ブロックされたけど離婚したくない…まだ終わりではない理由と一人から始める関係修復

スマホを開いても相手のアイコンが消えていて、何度送ってもメッセージに既読がつかない。夫や妻にブロックされたと気づいた瞬間、頭が真っ白になり、胸がしめつけられるような思いをされているのではないでしょうか。

もう本当に終わりなのか、それとも時間がたてば戻れるのか。離婚したくない気持ちが強いほど、何とかして連絡を取りたいという焦りも大きくなっていきます。

はじめまして。私は夫婦関係修復コーチとして20年以上、1万組を超えるご夫婦の関係修復をサポートしてきました。パートナーにブロックされた状態からご相談に来られた方にも、これまでたくさんお会いしてきました。

最初に結論をお伝えしておきます。ブロックされたことは、離婚が決まったという意味ではありません。今は相手を追いかけず、生活に必要な連絡と気持ちを伝える連絡を分けること。それが、関係を取り戻すための出発点です。

そして関係修復は、相手の協力がなくても、あなた一人から始められます。多くの場合1年から1年半ほどの時間はかかりますが、ブロックされた状態から関係を取り戻したご夫婦は実際にいます。

この記事では、あなた一人から始められる方法を中心に、次のことをお伝えしていきます。

この記事で分かること
  • ブロックされても離婚が決まっていない理由
  • ブロック直後にやってはいけないことと、今日からできること
  • 状況別の判断基準と、子どもやお金の連絡の伝え方
  • 直接話せないときに使える公的な手段と安全の守り方
  • 相手の協力がなくても一人から始められる関係修復のステップ

焦る気持ちを少しだけ横に置いて、読み進めてみてください。

目次

1.ブロックされても離婚はまだ決まっていない|最初に知ってほしい大切なこと

ブロックされても、離婚はまだ決まっていません。そしてブロックの多くは、相手が心を守るために距離を取っている状態です。この章では、法律の面と気持ちの面の両方から今の状況を正しく受け止めるための事実と、今日からの動き方をお伝えします。

1-1.ブロックされただけでは離婚は成立しない

ブロックされても、あなたが離婚に同意しない限り、離婚は成立しません。法律の上で夫婦でなくなるには、決められた手続きが必要だからです。

日本の離婚の多くは、夫婦が話し合って離婚届を出す協議離婚です。協議離婚は、夫婦二人がともに離婚に合意し、署名した離婚届が役所に受理されて初めて成立します。

話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所での離婚調停に進むのが一般的です。調停も話し合いの場なので、あなたが合意しなければ離婚は成立しません。

調停でもまとまらないときは離婚裁判になりますが、裁判で離婚が認められるには、不貞行為など法律で決められた理由が必要です。連絡を断たれたという事実だけで、裁判所が離婚を認めることはありません。

ただし、別居が長く続くなど、夫婦関係がすでに壊れていると判断される事情が重なると、離婚が認められる場合もあります。法律はあなたに時間をくれますが、その時間が無限にあるわけではないのです。

だからこそ大切なのは、法律で守られている今の時間をどう使うかです。

1-2.ブロックは終わりの宣言ではなく心を守るための行動であることが多い

では、相手はどんな気持ちでブロックしたのでしょうか。ブロックの多くは、責められ続けて疲れた相手が、自分の心を守るために選ぶ行動です。もちろん本当の気持ちは相手にしか分かりませんが、これまで多くのご相談を受けてきた中で、そう強く感じています。

例えば、離婚の話し合いのあとに、あなたから謝罪や説得のメッセージが続いたとします。送る側は必死の思いですが、受け取る側にとっては、通知が鳴るたびに責められているような気持ちになることがあります。

そうした状態が続くと、相手はこれ以上心が疲れないように、連絡の入り口をふさぎます。それがブロックです。言いかえると、相手は今、二人の関係を考える余裕すらないほど、気持ちが張りつめている可能性があります。

実際に、心が完全に離れている人の中には、ブロックすらせず、淡々と離婚の手続きを進める人もいます。わざわざ連絡を断つのは、あなたの言葉に心がゆれてしまうのを避けたいから、という場合もあるのです。

とはいえ、ブロックを軽く考えてよいわけではありません。今は話したくないという意思表示であることは確かです。その意思を尊重することが、関係修復の入り口になります。

1-3.ブロックされた直後に絶対にやってはいけない5つの行動

ブロックされた直後は、何とかして気持ちを届けたいという衝動が一番強くなる時期です。ところが、この時期の行動こそが、その後の関係を大きく左右します。特に避けてほしいのは、次の5つの行動です。

ブロックされた直後にやってはいけない5つの行動
  1. 別のアカウントや別のアプリから連絡する
  2. 電話やメールを何度もくり返す
  3. 共通の友人や家族に伝言を頼み続ける
  4. 家や職場に会いに行く
  5. SNSに気持ちを書きこむ

それぞれ詳しく見ていきます。

別のアカウントや別のアプリから連絡する

ブロックは、相手が自分の意思で閉めた心のドアのようなものです。そこに別の入り口から入ろうとすると、相手はドアを閉めても逃げられないと感じ、強い恐怖や警戒心を抱きます。たとえ謝罪の言葉でも、届き方しだいで逆効果になってしまうのです。

なお、子どもや生活費など、生活に必要な用件だけを別の手段で伝えるのは、これとは別の話です。その伝え方は第3章でくわしくお伝えします。

電話やメールを何度もくり返す

LINEがだめならと電話やメールに切り替え、何度も連絡してしまう方もいます。しかし、着信やメールが重なるほど、相手にとってはプレッシャーになります。結果として電話番号やメールまでブロックされ、生活に必要な連絡手段まで失うこともあります。

共通の友人や家族に伝言を頼み続ける

共通の友人や相手の家族に、気持ちを伝えてほしいと何度も頼むのも避けたい行動です。頼まれた人は板ばさみになりますし、相手は周りを巻きこまれたことで、さらに心を閉ざしやすくなります。義両親を味方につけて説得してもらおうとするのも、多くの場合は逆効果です。

家や職場に会いに行く

顔を見て話せば分かってもらえると考え、突然会いに行くのは危険です。相手は追いつめられたと感じますし、職場であれば相手の立場を傷つけることにもなります。状況によっては、つきまといと受け取られてしまうおそれもあります。

SNSに気持ちを書きこむ

つらい気持ちをSNSに書きこみ、相手に気づいてほしいと思う方もいます。しかし、遠回しなメッセージは相手に監視されているような気持ちを抱かせ、周りの人にも夫婦の問題を知らせることになります。気持ちは紙のノートなど、人の目にふれない場所に書き出すのがおすすめです。

この5つに共通しているのは、相手の気持ちよりも、自分の不安をしずめることが優先になっている点です。その焦りは自然なものですが、行動に移す前に一度立ち止まることが、関係を守る力になります。

1-4.ブロックされた今日から一人で始められる3つのこと

やってはいけないことが分かると、では何をすればいいのかと不安になるかもしれません。ただ何もせずに待つことと、意味のある待ち方をすることは違います。ブロックされた今日から、あなた一人で始められることは次の3つです。

ブロックされた今日から一人で始められる3つのこと
  1. 連絡を止めて自分の心を落ち着かせる
  2. ブロックされるまでの流れを書き出す
  3. 生活に必要なことを整理しておく

順番に解説していきます。

連絡を止めて自分の心を落ち着かせる

最初にしてほしいのは、相手への連絡をいったん止めることです。それと同時に、あなた自身の心を落ち着かせる時間を作ってください。眠れない、食べられないという状態では、冷静な判断はできません。

深呼吸をする、短い散歩に出る、信頼できる人に話を聞いてもらうなど、小さなことで構いません。連絡を止めるのはあきらめるためではなく、次に相手と向き合うときに、落ち着いた自分でいるための準備です。

ブロックされるまでの流れを書き出す

次に、ブロックされるまでに何があったのかを紙に書き出してみてください。最後にどんな会話をしたのか、自分は何を送ったのか、相手は何と言っていたのかを、思い出せる範囲で書いていきます。

書き出してみると、自分では気づかなかった言い方のくせや、相手がつらそうにしていたサインが見えてくることがあります。このメモは、後半でお伝えする関係修復のステップで、とても大切な材料になります。

生活に必要なことを整理しておく

3つ目は、子どものこと、生活費、家の手続きなど、これから連絡が必要になりそうなことを整理しておくことです。整理しておけば、いざというときに用件だけを落ち着いて伝えられます。具体的な伝え方は第3章でお伝えします。

2.状況別に見るブロックされたときの判断基準と動き方

ブロックされたときの動き方は、そこに至るまでの経緯によって変わります。まずは、よくある5つの状況ごとに、最初にやることを次の表で確認してください。

ブロックされた状況 最初にやること
夫婦喧嘩の直後 すぐに白黒をつけず、しばらく連絡を控える
「離婚したい」と言われた後 説得をやめ、相手が苦しんでいた理由に目を向ける
別居中 生活に必要な連絡と、気持ちを伝える連絡を分ける
謝っても解除されない 謝罪の連絡を止め、行動の変化で気持ちを示す
離婚調停を申し立てられた 書類を放っておかず、調停にきちんと出席する

ここからは、あなたの状況に近いところから読んでみてください。

2-1.夫婦喧嘩の直後にブロックされた場合

夫婦喧嘩の直後にブロックされた場合は、すぐに白黒をつけず、しばらく連絡を控えることが基本です。相手は感情を落ち着かせるために、一時的に距離を取っている可能性が高いからです。

強い言葉をぶつけ合ったあとは、誰でも相手の顔も声も見たくなくなるものです。そこで、今すぐ謝らないと終わってしまうと焦って連絡を重ねると、落ち着きかけていた相手の気持ちに、もう一度火をつけてしまいます。

連絡を控える期間は、日数ではなく相手の様子で判断します。家の中での態度や、用件への返し方がおだやかに戻ってきたら、少しずつ普段の関わりに戻していくサインです。その間に、喧嘩のきっかけと、自分がどんな言葉を使ったのかを振り返っておきます。

一緒に暮らしているなら、家の中では普段どおりのあいさつだけを続けます。朝、相手が起きてきたら「おはよう」とだけ声をかけ、返事がなくてもそれ以上は求めません。責めない態度を続けることが、相手の警戒心を少しずつゆるめていきます。

2-2.「離婚したい」と言われた後にブロックされた場合

離婚したいと言われたあとにブロックされた場合は、説得をやめ、相手が離婚を望むほど苦しんでいた理由に目を向けることが最優先です。相手の中で離婚の気持ちがある程度まで固まっている可能性があるため、喧嘩直後よりも慎重な対応が必要になります。

ただし、離婚したいという気持ちと、二度と話したくないという気持ちは別のものです。多くの場合、相手は離婚をめぐる話し合いそのものに疲れ切っています。説得されるたびに、自分の気持ちを否定されているように感じてしまうのです。

そのため、離婚はしない、考え直してほしいと、自分の主張をくり返し伝えるのは逆効果です。あなたの気持ちが真剣であるほど、相手にとっては重く感じられてしまいます。離婚したくない意思をすでに伝えているなら、それ以上くり返す必要はありません。

説得の代わりにできるのは、自分自身が変わることです。相手を変えようとするのをやめ、自分の関わり方を変えていくことが、この状況から抜け出す一番の近道です。

なお、相手の離婚の気持ちが強い場合は、勝手に離婚届を出されないための手段も知っておくと安心です。これについては第4章でお伝えします。離婚したいと言われたときの向き合い方全体については、パートナーに離婚したいと言われたときの対応でもくわしく解説しています。

2-3.別居中にブロックされた場合

別居中にブロックされた場合は、生活に必要な連絡と、関係を修復するための連絡をはっきり分けることが基本です。生活に必要な連絡はLINE以外の手段で用件だけを伝え、気持ちを伝える連絡はしばらく控えます。

離れて暮らしていても、子どもとの面会、生活費、家の契約や郵便物など、話し合うべきことはたくさんあります。会えない不安から気持ちをこめた長文を送りたくなる時期ですが、用件の連絡が途切れないようにすることを何より優先してください。

なお、別居中の生活費について話し合いができない場合は、家庭裁判所に婚姻費用の分担請求調停という手続きがあります(参考:裁判所「夫婦関係や男女関係に関する調停」)。これは夫婦関係を修復するための調停とは別の手続きなので、目的に合わせて使い分けることが大切です。

別居中の連絡の頻度や伝え方については、別居中の夫婦の連絡のしかたでもくわしく解説しています。

2-4.謝っても何度連絡してもブロックが解除されない場合

謝ってもブロックが解除されない場合は、謝罪の連絡をいったん止め、行動の変化で気持ちを示すことが解決の近道です。謝罪の言葉が足りないのではなく、謝罪のくり返しそのものが相手の負担になっている可能性があるからです。

謝罪を受け取るには、受け取る側にも気持ちの余裕が必要です。心が疲れているときに謝罪が届き続けると、相手は許さなければいけないというプレッシャーを感じます。そうすると、謝罪を受け取ること自体を避けたくなるのです。

あわせて見直してほしいのは、謝罪の中身です。「ごめん。でも、あのときあなたも…」のように、謝りながら相手の非にふれていないでしょうか。「全部私が悪かったから戻ってきて」のように、謝罪と要求がセットになっていないでしょうか。

言葉で何度も謝るよりも、相手が嫌だと感じていた行動を実際に改めるほうが、ずっと強く気持ちが伝わります。時間はかかっても、言葉より行動の変化を見せていくことが確かな道です。

2-5.相手が離婚調停を申し立ててきた場合

相手が離婚調停を申し立てると、家庭裁判所からあなたのもとに書類が届きます。ブロックされている中で突然届くと動揺するかもしれませんが、何より大切なのは、書類を放っておかないことです。

離婚調停は、家庭裁判所の調停委員を交えて話し合う手続きで、あなたが合意しなければ離婚は成立しません。相手と直接連絡が取れない今、調停は落ち着いて気持ちを伝えられる貴重な場にもなります。

調停にはきちんと出席し、離婚したくない気持ちと、関係を修復したい気持ちを落ち着いて伝えてください。ここで相手を責めたり、悪い点を並べたりすると、調停委員にも相手にも、関係修復は難しいと受け取られてしまいます。

子どもがいる場合は、調停の中で親権や養育費の話が出ることもあります。法務省によると、離婚後の子どもの養育に関するルールを見直した改正民法が、2026年4月1日から施行されています。離婚後も父母が共同で親権を持つことを選べるようになるなど、以前とは仕組みが変わっています。

これはあくまで離婚した後の制度の話で、関係修復をあきらめる理由にはなりません。ただ、話が出たときにあわてないよう、不安があれば早めに弁護士に相談しておくと安心です。法律の手続きは専門家の力を借りつつ、あなたは自分自身の変化に集中することが、この状況での一番の力になります。

調停の流れや当日の準備については、離婚調停で離婚したくないときの対応でもくわしく解説しています。

3.子どもやお金のことで連絡が必要なときの正しい伝え方

ブロックされていても、子どもやお金の連絡は、用件だけを短く伝えることで信頼を取り戻すきっかけになります。夫婦である以上、こうした連絡が必要になる場面は必ずやってきます。この章では、その具体的な伝え方をお伝えします。

3-1.生活に必要な連絡と気持ちを伝える連絡は分けて考える

最初に意識してほしいのは、連絡には2つの種類があるということです。一つは、子どもの学校行事や生活費、家の手続きなど、生活に必要な連絡です。もう一つは、謝りたい、話し合いたいといった、気持ちを伝える連絡です。

ブロックされている今は、生活に必要な連絡だけに絞るのが基本です。気持ちを伝える連絡は、相手の心に余裕が戻るまで待ちます。

この2つが混ざると、相手は用件の連絡まで警戒するようになります。例えば、子どもの運動会の日程を伝えるついでに、あなたがいなくて寂しいと書き添えたとします。相手にとっては、用件を口実に気持ちを押しつけられたように感じられてしまいます。

反対に、用件だけの連絡が続くと、相手はこの人からの連絡なら受け取っても大丈夫だと感じるようになります。その小さな安心の積み重ねが、ふたたび心を開いてもらう土台になります。

3-2.LINE以外で連絡するときの手段の選び方

では、生活に必要な連絡は、何を使って送ればよいのでしょうか。おすすめは、メールやショートメッセージです。相手が自分のタイミングで読めるので急な対応を求めるプレッシャーがなく、文面が残るため、言った言わないのすれ違いも防げます。

電話は、子どもの急な体調不良など、すぐに伝える必要があるときに限ります。出てもらえなかった場合も何度もかけ直さず、メッセージで用件を残してください。

メールや電話までブロックされている場合は、手紙で用件を伝える方法があります。また、子どもの受け渡しなどで相手の家族に連絡を頼む場合は、「お手数をおかけしますが、来週の学校説明会の時間をお伝えいただけますか」のように、用件のお願いだけに留めます。夫婦の問題について話したり、相手の様子を聞き出そうとしたりするのは控えてください。

一つだけ、どんなに連絡が取りにくくても選んではいけない手段があります。それは、子どもに伝言をたのむことです。子どもは両親の板ばさみになり、自分のせいで二人がうまくいかないのではないかと、心に重い負担を抱えてしまいます。

相手にとっても、子どもを通して届く言葉は、子どもを利用されたように感じられます。用件はどれだけ小さくても、大人どうしで直接やりとりすることが、子どもの心と相手の信頼の両方を守ります。

3-3.相手の心を閉ざさない短くおだやかな文面のコツ

連絡手段が決まったら、次は文面です。生活に必要な連絡は、短く、おだやかに、用件だけを伝えることが何より大切です。そのためのポイントは、次の3つです。

相手の心を閉ざさない文面の3つのポイント
  1. 最初の一文で用件を伝える
  2. してほしいことと返事の期限をはっきり書く
  3. 気持ちや過去の出来事にはふれない

それぞれ詳しく見ていきます。

最初の一文で用件を伝える

文面は、最初の一文で何の連絡なのかが分かるように書きます。前置きが長いと、相手は何を言われるのかと身構えてしまいます。用件が最初に分かれば、相手は安心して最後まで読むことができます。

してほしいことと返事の期限をはっきり書く

相手に何をしてほしいのか、いつまでに返事がほしいのかを、はっきり書いてください。相手が迷わずに返事できる文面は、それだけで相手の負担を軽くします。

期限を書いておけば、何度も催促する必要もなくなります。期限が過ぎても返事がないときは一度だけ短く確認し、それでも返事がなければ、こちらで決めた内容を伝えるだけで構いません。

気持ちや過去の出来事にはふれない

3-1でお伝えしたとおり、用件の連絡には気持ちも過去の出来事も入れないのが基本です。例えば、子どもの三者面談について伝えるなら、次のような文面になります。

「三者面談が来週木曜日の16時に決まったよ。来られそうなら一緒に参加してほしいので、来られるかどうかだけ水曜日までに教えてもらえると助かる」

この文面には気持ちの話が入っていませんが、子どものことを一緒に考えたいという姿勢は自然に伝わります。返事が来たときは、ありがとう、と一言だけ添えて終えるのがコツです。

3-4.手紙で気持ちを伝えてもよい時期と条件

手紙を送ってよいのは、生活に必要な連絡を何度か落ち着いてやりとりできるようになってからです。相手が恐怖を理由に距離を取っている場合は、手紙も送らずに次の章の内容を優先してください。

手紙は、読むかどうか、いつ読むかを相手が自分で選べるため、LINEや電話よりも相手の負担が少ない方法です。ただし、送る時期を誤ると逆効果になります。相手が用件の連絡に普通に返してくれるようになっていれば、気持ちを受け止める余裕が少し戻ってきているサインです。

また、離婚しないでほしいという懇願や、相手の非にふれる言葉、返事を求める言葉は入れないでください。手紙は1通だけにして、返事がなくても続けて送らないことも大切です。

では、手紙には何を書けばよいのでしょうか。書いてほしいのは、次の3つです。

手紙に書いてほしい3つのこと
  1. 相手がどれほどつらかったかへの理解
  2. 自分が実際に改めていること
  3. 返事はいらないという一言

順番に解説していきます。

相手がどれほどつらかったかへの理解

最初に書いてほしいのは、相手のつらさへの理解です。自分の気持ちよりも先に、相手がどんな思いで過ごしてきたのかに目を向けた言葉は、相手の心にまっすぐ届きます。そのうえで、自分の非を認める言葉を、言い訳をつけずに添えてください。

自分が実際に改めていること

次に、自分が実際に改めていることを具体的に書きます。これから変わりますという約束よりも、すでに始めている行動のほうが、相手にとって信じやすいからです。日々の態度で見せてきた変化と、手紙の言葉が重なったとき、相手の受け止め方は大きく変わります。

返事はいらないという一言

最後に、返事はいらないこと、読んでくれただけでうれしいことを添えてください。この一言があるだけで、相手はプレッシャーを感じずに手紙を読めます。返事を求めない手紙だからこそ、相手は安心して気持ちを受け取ることができるのです。

4.直接話せないときに知っておきたい公的な手段と安全の守り方

知らないうちに離婚が成立してしまう事態は、離婚届不受理申出で防ぐことができます。そして、どんな手段よりも優先すべきなのが、あなたとお子さんの安全です。この章では、直接話せない不安にそなえるための公的な手段と、安全の守り方をお伝えします。

4-1.勝手に離婚届を出されないための離婚届不受理申出

相手の離婚の気持ちが強いとき、心配になるのが、自分の知らないうちに離婚届を出されてしまうことです。そうした事態を防ぐのが、離婚届不受理申出という制度です。

これは役所に申し出ておくことで、あなたの意思で出されたものではない離婚届を受理しないようにしてもらう手続きです。原則として本人が窓口に行き、本人確認書類を持って申し出ます。一度申し出ると、取り下げるまで効果が続きます。くわしい手続きは、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

ただし、この制度にはできないこともあります。相手の離婚の気持ちを変えることはできませんし、調停や裁判による離婚を止めることもできません。あくまで、話し合いのないまま離婚が成立してしまうのを防ぐための制度です。

それでも、この安心があるだけで、焦って相手に連絡する必要がなくなります。不受理申出は、関係修復に取り組む時間を守るためのお守りとして考えてください。

4-2.第三者を交えて話し合える夫婦関係調整調停(円満)

夫婦関係調整調停(円満)は、夫婦関係を元に戻すために、家庭裁判所で調停委員を交えて話し合う手続きです。離婚について話し合う離婚調停とは、目的が反対の調停です。

不受理申出が、知らないうちに離婚が成立するのを防ぐ守りの手段だとすれば、円満調停は話し合いの場を作るための手段です。調停では、夫婦関係がうまくいかなくなった原因や、関係をよくするための方法について話し合います。相手と直接話せない状態が長く続く場合に、利用を考えてよい方法です。

裁判所によると、申し立ては夫と妻のどちらからでもでき、費用は収入印紙1,200円分です。申し立て先は、原則として相手が住んでいる地域の家庭裁判所になります(参考:裁判所「夫婦関係調整調停(円満)」)。

ただし、円満調停は相手に関係修復を強制できる制度ではありません。また、申し立てると相手に裁判所から書類が届くため、ブロックされた直後に申し立てると、相手が追いつめられたと感じることもあります。

申し立てるなら、あなた自身の変化を少しずつ見せられるようになってからが望ましいです。調停はあくまで話し合いの場を作る手段で、関係を戻す力そのものは、あなた自身の変化の中にあります。

4-3.暴言や暴力がある場合は関係修復よりも安全を優先する

ここまで関係修復のための方法をお伝えしてきましたが、どんなときも修復より優先してほしいことがあります。それは、あなたとお子さんの安全です。

内閣府の「男女間における暴力に関する調査(令和5年度調査)」では、これまでに結婚したことのある人のうち、配偶者から何らかの被害を受けた経験がある人は25.1%でした(参考:内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査」)。ここには、身体的な暴力だけでなく、人格を否定する暴言や、お金を渡さないといった行為も含まれています。

もし相手から暴力や脅し、暴言を受けていて、そのことが背景にあるなら、無理に話し合おうとする必要はありません。身の危険を感じたら、関係修復より安全を優先してください。どこに相談すればいいか分からないときは、DV相談ナビの全国共通番号#8008に電話すると、最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながります。

また、反対の立場からも一度考えてみてください。もし自分が大きな声で責めたり、相手のスマホを確認したりしていたなら、相手は身を守るためにブロックした可能性があります。その場合は相手の距離の取り方を尊重し、自分の言動を変えるための助けを求めることが、何より誠実な一歩になります。

安全が守られている状態であれば、関係はここから変えていけます。

5.相手がブロックまでした理由を知り自分の関わり方を見直す

前半では、ブロックされたときの判断基準や、具体的な動き方をお伝えしてきました。ここからは、二人の関係そのものを取り戻すための話に入ります。その出発点になるのが、相手がブロックを選ぶまでに、心の中で何が起きていたのかを知ることです。

5-1.ブロックの裏にある相手の本音

ブロックの根っこにあるのは、多くの場合、分かってもらえない寂しさや悔しさの積み重ねです。相手はある日突然あなたを嫌いになったのではなく、長い時間をかけて、その気持ちを少しずつため込んできたのです。

ブロックした側の方からよく聞くのは、もう疲れてしまった、何を言っても分かってもらえない、という言葉です。ブロックという行動だけを見ると嫌われたと感じるかもしれませんが、その奥にあるのは、多くの場合こうした気持ちです。

例えば、相手が勇気を出して不満を伝えたとき、あなたはこう返していなかったでしょうか。「そんなこと言うけど、あなただって同じでしょ」。言った側に悪気はなくても、相手には、また話を聞いてもらえなかったという記憶だけが残ります。こうした記憶が重なるほど、相手は話し合っても無駄だと感じるようになっていきます。

もちろん、ブロックの背景がそれだけとは限りません。弁護士から直接のやりとりを控えるよう助言されている場合や、ほかに気持ちが向いている相手がいる場合もあります。弁護士が間に入っているときは、用件の連絡も弁護士を通すのが基本です。

ただ、どんな背景であっても、あなたが取るべき姿勢は変わりません。相手の本音を知って自分の関わり方を見直すことは、自分を責めるためではなく、関係を悪化させずに修復の可能性を残すための、最も確かな道です。

5-2.不安から相手を追いかけるほど心が離れていく理由

相手の本音が見えてくると、次に気づくのが、自分の中にある追いかける行動です。追いかける行動とは、不安を感じたときに、相手との距離をむりやり縮めようとする言動のことです。

何度も連絡する、返事を急かす、自分の正しさを説明し続ける、必要以上に謝る。どれも相手を失いたくない気持ちから生まれるもので、悪意はありません。むしろ、相手を大切に思っているからこその行動です。

ところが、受け取る側にとっては、その行動が重いプレッシャーになります。人は追いかけられるほど、逃げたくなるものです。相手が距離を取ると、あなたはさらに不安になり、もっと追いかける。すると相手は、さらに距離を取る。ブロックは、この悪循環の行きついた先であることが多いのです。

この悪循環には、一つ大きな特徴があります。それは、どちらか一方が動きを変えれば、流れそのものが変わるということです。相手に変わってもらう必要はありません。この悪循環は、あなた一人で止められます。

あなたが追いかけるのをやめると、相手は少しずつ、逃げなくても大丈夫だと感じ始めます。そこで初めて、相手の心に、あなたとの関係を考え直すための余白が生まれるのです。

5-3.自分の言動を振り返るためのチェックリスト

では、あなたにはどんな追いかける行動のくせがあるのでしょうか。相手に直接たずねることができない今は、自分で振り返るしかありません。次のチェックリストで当てはまるものを確かめ、右側の置きかえる行動もあわせて見てください。

自分の関わり方を振り返るチェックリスト
当てはまるくせ 置きかえる行動
□ 相手の返事が遅いと、続けてメッセージを送ってしまう 送る前にノートに書き、ひと晩おいてから読み返す
□ 話し合いになると、自分の正しさを説明してしまう 説明する前に、相手の言い分を最後まで聞く
□ 相手の話を最後まで聞く前に、言い返してしまう まず「そう思ってたんだね」と受け止める一言を返す
□ 謝るときに、相手の悪いところも一緒に伝えてしまう 言い訳や相手の非にはふれず、自分の非だけを伝える
□ 相手の予定やスマホが気になり、確かめてしまう 確かめたくなったら、自分の予定や生活に意識を向ける
□ 不満をため込み、あるときまとめてぶつけてしまう 小さなうちに、責めない言葉で一つずつ伝える
□ 周りの人に、相手の悪いところを話している 相談相手は信頼できる人や専門家に絞り、悪口にしない
□ 機嫌を取るために、本心と違うことを言ってしまう 無理に合わせず、おだやかに本当の気持ちを伝える
※当てはまる項目は、自分を責めるためではなく、変えていくための目印です

いくつか当てはまったとしても、落ちこむ必要はありません。夫婦関係に悩む方の多くが、同じようなくせを持っています。大切なのは、くせがあることではなく、それに気づけたことです。

チェックが付いた項目は、右側の置きかえる行動と一緒に、ブロックされるまでの流れを書き出したメモのそばに書き写しておいてください。

6.相手の協力がなくても一人から始められる関係修復の5つのステップ

相手の本音と自分のくせが見えてきたら、いよいよ関係修復の実践に入ります。ここでお伝えするステップは、どれも相手の協力を必要としません。あなた一人で、今日から少しずつ進めていけるものです。

一人から始められる関係修復の5つのステップ
  1. 追いかけるのをやめて自分の心を落ち着かせる
  2. 相手が離れたくなった本当の理由を整理する
  3. 毎日の小さな言動を変えていく
  4. 必要な連絡を信頼を取り戻すきっかけにする
  5. 相手から話しかけてきたときに備えておく

関係修復には、多くの場合、少なくとも1年ほどの時間がかかります。焦らず、一つひとつのステップを積み重ねていくことが、結果的に一番の近道になります。順番に解説していきます。

6-1.ステップ1:追いかけるのをやめて自分の心を落ち着かせる

最初のステップは、追いかける行動をやめ、自分の心を落ち着かせることです。前半でも連絡を止めることをお伝えしましたが、ここではそれを一時的な我慢ではなく、毎日の習慣にしていきます。

連絡したい気持ちがこみ上げてきたら、送る代わりに、その言葉をノートに書いてください。送らない手紙を書くようなイメージです。書き出すだけで気持ちが整理され、衝動が少しずつおさまっていきます。

特に気をつけてほしいのは夜です。夜は不安が大きくなりやすく、感情的な言葉を送ってしまいがちです。夜に浮かんだ言葉は、ひと晩おいて朝に読み返すと決めておくだけでも、後悔する行動はぐっと減ります。

あわせて、睡眠や食事など、自分の体を整えることも大切にしてください。心が落ち着いている人は、表情や声のトーンもおだやかになります。あなたの落ち着きは、言葉にしなくても相手に伝わっていきます。

6-2.ステップ2:相手が離れたくなった本当の理由を整理する

心が少し落ち着いてきたら、次は相手が離れたくなった本当の理由を整理します。ここで使うのが、ブロックされるまでの流れを書き出したメモと、自分の関わり方を振り返るチェックリストの結果です。

相手が口にしていた不満には、表に見える理由と、その奥にある本当の理由があります。例えば、家事を手伝ってくれないという不満の奥には、一人で家庭を背負っている寂しさや、大変さに気づいてもらえない悔しさがかくれていることがあります。表の理由だけに応えても、相手の心が動きにくいのはそのためです。

本当の理由を見つけるために、メモを読み返しながら、次の3つの問いの答えをノートに書いてみてください。

本当の理由を見つける3つの問い
  1. 相手が最後に本気で訴えていたことは何か
  2. そのとき自分はどう返したか
  3. 相手は本当は何を分かってほしかったのか

順番に解説していきます。

相手が最後に本気で訴えていたことは何か

まずは、ブロックされる前に相手が強く訴えていたことを思い出して書きます。言い方がきつかった言葉ほど、相手が本気で伝えたかったことが含まれています。言い方ではなく、中身だけを書き出すのがコツです。

そのとき自分はどう返したか

次に、その訴えに対して、自分がどんな言葉や態度で返したのかを書きます。言い返した、話をそらした、黙りこんだなど、正直に書いてください。ここで見えてくる返し方のくせが、相手が話しても無駄だと感じた理由につながっていることが多いのです。

相手は本当は何を分かってほしかったのか

最後に、もし自分が相手の立場だったらと考えながら、相手が本当に分かってほしかった気持ちを書きます。答えは、相手が口にした言葉そのものではなく、その奥にあります。この答えが、次のステップで何を変えていくかを決める軸になります。

6-3.ステップ3:毎日の小さな言動を変えていく

本当の理由が見えてきたら、それに沿って毎日の小さな言動を変えていきます。関係修復というと大きな行動を思いうかべがちですが、相手の心を動かすのは、むしろ毎日の小さな積み重ねです。

何から変えればいいか迷ったら、自分の関わり方を振り返るチェックリストで当てはまった項目から一つだけ選び、右側の置きかえる行動を始めてください。一度に全部を変えようとすると続きません。一つが自然にできるようになってから次に進むのが、変化を長続きさせるコツです。

一緒に暮らしているなら、あいさつと感謝をていねいに続けることも大切です。返事がなくても、それ以上は求めません。見返りを求めない言葉だからこそ、相手は安心して受け取れるのです。

別居している場合は、あなた自身の生活を整えることが、毎日の言動の変化になります。仕事や家事、子どもとの時間を落ち着いて過ごし、子どもの前で相手の悪口を言わないこと。そうした姿は、子どもの話などを通して、思っている以上に相手に伝わっていきます。

ここで大切なのは、続けることです。相手は言葉ではなく、変化が本物かどうかを、時間をかけて見ています。数日で反応がなくてもあきらめず、何か月も同じ態度を続けることで、相手の中にあった警戒心が少しずつほどけていきます。

6-4.ステップ4:必要な連絡を信頼を取り戻すきっかけにする

毎日の言動が安定してきたら、子どもやお金に関する必要な連絡を、信頼を取り戻すきっかけとして意識していきます。

信頼は、約束を守ることで育ちます。生活費を決めた日に振り込む、子どもの受け渡しの時間を守る、頼まれたことにすぐ対応する。一つひとつは小さなことですが、この人は信用できるという感覚を、相手の中に確実に積み上げていきます。

こうしたやりとりを続けていると、相手の反応に小さな変化が見えてくることがあります。返事が少し早くなる、用件以外のひと言が添えられる、ブロックが解除されている。これらは、相手の心がゆるみ始めたサインです。

ただし、サインが見えたときこそ注意が必要です。うれしくなって、気持ちを伝える長いメッセージを送ってしまうと、相手はまた身構えてしまいます。変化のサインには、それまでと同じ落ち着いた態度で応えることが大切です。

6-5.ステップ5:相手から話しかけてきたときに備えておく

信頼が少しずつ戻ってくると、ある日、相手のほうから話しかけてくる日がやってきます。最後のステップは、そのときに備えておくことです。

相手から話しかけられると、つい今までの思いを伝えたくなります。なぜブロックしたのか聞きたい、もう一度やり直したいと言いたい。けれども、その気持ちをすぐにぶつけてしまうと、相手は話しかけたことを後悔してしまいます。

相手が話しかけてきたときは、まず相手の話を最後まで聞くことに集中してください。例えば、相手が「子どもの誕生日、どうする?」とたずねてきたとします。そのときは「一緒にお祝いできたらうれしいな。あなたはどうしたい?」と、自分の気持ちを短く伝え、相手の考えを聞く形で返します。

会話は短く、おだやかに終えることを心がけてください。話してよかったと相手が感じられれば、次の会話につながります。相手から話しかけてもらえたときほど、慎重に、ていねいに。そうした会話を重ねる中で、二人の関係はゆっくりと、けれども確かに変わっていきます。

7.ブロックから1年〜1年半で関係を取り戻した夫婦の事例

ここまでお伝えしたステップは、実際にどのような形で関係修復につながっていくのでしょうか。この章では、ブロックされた状態から、パートナーの協力がないまま一人で取り組み始め、関係を取り戻した方の事例をご紹介します。どちらの方も、パートナーには内緒で、一人で私のカウンセリングに来られた方です。

7-1.夫にブロックされた妻が一人で変わり始めた事例

一人目は、夫を責めるLINEをやめ、あいさつと感謝を続けたことで、1年3か月ほどで夫との会話を取り戻した30代後半の妻の事例です。

彼女は、夫の帰りが遅いことへの不満を毎晩のようにLINEで送り続けていたところ、ある日突然ブロックされました。同じ家に暮らしながら、会話もほとんどない状態になってしまったのです。

カウンセリングで振り返る中で、彼女は、自分のメッセージが夫には責められているようにしか届いていなかったことに気づきました。夫が本当に求めていたのは、仕事で疲れて帰ってきたときに、ほっとできる家だったのです。

彼女はまず、夫を責める言葉をやめ、家の中でのあいさつと感謝だけを続けました。子どもの行事など必要な用件は、短いメモをテーブルに置いて伝えるようにしました。最初の数か月は反応がなく、心が折れそうになったこともあったそうです。

半年ほどたったころ、夫がメモに短い返事を書いてくれるようになり、やがてブロックも解除されました。1年を過ぎたころには、夕食のときに少しずつ会話が戻り、1年3か月ほどで、夫から「最近、家にいると落ち着く」という言葉を聞けたといいます。

この事例から分かるのは、相手を変えようとするのをやめ、自分が変わることで、相手の気持ちは自然に動いていくということです。

7-2.妻にブロックされた夫が別居から家族に戻れた事例

二人目は、謝罪と説得の連絡をやめ、生活費と面会の約束を守り続けたことで、別居から1年半ほどで妻と子どもが家に戻ってきた40代の夫の事例です。

彼は妻から離婚を切り出され、話し合いの最中に、妻が子どもを連れて実家に帰ってしまいました。毎日のように謝罪と説得のメッセージを送った結果、LINEも電話もブロックされました。

カウンセリングの中で、彼は自分の謝罪が妻の気持ちを分かろうとするものではなく、離婚を止めたいという自分の要求になっていたことに気づきました。そこで謝罪の連絡をすべてやめ、生活費と子どもとの面会に関する連絡だけを、メールで短く送るようにしました。

生活費は決めた日に必ず振り込み、子どもとの面会では時間を守り、妻の悪口は一切言わないようにしました。8か月ほどたったころ、それまで用件だけだった妻のメールに、子どもの様子を伝えるひと言が添えられるようになりました。

その変化を見て、彼は一度だけ手紙を書きました。妻のつらさへの理解と、自分が改めていることを書き、返事はいらないと添えました。その後、少しずつ会話が戻り、妻と子どもは家に戻ってきたそうです。

この事例の学びは、誠実な用件の積み重ねが、何よりも強いメッセージになるということです。

7-3.修復までの1年〜1年半の流れと気持ちの変化

二つの事例には、共通する流れがあります。それを時期ごとに整理したのが、次の表です。あなたが今どのあたりにいるのか、この先にどんな変化が待っているのかを知る目安にしてください。

時期の目安 あなたの取り組み 相手の様子と心の変化
ブロック直後〜3か月 追いかけるのをやめ、自分の心を落ち着かせる 反応はほとんどなく、こちらの出方を警戒している
3か月〜半年 本当の理由を整理し、毎日の言動を変え始める 変化に気づき始めるが、まだ本物かどうか様子を見ている
半年〜1年 必要な連絡で約束を守り、信頼を積み上げる 返事にひと言が添えられるなど、小さなサインが見え始める
1年〜1年半 相手からの会話を大切に受け止め、短くおだやかに応える 少しずつ会話が戻り、一緒に過ごす時間が増えていく
※時期はあくまで目安で、夫婦の状況によって前後します

この流れの中で、一番つらいのは最初の半年ほどです。何をしても反応がなく、本当に意味があるのかと不安になる時期だからです。けれども、この時期にも相手はあなたの変化を見ています。表に出ないだけで、心の中では少しずつ何かが動いているのです。

反対に、小さなサインが見え始めてからは、焦りが出やすくなります。ここで一気に距離を縮めようとせず、それまでと同じ態度を続けられるかどうかが、関係修復の分かれ道になります。

正直にお伝えすると、関係が最終的にどんな形に落ち着くかは、相手の気持ちも関わるため、誰にも約束はできません。それでも、この期間に身につけた感情を落ち着かせる力や、相手の気持ちを受け止める力は、決してむだになりません。

その力は、夫婦関係だけでなく、子どもとの関わりや職場での人間関係も支えてくれます。関係修復に取り組む時間は、相手のためだけでなく、あなた自身の人生をよくしていく時間でもあるのです。

8.ブロックされても離婚したくない人からよくある質問

最後に、ブロックされて離婚したくないと悩む方から、特によく寄せられる質問にお答えします。

8-1.Q.ブロックはどのくらいで解除されるもの?

ブロックがいつ解除されるかは、夫婦の状況によって大きく違うため、決まった目安はありません。数週間で解除されることもあれば、事例のように半年ほどかかることもあります。

大切なのは、ブロックの解除をゴールにしないことです。ブロックが解除されるのは、相手が、この人とつながっていても大丈夫だと感じたときです。つまり解除は、あなたの変化が相手に伝わった結果として起こるものです。

解除されたかどうかを何度も確かめたり、確かめるためにメッセージを送ったりすると、相手は見張られていると感じてしまいます。解除のことはいったん忘れ、自分のステップを進めることに集中するほうが、結果的に近道になります。

8-2.Q.共通の友人や義両親に間に入ってもらってもいい?

相手を説得してもらうために間に入ってもらうのは、おすすめできません。周りを巻きこまれた相手は、さらに心を閉ざしやすくなるからです。ただし、子どもの受け渡しなど、どうしても必要な用件を伝えてもらうことは構いません。

義両親のほうから事情を聞かれることもあるでしょう。そのときは相手を悪く言わず、「ご心配をおかけしてすみません。今は私自身が見直すべきところを見直しているところです」のように、自分の姿勢だけを伝えるのが安心です。

義両親を味方につけるのではなく、義両親を困らせない態度を取ることが、結果的に相手からの信頼にもつながっていきます。

8-3.Q.一人で取り組むのがつらいときはどうすればいい?

一人で取り組むのがつらいときは、一人で抱えこまず、信頼できる人や専門家を頼ってください。途中で心が折れそうになるのは、あなたが弱いからではありません。それだけ真剣に向き合っている証です。

身近に話せる人がいれば、まずは気持ちを聞いてもらうだけでも心が軽くなります。また、眠れない、食べられないといった状態が長く続く場合は、医療機関に相談することも大切です。

自分のくせや相手の本音をより深く知りたいと感じたときは、夫婦関係の専門家を頼るという方法もあります。私のカウンセリングは、夫婦のどちらか一方だけが、パートナーには内緒で受けていただく形です。相手の協力がなくても、あなたが今からできることを一緒に見つけていけます。

おわりに

ブロックされたという現実は、とても重く、つらいものです。けれども、ここまで読んでくださったあなたは、もう知っています。ブロックされたことは離婚の確定ではなく、相手が心を守るために距離を取っている状態であることが多いということを。

そして、その距離を縮める力は、相手ではなくあなた自身の中にあります。追いかけるのをやめ、相手の本音に目を向け、毎日の小さな言動を変えていく。そうした積み重ねは、時間はかかっても、必ず相手に伝わっていきます。

私はこれまで、ブロックされた状態から関係を取り戻したご夫婦を、何組も見てきました。その方たちに共通していたのは、相手が変わるのを待つのではなく、自分から一歩を踏み出したことです。人は誰でも変われます。そしてあなたが変われば、二人の関係も変わっていきます。

今日からできることは、決して難しくありません。相手への連絡をいったん止めること。ブロックされるまでの流れをノートに書き出すこと。子どもやお金など、必要な用件を整理しておくこと。この3つが、関係修復の最初の一歩になります。

今は先が見えなくて不安かもしれません。それでも、1年後、あなたが大切な人ともう一度おだやかに笑い合えている未来を信じて、できることから始めてみてください。

【夫婦関係修復カウンセリング2万名突破記念】

動画を視聴すると、こんなことが知れます▼

  • なぜ多くの夫婦が問題を解決できずにいるのか?その本当の理由
  • 友人や家族に相談しても解決しない理由と、本当に必要なこととは
  • 離婚原因の上位12項目のうち、解決可能な問題と解決できない問題の見分け方
  • 夫婦関係修復に必要な「あり方」を決める方法
  • 本物の自分と偽物の自分を見極め、パートナーから愛される自分になる秘訣
  • パートナーの頭の中の雑念や不安を取り除く具体的なアプローチ
  • 相手をリラックスさせ、前向きな気持ちにさせるコミュニケーション術
  • 見返りを求めない行動が、なぜ関係修復に絶大な効果をもたらすのか
  • パートナーがあなたの優しさや思いやりに気づいてくれるようになる方法
  • 「まずは自分から理解する」ことで相手の心を開く実践法
  • 夫婦ノートの正しい作り方と、それを成功させるために必要な前提条件
  • 相手を変えようとせずに、関係を劇的に改善する考え方
  • etc...

これらの中のたった1つでも、あなたの夫婦関係を劇的に変え、人生を180度好転させるほどのパワーがあります。

「もう一度、結婚当初のような深い絆を取り戻したい」「パートナーとの関係を根本から修復したい」と本気で願うなら、教材を受け取りたいメールアドレスを下記緑色のボタンよりお知らせください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です