてきました。その中で、離婚を切り出された直後に眠れなくなった方と、数えきれないほど向き合ってきました。

だからこそ、最初にお伝えしておきます。離婚したいと言われた夜は、夫婦の終わりではありません。関係を立て直す道は、まだしっかり残っています。

離婚したいと言われて眠れないときは、今夜は答えを出さず、体を休めることを最優先にしてください。夜中の連絡や、寝不足のまま夫を問い詰めることは控えます。眠れない日が続くときは一人で抱えずに相談し、心が落ち着いたら、夫の協力がなくてもあなた一人からできることを一つずつ始めていけば大丈夫です。

この記事では、夫から言われた妻の立場でお話ししますが、妻から言われた夫の方にもそのまま役立つ内容です。この記事を読み終えるころには、次のことが分かるようになっています。

この記事で分かること
  • 離婚したいと言われて眠れない夜に、今すぐできること
  • 眠れない夜にやってしまうと、修復が遠のく行動
  • 眠れない日が続くときに気をつけたい心と体のサイン
  • 離婚したいと言った夫の本当の気持ち
  • 夫の協力がなくても一人から始められる関係修復の進め方

スマホを握りしめたままで構いません。ここから、一つずつ順を追ってお伝えしていきます。

目次

1.離婚したいと言われて眠れない夜に、まず試してほしい4つのこと

離婚したいと言われた夜に必要なのは、夫婦の問題を解決する方法ではありません。まずは、今夜を少しでも楽に乗り切ることです。心も体も疲れ切った状態では、どんなに良い方法も実践できないからです。

そのために試してほしいのは、眠れないのは自然な反応だと知ること、今夜は答えを出さないこと、不安を紙に書き出すこと、無理に眠ろうとせず体を休めることの4つです。順番にお伝えします。

1-1.眠れないのは心が自分を守ろうとしている自然な反応

まず知っておいてほしいのは、今あなたが眠れないのは、ごく自然な反応だということです。

人は、大切なものを失うかもしれないと感じると、心と体が緊張した状態になります。危険に備えようとして頭がさえ、体が休む準備に入れなくなるのです。

長く一緒に過ごしてきた夫から離婚したいと言われるのは、人生の土台が揺れるような出来事です。眠れなくなるのは、それだけ夫との生活を大切に思ってきた証でもあります。

カウンセリングの現場でも、離婚を告げられた直後の方の多くが、寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝早く目が覚めてしまうといった状態を経験しています。決して、あなただけが特別に弱いわけではありません。

ところが、眠れない自分を責めてしまう方が少なくありません。明日も仕事なのに、子どものお弁当を作らなきゃいけないのにと焦るほど、体はますます緊張してしまいます。

だからこそ、今夜は眠れなくても仕方ないと、まずは自分に許してあげてください。眠れない自分を責めるのをやめるだけで、心の緊張は少しゆるみます。

1-2.今夜は答えを出さないと自分に約束する

眠れない自分を受け入れられたら、次は、今夜のうちに答えを出そうとしないことを自分に約束してください。夜中に考えても、夫婦の答えは出ないからです。

離婚したいと言われると、頭の中には次々に問いが浮かびます。夫は本気なのか、どこで間違えたのか、離婚したら子どもはどうなるのか。どれも大切な問いですが、夜は心が弱りやすく、物事を悪い方向へ考えやすい時間です。夜中に出した結論は、朝になると違って見えることがほとんどです。

夫婦の答えは、今夜決めなくていいのです。これは気休めではありません。話し合いで離婚する場合は、夫婦二人が合意し、離婚届を出さなければ離婚は成立しないからです。あなたが合意しない限り、夫が一言口にしただけで離婚が決まることはありません。

知らないうちに離婚届を出されてしまうのではと不安なときは、離婚届の不受理申出という手続きがあります。離婚届の不受理申出とは、本人の意思が確認できない離婚届を受理しないよう、市区町村役場に申し出ておく手続きです。不安で眠れないときの、心の支えの一つとして覚えておいてください。

そのうえで、考えが止まらなくなったら、心の中で次のように言葉にしてみてください。

「今日はもう考えるのはおしまい。続きは明日の昼に考える」

考えること自体をやめるのではなく、考える時間を明日に移すのです。無理に忘れようとするより、ずっと心が楽になります。

1-3.頭の中をぐるぐる回る不安を紙に書き出す

とはいえ、答えを出さないと決めても、不安はなかなか消えてくれません。そんなときに役立つのが、頭の中をぐるぐる回っている不安を紙に書き出す方法です。

不安は、頭の中だけで抱えていると、同じことを何度も繰り返し考えてしまいます。紙に書き出すと、ぼんやりした不安が目に見える言葉になり、少し距離を置いて眺められるようになります。

書き方に迷うときは、次のワークシートの形を、手元のノートにそのまま書き写して使ってみてください。浮かんだ不安を書いたら、それが今夜考えなければならないことかどうかを、自分に問いかけていきます。

▼今夜の不安を整理するワークシート
今夜の不安 今夜考えないといけない? 明日の昼に考えること
(記入例)夫は本気で離婚したいのか いいえ 夫が最近どんな不満を口にしていたか思い出す
(記入例)子どもにどう話せばいいか いいえ 今はまだ子どもに話さず、普段どおりに過ごす
     
     
※記入例を参考に、ノートに同じ表を書いて使ってください。きれいな文章にする必要はありません

書いてみると、真ん中の列のほとんどが、いいえになることに気づくはずです。今夜の不安のほとんどは、今夜答えを出さなくていいものなのです。

書き終えたら、そのページを閉じて、今夜の分はここに預けたと考えてください。明日の昼に考えることの列は、少し落ち着いたときに読み返せば十分です。

注意してほしいのは、スマホのメモ機能を使わないことです。スマホを手に取ると、つい夫とのLINEを見返したり、ネットで検索を始めたりしてしまいます。できるだけ紙とペンを使ってください。

1-4.無理に眠ろうとせず、体を休めることだけを考える

書き出して少し気持ちが落ち着いても、すぐに眠れるとは限りません。そんなときは、眠ろうと頑張るのをやめて、体を休めることだけを考えてください。

眠らなきゃと思うほど、頭はかえってさえてしまいます。眠りは頑張って手に入れるものではなく、体がゆるんだときに自然に訪れるものだからです。目を閉じて横になっているだけでも、体は休まっています。

体をゆるめるには、ゆっくりとした呼吸が役立ちます。鼻から静かに息を吸い、吸ったときの倍くらいの時間をかけて、口から細く長く吐いてください。何回か繰り返すうちに、肩やお腹の力が少しずつ抜けていきます。

布団の中で長い時間眠れず、かえってつらくなるときは、一度布団から出るのも一つの方法です。明かりを少し落とした部屋で温かい飲み物を飲み、眠気が来たらまた布団に戻ればいいのです。

このとき、コーヒーや緑茶などカフェインの入った飲み物と、気をまぎらわせるためのお酒は避けてください。お酒は寝つきがよくなるように感じても、夜中に目が覚める原因になります。白湯やホットミルクなど、体を温めるものがおすすめです。

今夜は、体を休められればそれで十分です。それ以上を自分に求めなくて大丈夫です。

2.眠れない夜にやってしまいがちな、修復を遠ざける4つの行動

今夜の過ごし方が分かったところで、次は、眠れない夜に避けてほしい行動をお伝えします。心が追い詰められていると、普段ならしない行動をとってしまい、それが夫との距離をさらに広げてしまうからです。

避けてほしいのは、夜中に長文の連絡をすること、寝不足のまま夫を問い詰めること、離婚の体験談を読み続けること、義両親や友人を巻き込むことの4つです。それぞれの理由と、代わりにできることを見ていきます。

2-1.夜中に長文のLINEや電話で気持ちをぶつけてしまう

最も多いのが、夜中に夫へ長文のLINEを送ったり、電話をかけたりして、気持ちをぶつけてしまうことです。

眠れない夜は、今すぐ気持ちを伝えないと手遅れになるような気がします。どれだけ夫を大切に思っているか、どこが悪かったのか、どうしてほしいのか。書いているうちに文章はどんどん長くなり、勢いのまま送信してしまいます。

ところが、離婚したいと言った直後の夫にとって、夜中の長文は重たく受け取られやすいものです。謝る言葉が並んでいても、責められている、追い詰められていると感じ、かえって心を閉ざしてしまうことがあります。

さらに、既読がつかない、返事が来ないと不安が強くなり、二通目、三通目と送ってしまう方もいます。こうなると、夫の気持ちはますます離れていきます。

夜中に書いたメッセージは送らないと決めてください。どうしても書きたいときは、送信せずにノートや下書きに残しておきます。朝になって読み返すと、送らなくてよかったと感じることがほとんどです。

2-2.寝不足のまま夫を問い詰めて答えを急いでしまう

夜中の連絡をこらえられたとしても、翌朝、寝不足のまま夫を問い詰めてしまうケースも少なくありません。

一晩中考え続けた頭は、早く答えを知りたい気持ちでいっぱいです。朝、夫の顔を見たとたん、本気なのか、いつから考えていたのかと、こらえていた言葉があふれ出してしまいます。

寝不足のときは、気持ちが不安定になりやすく、落ち着いて考えることも難しくなります。その状態で答えを迫ると言葉がきつくなり、夫は責められていると感じ、さらに口を閉ざしたり、離婚の気持ちを強めたりすることがあります。

では、翌朝はどう顔を合わせればいいのでしょうか。答えは、できるだけ普段どおりに過ごすことです。いつもと同じようにおはようと声をかけ、離婚の話には自分から触れない。それだけで十分です。

普段どおりに振る舞うのは、とても苦しいことだと思います。けれども、妻が取り乱さずにいる姿は、夫にとって意外なものとして映り、張りつめた気持ちを少しゆるめるきっかけになります。

夫から話を切り出された場合も、すぐに答える必要はありません。例えば、次のように伝えてみてください。

「話してくれてありがとう。ちゃんと考えたいから、少し時間をちょうだい」

このように伝えれば、夫を責めずに話し合いを先に延ばせます。答えを急がない姿勢そのものが、実は修復への第一歩になります。

2-3.離婚の体験談をスマホで朝まで読み続けてしまう

問い詰めるのとは反対に、一人で情報を集めすぎてしまうのも、眠れない夜にありがちな行動です。

離婚を切り出された人の体験談や、掲示板の書き込みを次々に読み続け、気づけば外が明るくなっていた。そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。

同じ経験をした人の話を読むと、一時的にほっとします。ところが、ネット上には、離婚に至った話やつらい思いをした話のほうが目に入りやすいものです。読むほどに、うちもこうなるのではと不安がふくらんでいきます。

しかも、他の夫婦の話は、あなたと夫の関係とは事情がまったく違います。結婚してからの年数も、離婚したいと言った理由も、夫の性格も、夫婦ごとに異なるからです。他人の結末を、自分の未来に重ねる必要はありません。

加えて、スマホの明るい画面を見続けると、目がさえて、ますます眠りにくくなります。

夜はスマホを手の届かない場所に置いて寝るのがおすすめです。情報を調べるのは昼間に時間を決めて行い、夫婦問題にくわしい専門家の情報を選んでください。

2-4.義両親や友人を巻き込んで味方を増やそうとしてしまう

4つ目は、義両親や友人を巻き込んで、味方を増やそうとしてしまうことです。

抱えきれない気持ちを誰かに聞いてほしいと思うのは、自然なことです。信頼できる友人に話を聞いてもらうだけなら、心の支えになります。

問題になるのは、夫を説得してもらおうとしたり、夫の悪いところを周りに広めたりしてしまうケースです。例えば、義母に電話をして、このように頼んでしまう方がいます。

「お義母さん、急に離婚したいって言われてしまって…。お義母さんから何か言っていただけませんか」

本人は夫婦を守るために動いたつもりでも、夫から見ると、知らないところで話が広がり、外から圧力をかけられたように感じます。夫婦の問題を外に持ち出されたことに傷つき、妻への不信感を強めてしまうことも少なくありません。

また、友人に夫の悪口を話すうちに、自分の中でも夫への怒りがふくらんでいきます。関係を修復したいという本当の気持ちから、少しずつ離れていってしまうのです。

相談するなら、夫婦のことを外に漏らさず、どちらの味方にもならずに話を聞いてくれる相手を選んでください。家族や友人に話す場合も、気持ちを聞いてもらうだけにとどめ、夫の説得を頼むのは控えます。

3.眠れない日が続くときに見逃してはいけない心と体のサイン

眠れない日が何日も続くときは、心と体のサインに気づき、早めに相談することが大切です。眠れない状態は、気持ちの問題だけでは片付けられない心身の不調につながることがあるからです。

ここでは、眠れなさが強まる悪循環、心の不調のサイン、医療機関や相談窓口を頼る目安、安全を守る必要があるケースの順にお伝えします。

3-1.眠れないほど不安が強まり、さらに眠れなくなる悪循環

眠れない日が続くと、不安がさらに強まり、その不安でまた眠れなくなるという悪循環に陥ることがあります。

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、不眠が続くと、眠れないことへの不安や緊張が強まり、さらに眠れなくなる悪循環に陥る場合があると説明されています。また、睡眠不足は気持ちの不安定さや、注意力・判断力の低下にもつながるとされています。

離婚したいと言われた方は、この悪循環にとくに入りやすい状態です。夜になると夫の言葉を思い出して眠れない。昼間も頭がぼんやりして、仕事や家事でミスが増える。そんな自分が情けなくなり、夜にはまた不安がふくらむ。

この状態のまま夫と向き合うと、ささいな一言に強く反応したり、本当に伝えたいことと違う言葉を口にしたりしてしまいます。眠れないことは、あなたの心と体だけでなく、夫婦関係の立て直しにも影響するのです。

関係を修復するためにも、まずは眠れる状態を取り戻すことが先決です。不安を書き出す、体を休めるといった方法を数日試しても眠れない日が続く場合は、ほかにも心や体の変化が出ていないか、目を向けてみてください。

3-2.食欲がない・何もする気が起きないときは心の不調のサイン

眠れないだけでなく、食欲がない、何もする気が起きない、体がだるいといった状態が重なっているときは、心の不調のサインかもしれません。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、うつ病では悲しい気持ちや意欲の低下だけでなく、不眠や体のだるさ、頭痛、動悸などの体の症状が出ることがあると紹介されています。

さらに、体の症状が目立つため、心の不調に気づきにくい場合があることも説明されています。体の不調だと思っていたものが、実は心の疲れから来ていることもあるのです。

離婚問題を抱えていると、こうした変化を、ショックを受けているのだから当たり前、自分の気持ちが弱いだけと考えて、見過ごしてしまいがちです。けれども、心の疲れは、気合いや我慢だけで回復するものではありません。

例えば、好きだった食べ物を口にしても味がしない、朝起き上がるのに大きな力がいる、子どもの話が頭に入ってこない、理由もなく涙が出る。こうした変化に心当たりはないでしょうか。

もし続いているなら、それは心が休息を求めているサインです。夫婦のことを考える前に、まずは自分の心と体を守ることを優先してください。

3-3.医療機関や相談窓口を頼るべき目安

では、どのような状態になったら、医療機関や相談窓口を頼ればいいのでしょうか。目安として、次の3つを覚えておいてください。

医療機関や相談窓口を頼るべき3つの目安
  1. 眠れない状態が続き、日常生活に支障が出ている
  2. 食欲がない、体がだるいなどの不調が続いている
  3. 消えてしまいたいと思う気持ちがある

それぞれについて、詳しくお伝えします。

眠れない状態が続き、日常生活に支障が出ている

仕事に集中できない、家事が回らない、子どもの世話がつらいなど、眠れないことで普段の生活が回らなくなっているなら、医療機関に相談するタイミングです。

相談先は、かかりつけ医や心療内科、精神科です。離婚問題をすべて話す必要はなく、眠れなくて困っていると伝えるだけでも大丈夫です。

私は相談者の方に、受診することは弱さではないとお伝えしています。眠れる状態を取り戻すことは、夫と落ち着いて向き合うための準備でもあるからです。

食欲がない、体がだるいなどの不調が続いている

食事がのどを通らない日が続く、体が重くて動けないといった状態も、早めに相談してほしいサインです。

どこに相談すればいいか迷う場合は、まずはかかりつけ医で構いません。体の不調として相談するうちに、心の疲れに気づけることもあります。病院に行くのが難しい場合は、地域の精神保健福祉センターや保健所に問い合わせる方法もあります。

消えてしまいたいと思う気持ちがある

もし、消えてしまいたい、いなくなりたいという気持ちが少しでもあるなら、一人で抱えず、すぐに誰かに打ち明けてください。

信頼できる家族や友人、かかりつけ医、地域の精神保健福祉センター、いのちの電話などの相談窓口に、今の気持ちをそのまま話して大丈夫です。夫婦の問題は、あなたが元気を取り戻してから考えれば間に合います。

3-4.暴力や精神的な圧迫があるときは安全を最優先にする

夫から暴力をふるわれている、または精神的な圧迫を受けている場合は、関係修復よりも、あなたと子どもの安全を最優先にしてください。ここでいう精神的な圧迫とは、いわゆる精神的DVやモラハラのことです。

精神的な圧迫には、大きな声で怒鳴る、長い時間責め続ける、人格を否定する、生活費を渡さないといった行為が含まれます。殴る、蹴るといった目に見える暴力だけが、暴力ではありません。

内閣府「男女共同参画白書 令和8年版」によると、結婚したことのある人のうち、配偶者から暴力を受けた経験がある人は25.1%にのぼります。女性は27.5%、男性も22.0%が被害を経験しています。

また、相談の約7割は精神的DVを含むものです。一方で、被害を受けても誰にも相談していない人が44.2%いることも示されています。

こうした状態が続いているのに、自分が我慢すればいい、自分が変われば落ち着くはずと、一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。もし心当たりがあるなら、内閣府のDV相談プラスに相談してみてください。

内閣府の報告書によると、DV相談プラスでは電話相談を24時間無料で受け付けています。電話で話すのに抵抗がある方は、12時から22時までチャットで相談することもできます。必要に応じて、安全な場所へ移るための支援などにもつないでもらえます。

私はこれまで多くの夫婦の関係修復に関わってきましたが、安全が守られていない状態での修復はおすすめしていません。あなたの安全は、夫婦関係の修復よりも先に守られるべきものです。夫婦関係を立て直せるのは、あなたが安心して眠れる環境があってこそだからです。

4.「離婚したい」という言葉の裏にある夫の本当の気持ち

安全が守られていて、眠れない夜を少しずつ乗り越えられそうだと感じたら、次は夫の気持ちに目を向けていきます。離婚したいという言葉は同じでも、その裏にある気持ちは夫によって大きく違います。ここを知ることが、関係修復の出発点になります。

4-1.離婚したいと口にする夫が抱えている4つの心理

離婚したいと口にする夫の心理は、大きく分けて4つに当てはまることがほとんどです。これは、20年以上、多くのご夫婦と向き合ってきた中で見えてきた傾向です。

離婚したいと口にする夫が抱えている4つの心理
  1. 長いあいだ積み重なった不満に気づいてほしい
  2. 夫婦関係に疲れて一人になりたい
  3. 感情が高ぶって勢いで口にした
  4. すでに離婚を心に決めている

それぞれの心理について、見分けるヒントとあわせて詳しく見ていきます。

長いあいだ積み重なった不満に気づいてほしい

最も多いのが、この心理です。夫は、言いたいことを長いあいだ飲み込んできた結果、もう限界だという気持ちを離婚という言葉で表しています。

妻からすると突然に感じても、夫の中では何年もかけて小さな不満が積み重なっていることが少なくありません。離婚を切り出すときに、具体的な不満や過去の出来事を口にした場合は、この心理の可能性が高いといえます。

夫婦関係に疲れて一人になりたい

夫婦の会話がぎくしゃくしていたり、家にいても気が休まらなかったりすると、夫はとにかくこの状態から離れたいと感じます。帰宅が遅くなる、休日に家にいる時間を避けるといった様子があれば、この心理の可能性があります。

この場合、夫が求めているのは、妻と別れることそのものより、心が休まる場所です。家の中が安心できる場所に変われば、気持ちが変わる可能性は十分にあります。

感情が高ぶって勢いで口にした

けんかの最中や、仕事で強いストレスを抱えているときに、勢いで離婚という言葉が出てしまうこともあります。言い争いの流れで出た言葉で、翌日には夫がその話に触れない場合は、この心理の可能性があります。

ただし、勢いで出た言葉でも、夫の中に何かしらの不満があるのは確かです。本気ではなかったと軽く受け流すのではなく、言葉の裏にある不満に目を向けることが大切です。

すでに離婚を心に決めている

長い時間をかけて考え抜き、離婚を心に決めてから切り出す夫もいます。言い方が落ち着いていたり、住む場所やお金の話まで具体的だったりする場合は、この心理の可能性があります。

これを聞いて、もう手遅れだと感じたかもしれません。それでも、まだ手遅れではありません。

4-2.夫が本気かどうかより、なぜそう言ったのかに目を向ける

夫の言葉に向き合うときに大切なのは、本気かどうかより、なぜそう言ったのかに目を向けることです。理由が分かれば、あなたにできることがはっきりするからです。

4つの心理を知ると、うちの夫はどれだろう、本気なのだろうかと、本気度を確かめたくなると思います。けれども、本気度は夫の言葉や態度だけでは正確に分かりません。夫自身も、自分の気持ちがはっきりしていないことがよくあります。本気度ばかりを探ろうとすると、夫の一言一言に振り回され、不安がふくらむだけになってしまいます。

一方で、理由に目を向ければ、動き方が決まります。4つの心理ごとに、見分けるサインと最初にできる対応を整理すると、次のようになります。

▼夫の心理別に見る、あなたにできる最初の対応
夫の心理 見分けるサイン あなたにできる最初の対応
積み重なった不満に気づいてほしい 具体的な不満や過去の出来事を口にする 反論せずに、夫の気持ちを受け止める
夫婦関係に疲れて一人になりたい 帰宅が遅い、休日に家にいる時間を避ける 家の中を安心できる場所に変えていく
感情が高ぶって勢いで口にした けんかの最中に出た言葉で、翌日は触れない 言葉の裏にある不満に目を向ける
すでに離婚を心に決めている 落ち着いた口調で、住まいやお金の話まで具体的 説得をやめ、自分が先に変わることに集中する
※当てはまる心理は1つとは限りません。いくつか重なる場合は、近いものから取り組んでください

自分の夫に近い心理が見えてきたら、その理由を探る手がかりになるのが、書き出しておいた不安のメモです。昼間の落ち着いた時間に読み返すと、夫が何度も口にしていた不満や、あなたが聞き流してきた言葉が見えてくることがあります。例えば、ある妻は、夫が以前こう話していたことを思い出しました。

「家に帰っても、なんか落ち着かないんだよね」

当時は聞き流していたこの言葉こそが、夫の本当の気持ちを表していました。夫に理由を問い詰めて聞き出すのは逆効果です。まずは自分の中で、夫の気持ちを想像することから始めてください。

なお、理由を考えるうちに、ほかの女性の存在を疑ってしまうこともあると思います。その場合も、夜中に夫のスマホを見たり、行動を探ったりするのは避けてください。疑いで頭がいっぱいのまま動くと、関係はさらにこじれてしまいます。心が落ち着いてから、専門家と一緒に向き合い方を考えれば間に合います。

4-3.本気の離婚宣言からでも夫婦関係は修復できる

ここまで読んで、それでも夫が本気だったらどうしようと不安になっている方もいると思います。結論からお伝えすると、本気の離婚宣言からでも、夫婦関係は修復できます。

なぜなら、人の気持ちは固定されたものではないからです。夫が離婚を決めたのは、これまでの夫婦関係を見てのことです。妻の接し方や家の中の空気が変われば、夫が見ている夫婦の姿も変わり、気持ちが動く余地が生まれます。

実際に、私がこれまでサポートしてきた方の中にも、夫がすでに離婚を心に決めていた状態から、関係を立て直したご夫婦がたくさんいます。そうした方々に共通しているのは、夫を説得しようとせず、まず自分が変わることから始めた点です。

ただし、修復には時間がかかります。多くの場合、関係が落ち着くまでには1年から1年半ほどかかります。私がサポートしてきた中で多い流れを、段階ごとの目安としてまとめると、次のようになります。

▼1年〜1年半で関係が修復していく段階の目安
時期の目安 夫婦に起きる変化 あなたが取り組むこと
最初の数か月 自分の心が落ち着き、眠れる日が増える 生活リズムを整え、心を立て直す
半年ごろまで 家の中の重たい空気が少しずつやわらぐ あいさつやお礼を続け、話を聞く姿勢を見せる
1年ごろまで 夫が日常の話や本音を少しずつ話してくれる 反論せずに受け止め、対話を重ねる
1年〜1年半 離婚の話が出なくなり、関係が安定していく 二人で過ごす時間を少しずつ増やす
※あくまで目安で、夫婦によって早くなることも、もう少し時間がかかることもあります

すぐに夫の態度が変わらなくても、今どの段階にいるのかが分かれば、焦らずに続けられます。

私は、人は誰でも変われると確信しています。そして、一人が変われば、夫婦の関係は必ず動き始めます。夫が協力してくれなくても、あなたから始められることはたくさんあるのです。

5.夫の協力がなくても一人から始められる関係修復の4ステップ

それでは、具体的に何から始めればいいのでしょうか。ここでは、夫の協力がなくても、あなた一人から始められる関係修復のステップをお伝えします。取り組む順番は、次の4つです。

一人から始められる関係修復の4ステップ
  1. まずは眠れる夜を取り戻し、自分の心を立て直す
  2. 夫を責めずに話を聞く姿勢を態度で見せる
  3. 家の中の空気を少しずつやわらかくしていく
  4. 一人で抱え込まず夫婦問題の専門家を頼る

この順番で取り組むことで、無理なく関係を立て直していけます。それぞれのステップについて、順番に詳しくお伝えします。

5-1.まずは眠れる夜を取り戻し、自分の心を立て直す

関係修復の最初のステップは、眠れる夜を取り戻し、自分の心を立て直すことです。心が不安定なままでは、夫に穏やかに接することができないからです。

眠れずに疲れていると、夫のささいな言動に傷ついたり、つい責める言葉が出たりします。どれだけ良い方法を知っていても、心に余裕がなければ実践できません。

眠れない夜にお伝えした、答えを出さない、不安を書き出す、体を休めるといった方法は、今夜を乗り切るためのものでした。ここでは、それを毎日の習慣として続け、心の土台を作っていきます。

まず取り組みたいのは、生活のリズムを整えることです。毎朝同じ時間に起きて朝日を浴びる、三食を少しずつでも口にする。当たり前のことですが、続けるうちに体のリズムが戻り、夜も自然に眠れる日が増えていきます。

あわせて、一日の中に、夫のことを考えない時間を作ることも大切です。好きな音楽を聴く、散歩をする、湯船にゆっくりつかる。ほんの短い時間でも、心が休まる時間があると、夫の言動に振り回されにくくなります。

この時期は、夫の気持ちを変えようと動くより、自分の心を整えることそのものが、関係修復の第一歩だと考えてください。カウンセリングの現場でも、最初の数か月で自分の心を立て直せた方ほど、その後の修復がスムーズに進んでいます。

5-2.夫を責めずに話を聞く姿勢を態度で見せる

自分の心が少し落ち着いてきたら、次は、夫を責めずに話を聞く姿勢を、態度で見せていきます。離婚したいと言う夫の多くは、自分の気持ちを分かってほしいと思っているからです。

ところが、そうした夫は、これまで話しても聞いてもらえなかったと感じているため、自分からはなかなか本音を話してくれません。だからこそ、妻の側から、今なら話を聞いてもらえると感じてもらう必要があります。

そのためにまず意識してほしいのは、夫が何か話してくれたときに反論しないことです。例えば、いつも俺の話を最後まで聞かないよね、と不満を言われたとき、そんなことないと言い返したり、あなただってと反撃したりすると、夫はやっぱり話しても無駄だと感じてしまいます。

まずは、そう感じていたんだね、と夫の言葉をそのまま受け止めてください。正しいかどうかを決めるのではなく、夫がそう感じていたという事実を受け取るのです。

離婚したくないという自分の気持ちは、一度だけ短く、返事を求めずに伝えるのが基本です。何度も繰り返したり答えを迫ったりすると、夫は身構えてしまいますが、返事がいらないと分かれば、あなたの気持ちを落ち着いて受け取れるからです。例えば、夫が少し話をしてくれたタイミングで、次のように伝えます。

「私は、できればもう一度やり直したいと思ってる。すぐに返事はいらないから、それだけは知っておいてほしい」

伝えたあとに何度も確認したり、謝り続けたりするのは避けてください。夫は許すことを求められているように感じ、かえって重荷になります。

夫がすぐに本音を話してくれなくても大丈夫です。話を聞く姿勢は、言葉より態度で少しずつ伝わっていきます。夫が話しかけてきたときに手を止めて顔を見る。それだけでも、夫の受け止め方は変わっていきます。

5-3.家の中の空気を少しずつやわらかくしていく

話を聞く姿勢に加えて取り組みたいのが、家の中の空気を少しずつやわらかくしていくことです。

離婚の話が出たあとの家の中は、どうしても重たい空気になりがちです。夫は家に帰るのが気まずく、妻も夫の顔色をうかがってしまう。この空気が続くと、夫はやっぱり一緒にいるのはしんどいと感じ、離婚の気持ちを強めてしまいます。

空気をやわらかくするために大切なのは、特別なことをするのではなく、毎日の小さなやりとりを積み重ねることです。朝のおはよう、帰宅したときのおかえり、何かしてもらったときのありがとう。返事がなくても、こちらから穏やかに声をかけ続けてください。

このとき、離婚の話や夫婦の問題は、自分からは持ち出さないようにします。会話は今日の天気や子どもの話など、軽い話題で十分です。例えば、夕食のときにこんな話を振ってみるのもいい方法です。

「今日ね、この子が学校で縄跳びの二重跳びができたんだって」

子どもがいる家庭では、子どもの前で夫を責めたり、ため息をついたりしないことも大切です。子どもは親の空気に敏感で、不安を感じ取ります。子どもが安心して笑える家は、夫にとっても帰りやすい家になります。

夫が寝室を分けた、家を出たなど、顔を合わせる機会が少ない場合は、連絡の仕方で空気を作ります。LINEは短く、用件と相手を気づかう一言だけにとどめ、気持ちを長々と書かないことがポイントです。返事がなくても、催促はしないでください。

注意してほしいのは、急に人が変わったように明るく振る舞いすぎないことです。夫から見ると、離婚を止めたいから無理をしていると感じ、警戒されてしまうことがあります。普段より少しだけ穏やかに、を心がけるくらいがちょうどいいのです。

5-4.一人で抱え込まず夫婦問題の専門家を頼る

ここまでの3つのステップに取り組みながら、ぜひ考えてほしいのが、夫婦問題の専門家を頼ることです。

夫婦関係の修復に、一人で手探りで取り組むのは簡単ではありません。これまでと同じ考え方で動いていると、気づかないうちに同じすれ違いを繰り返してしまうからです。家族や友人の助言も心強いものですが、多くは自分の経験をもとにした話で、あなたの夫婦にそのまま当てはまるとは限りません。

専門家を頼るといっても、離婚の手続きやお金の問題を相談する弁護士とは役割が違います。関係を続けたい、もう一度夫婦としてやり直したいと考えているなら、夫婦関係の修復を専門とするカウンセラーが向いています。

夫婦カウンセリングというと、夫婦二人で行かなければならないと思う方もいるかもしれません。けれども、私たちのカウンセリングは、悩んでいる妻か夫のどちらか一人だけで、パートナーには内緒で受けていただく形です。夫を説得して連れて来る必要はありません。

カウンセリングでは、まず今の状況と、これまでの夫婦の歩みを一緒に整理します。そのうえで、夫が離婚したいと言った本当の理由を読み解き、あなたの夫婦に合った接し方や言葉のかけ方を、実際に練習しながら身につけていきます。夫の反応に一喜一憂しそうな時期も、相談できる相手がいることで、気持ちが大きく安定します。

夫の協力を待つより、あなたが先に一歩を踏み出したほうが、関係は早く良い方向へ向かいます。

6.眠れない夜を乗り越えて夫婦関係を修復した妻の事例

ここまでお伝えしてきた流れが、実際にどのように関係修復につながるのか。最後に、離婚を告げられて眠れない夜を過ごしていた妻が、1年半かけて夫との関係を立て直した事例をご紹介します。

6-1.離婚を告げられた夜から1年半で笑い合えるようになった40代の妻

40代前半のAさんは、会社員の夫と、小学生の子ども2人との4人暮らしでした。ある日の夜、子どもが寝たあとに、夫から突然こう告げられました。

「ずっと考えてたんだけど、離婚したいと思ってる」

その夜から、Aさんはほとんど眠れなくなりました。夜中に長文のLINEを書いては消し、離婚の体験談を朝まで読み続ける日が続きました。翌朝には夫に、どうしてなの、ちゃんと説明してと詰め寄り、夫はますます口を閉ざしてしまったそうです。

1か月ほどたったころ、このままではいけないと感じたAさんは、私たちのカウンセリングに一人で訪れました。最初に取り組んだのは、夫のことではなく、自分の心と生活を立て直すことでした。生活のリズムを整え、不安を紙に書き出すうちに、少しずつ眠れる夜が増えていきました。

気持ちが落ち着いてくると、Aさんは書き出したメモを読み返し、夫が以前から、家に帰っても休まらないと話していたことに気づきました。そこから、夫を責めずに話を聞くこと、毎日のあいさつとお礼を欠かさないことを続けていきました。

転機が訪れたのは、4か月ほどたったある夜です。仕事で遅く帰ってきた夫に、Aさんは以前なら黙って背を向けていたところを、こう声をかけました。

「おかえり。遅くまでお疲れさま。ごはん、温めようか」

夫は少し驚いた顔をしたあと、小さくありがとうと答えたそうです。それから少しずつ、夫は食事をしながら仕事の悩みを話してくれるようになりました。半年ほどたったころには、最近ちょっと話しやすくなったよね、と言われたそうです。

1年が過ぎたころには、夫から離婚の話が出ることはなくなっていました。そして1年半後、家族4人で出かけた旅行先で、夫と顔を見合わせて笑い合えたとき、Aさんは、あの眠れなかった夜が遠い昔のように感じたと話してくれました。

6-2.事例から分かる、関係修復に向かう人に共通する3つのこと

Aさんの事例には、関係修復に向かう人に共通するポイントがよく表れています。それは、次の3つです。

関係修復に向かう人に共通する3つのこと
  1. 答えを急がず、まず自分の心を立て直した
  2. 夫を変えようとせず、自分から先に変わった
  3. 一人で抱え込まず、専門家を頼った

それぞれについて、詳しくお伝えします。

答えを急がず、まず自分の心を立て直した

Aさんは最初、夫を問い詰めて答えを急いだことで、かえって距離を広げてしまいました。流れが変わったのは、夫のことより先に、自分の睡眠と生活を整えることに取り組んでからです。

心に余裕が生まれたことで、夫の言葉を冷静に受け止められるようになりました。関係修復の土台は、夫への働きかけではなく、自分の心の安定にあるのです。

夫を変えようとせず、自分から先に変わった

Aさんは、夫に離婚を思いとどまるよう説得するのをやめ、自分の接し方を変えることに力を注ぎました。話を聞く姿勢を見せ、毎日のあいさつを続けたことで、家の中の空気が少しずつ変わっていきました。

人は、相手に変えられるのではなく、変わった相手を見て自分から変わっていきます。夫の態度が変わったのは、Aさんが先に変わったからです。

一人で抱え込まず、専門家を頼った

Aさんは、一人で悩み続けることをやめ、夫には内緒でカウンセリングを受けることを選びました。自分では気づけなかった夫の気持ちや、接し方のコツを知ったことで、遠回りせずに修復への道を進めました。

また、夫の反応がない時期も、相談できる相手がいたからこそ、あきらめずに続けられたそうです。一人で抱え込まないことは、長い修復の道のりを歩き続けるための大きな支えになります。

7.離婚したいと言われて眠れない人からよくある質問

ここまでお読みいただき、それでもまだ気になることがある方もいると思います。最後に、離婚したいと言われて眠れない方から、カウンセリングの現場でよく聞かれる質問にお答えします。

Q1:眠れない日が何日くらい続いたら、病院に行くべきですか?

A:日数よりも、日中の生活に支障が出ているかどうかで判断してください。仕事や家事、子育てが回らなくなっている、食欲がないなどの変化が重なっている場合は、かかりつけ医や心療内科に早めに相談することをおすすめします。

Q2:夫が話し合いに応じてくれない場合は、どうすればいいですか?

A:無理に話し合いの場を作ろうとせず、まずは家の中の空気をやわらかくすることに力を注いでください。夫が話し合いを避けるのは、また責められるのではと身構えているからです。毎日のあいさつや、話を聞く姿勢を続けるうちに、夫のほうから話してくれるタイミングが訪れます。一人で続けるのがつらいときは、専門家に相談しながら進めると心強いです。

Q3:妻から離婚したいと言われた夫でも、同じ方法で大丈夫ですか?

A:はい、基本的な考え方は同じです。今夜は答えを出さずに体を休めること、責めずに話を聞く姿勢を見せること、自分から先に変わることは、夫の立場でもそのまま役立ちます。妻から離婚を切り出す場合、長い時間をかけて我慢を重ねてきたことが多いため、まずは妻の気持ちを最後まで受け止めることを、とくに意識してください。

おわりに

離婚したいと言われて眠れない夜は、本当につらいものです。けれども、その夜は夫婦の終わりではなく、関係を見つめ直すきっかけにもなります。最後に、この記事でお伝えした大切なポイントを振り返ります。

この記事の大切な5つのポイント
  • 眠れないのは自然な反応なので、今夜は答えを出さず体を休めることを優先する
  • 夜中の長文連絡や、寝不足のままの問い詰めは修復を遠ざける
  • 眠れない日が続いたり、暴力や精神的な圧迫があったりするときは、すぐに相談する
  • 夫の本気度より、なぜ離婚したいと言ったのかに目を向ける
  • 夫の協力がなくても、自分の心を立て直し、自分から先に変わることで関係は動き出す

まずは今夜、眠れない自分を責めずに、ゆっくり体を休めてください。そして明日からの1週間は、夫のことより先に、自分の生活リズムを整えることに取り組んでみてください。

それに少し慣れてきたら、夫への毎日のあいさつを、返事がなくても続けてみてください。大きなことをする必要はありません。この小さな積み重ねが、1年後、1年半後の夫婦の姿を変えていきます。

あなたが先に一歩を踏み出せば、夫婦の未来は必ず変えられます。もう一度、夫と安心して笑い合える日を取り戻せるよう、私も心から応援しています。

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