パートナーから突然「離婚したい」と言われた瞬間、体が固まったという方も多いのではないでしょうか。
頭の中が真っ白になりながらも、すぐに浮かんでくるのは子供のことではないでしょうか。この子に、どう伝えればいいのか。子供が傷つくのではないか。
自分自身が傷ついている痛みより先に、子供への影響を心配してしまう。その感覚こそが、子供がいる状況での離婚の言葉がいかに重いかを物語っています。
まず最初にお伝えしたいのは、一人から始められる具体的な行動があるということです。パートナーが今すぐ変わらなくても、あなたが先に動くことで関係の流れを変えていくことは、十分に可能です。
私はこれまで20年以上にわたり、1万組を超える夫婦の関係修復をサポートしてきました。その経験から言えば、「離婚したい」という言葉は、必ずしも本当に離婚を望んでいるサインとは限りません。その言葉の奥に、疲れや諦め、別の感情が隠れていることがとても多いのです。
この記事でわかることは、以下の通りです。
- 「離婚したい」と言われた直後にやるべき行動
- やってはいけないNG行動
- 子供がいる場合に知っておくべき法律と現実
- 一人から始められる関係修復のステップ
- 修復にかかる時間の現実的な目安
1.「離婚したい」と言われた直後にやるべきこと
「離婚したい」と言われた直後にもっとも大切なことは、その場で感情的な返事をしないことです。混乱した状態での最初の言動が、その後の修復可能性を大きく左右するからです。
1-1.まず返事を急がない。感情的な反応を抑えることが最初の一歩
「離婚したい」と言われた直後、人はどうしても感情的になりやすいです。泣いてしまったり、怒りをぶつけたり、あるいは反射的に「わかった」と答えてしまったりしやすい状況です。
しかし、この瞬間の言葉や行動が、修復できるかどうかを大きく左右することがあります。最初にすべきことは、その場で返事を急がないことです。
「今すぐ答えなければ」と感じるかもしれませんが、実際は少し時間を置いても何も変わりません。むしろ冷静な状態で向き合うことが、その後の話し合いを実りあるものにしてくれます。
具体的には、こんな言い方が有効です。
「今は気持ちが動揺していて、ちゃんと答えられないから、少し時間をくれる?」
この一言で、感情的な反応を避けながら、向き合う意思があることを同時に伝えられます。
1-2.相手の本気度を見極める3つのサイン
「離婚したい」と言われたとき、多くの方が次に気になるのが「これは本気なのか」という点ではないでしょうか。私のカウンセリングでも、この問いを抱えて来られる方はとても多いです。
相手の本気度を判断するうえで参考になるサインを3つお伝えします。
- 弁護士や離婚相談窓口にすでに連絡している
- 別居や生活費の分離を具体的に動き始めている
- 子供の親権や進学先を一人で調べ始めている
それぞれ詳しく見ていきます。
弁護士や離婚相談窓口にすでに連絡している
相手がすでに弁護士に相談していたり、離婚届を取り寄せていたりする場合は、今その気持ちがかなり高まっている段階です。ただし、これは修復が不可能という意味ではありません。
別居や生活費の分離を具体的に動き始めている
自分の荷物をまとめ始めたり、家計の口座から大きなお金を動かしたりしている場合は、実際に行動が始まっているサインです。この段階では、感情的な言い合いより冷静な話し合いの場を設けることが先決になります。
子供の親権や進学先を一人で調べ始めている
子供の転校先を調べていたり、親権についての情報収集を始めていたりする場合は、本気度が高いサインの一つです。一方で、子供のことを真剣に考えているという点は、話し合いの糸口にもなり得ます。
3つのサインと、感情の限界から言葉が出た状態との違いを、以下の表にまとめます。
| 確認ポイント | 本気度が高い状態 | 感情の限界からのSOS |
| 弁護士・相談窓口 | すでに連絡・相談済み | まったく動いていない |
| 生活の分離 | 荷物や口座を動かし始めている | 具体的な動きはない |
| 子供への対応 | 親権・進学先を一人で調べている | 子供のことは何も動いていない |
| 次にすべきこと | 冷静な話し合いの場を早めに設ける | 何に疲れているかを探ることを優先する |
どちらの状態であっても、共通しているのは相手の言葉の奥にある本音に目を向ける必要があるという点です。
1-3.やってしまいがちな絶対NGの行動
本気度のサインを確認できたところで、次に大切なのが、初期対応での失敗を避けることです。「離婚したい」と言われたとき、善意からとった行動が逆効果になってしまうケースがとても多いからです。
やってしまいがちなNG行動は、主に以下の3つです。
- 感情的に泣いて責め立てる
- 子供を言葉の盾にする
- 義両親や親族を巻き込む
順番に説明します。
感情的に泣いて責め立てる
泣くこと自体は自然な感情です。ただし、「あなたのせいで」「こんなに尽くしてきたのに」という形で責め立てると、相手に罪悪感と防衛心が同時に生まれます。
罪悪感と防衛心が高まった状態では、冷静な話し合いはできなくなります。感情を表現することと、相手を責めることは違います。その区別を意識することが大切です。
子供を言葉の盾にする
「子供のことを考えたら離婚なんてできない」という言い方は、一見もっともらしく聞こえます。しかし、パートナーからすると、子供を使って自分を縛ろうとしていると受け取られることがあります。
子供の存在は修復の大きな力になりますが、武器にしてしまうと逆効果です。子供の話は、感情が落ち着いた段階で、前向きな文脈として持ち出すことが大切です。
義両親や親族を巻き込む
問題を早く解決したい気持ちから、義両親や自分の親、共通の友人に仲裁を求める方がいます。しかし、第三者を安易に巻き込むのは、ほぼ確実に逆効果です。
第三者が入ることで、パートナーは「自分だけが責められている」と感じ、防衛的になります。夫婦の問題は、まず夫婦の間で向き合うことが基本です。どうしても一人では難しいと感じたときは、夫婦関係の専門家を頼ることをお勧めします。
2.子供がいる場合に知っておくべき現実
直後の行動を整理できたところで、次は子供がいる場合ならではの現実についてお伝えします。
2-1.離婚に応じる義務はないという事実
パートナーから「離婚したい」と言われても、あなたには離婚に同意する義務はありません。日本の法律では、離婚は一方が望むだけでは成立しないからです。
協議離婚(話し合いによる離婚)は、両者の合意があって初めて成立します。一方が拒否すれば、相手は家庭裁判所での調停や離婚訴訟を起こす必要があります。
そして離婚訴訟が認められるためには、法律が定める離婚原因が必要です。以下の5つが、その代表的な例です。
- 不貞行為(浮気・不倫)
- 悪意の遺棄(生活費を渡さない、家出など)
- 3年以上の生死不明
- 強度の精神病で回復の見込みがない
- 婚姻関係が完全に破綻していること
これらに当てはまらない場合は、相手がどれだけ強く離婚を求めても、あなたが同意しない限り、法律上は離婚が成立しません。
ただし、長期にわたる別居が続いた場合は5つ目の婚姻関係の破綻と認定されるリスクがあります。だからこそ、できるだけ早い段階から関係修復に向けた行動を始めることが重要なのです。
2-2.子供の親権・養育費について最低限知っておくこと
次に、子供がいる場合に多くの方が気になる、親権と養育費についても触れておきます。
現在の日本では、離婚する際に父母のどちらかが親権を持つ単独親権が長く続いてきました。しかし2024年5月に民法が改正され、離婚後も父母が共同で親権を持つ共同親権の選択ができる制度が導入されています。これにより、離婚後の親権の形が以前より柔軟になっています。
養育費については、現実がかなり厳しいという点を知っておく必要があります。厚生労働省の調査では、母子世帯で現在も養育費を受け取っている割合は28.1%に留まっています。取り決めをしていても、継続して受け取り続けられているケースは多くないのが実情です。
これは離婚を前提にした話ではありません。万が一のときに備えて、養育費は書面や公正証書でしっかり取り決めることが子供を守るうえで大切だということです。修復を目指しながらも、こうした知識は持っておいて損はありません。
2-3.離婚後の生活設計を冷静に考える
法律や制度の話をお伝えしてきましたが、現実的な生活のことも一度冷静に考えておくことをお勧めします。
厚生労働省の調査によると、母子世帯の平均年間収入は373万円で、そのうち就労収入は236万円です。同じ調査では、母子世帯の母の就業率は86.3%にのぼります。つまり、仕事をしながら子育てをするという生活が、多くのひとり親世帯の現実です。
これは不安をあおるためのデータではありません。「働けば何とかなる」と単純には言い切れない現実の一面を知っておくことで、今の選択をより冷静に考えられるようになるからです。
特に子供が小さい場合は、保育費や教育費、突発的な病気への対応まで含めて、具体的な生活設計を考える必要があります。
修復を目指すのか、離婚を選ぶのか。その選択は、感情だけでなく現実の生活も含めたトータルの判断が必要です。そして修復を望んでいるなら、こうした現実を知ることが、逆に修復への意欲をより強くしてくれることも少なくありません。
3.子供がいるからこそ、関係は修復できる
子供がいる状況を、修復にとって不利な条件だと感じている方もいるかもしれません。しかし実際には、逆のことが言えます。子供の存在は、修復を後押しする力になり得るのです。
3-1.「子供がいる」という事実が修復の起点になる理由
子供がいると修復しやすい最大の理由は、夫婦の間に自然な接点と共通の話題が残り続けるからです。
夫婦の直接的な会話が難しくなった状況でも、子供の話なら自然に口を開けるというケースはとても多いです。育て方や日々の出来事を通じて、会話の入り口が生まれ続けます。
子供は夫婦の共通の関心事です。この子に幸せになってほしいという気持ちは、多くの場合、両親で共通しています。その共通の目標が、修復の入り口になります。
さらに言えば、子供の成長は毎日続きます。その成長を共に見守るという共同作業の中で、夫婦としての絆が少しずつ再構築されていくこともあります。離婚という言葉が出た後でも、子供の運動会や学校行事がきっかけで会話が生まれ、その積み重ねが関係を変えていった夫婦を、私は何組も見てきました。
3-2.パートナーの本音は「本当に離婚したい」ではないかもしれない
20年以上のカウンセリング経験を通じて、私が強く実感していることがあります。それは、「離婚したい」という言葉の多くが、本当の離婚願望ではなく、疲れや孤独、変わってほしいという叫びだということです。
パートナーが本当に伝えたかったのは、こういうことかもしれません。
もうこのままではいられない、何とかしてほしい。
ずっと我慢してきたけど、限界なんだ。
もっと自分のことを見てほしかった。
こうした気持ちを言葉にする手段として、「離婚したい」という言葉が出てしまうことがあります。言葉の激しさにとらわれすぎず、その奥にある本音に目を向けることが大切です。
ただし、パートナーに浮気や好きな人ができている可能性がある場合は、少し状況が異なります。この場合でも修復は可能ですが、感情的な追及は逆効果になりやすいです。まず自分自身を落ち着かせる期間を置くことが先決で、相手が完全に気持ちを切っていない状態であれば、この後お伝えする修復の取り組みは十分に機能します。
いずれの場合も、サインを軽く見ることなく、早めに行動を始めることが大切です。
4.一人から始められる関係修復の具体的なステップ
相手が動かない限り何も変わらないと感じている方も多いと思います。しかし実際には、一人が先に変わることで関係の流れが変わることは、決して珍しくありません。ここからは、一人から始められる修復の具体的な方法をお伝えします。
修復の流れは、大きく次の4つのステップで進んでいきます。
- 【Step1】まず自分自身の言動を見直す
- 【Step2】子供を通じた自然な接点をつくる
- 【Step3】パートナーの気持ちに近づく聴き方を覚える
- 【Step4】小さな信頼を積み重ね、関係をゆっくり回復させる
それぞれの目的と主な行動を、以下の表で確認してください。自分が今どのフェーズにいるかの目安にもなります。
| ▼一人から始める関係修復4ステップ 早見表 | |||
| ステップ | 目的 | 主な行動 | 意識する時期 |
|---|---|---|---|
| Step1 自分の言動を見直す | 修復の土台をつくる | 言動のクセに気づき、批判的な言葉や無反応を減らす | 今すぐから |
| Step2 子供を通じた接点をつくる | 自然な会話を増やす | 子供の話題を通じて短い会話を重ねる | 1〜3ヶ月目 |
| Step3 気持ちに近づく聴き方を覚える | 信頼の土台を育てる | 最後まで聞く・共感の言葉を返す | 2〜4ヶ月目以降 |
| Step4 小さな信頼を積み重ねる | 関係をゆっくり回復させる | 約束を守る・感謝を伝える・行事に参加する | 継続的に |
それでは、それぞれのステップを詳しく見ていきます。
4-1.【Step1】まず自分自身の言動を見直す
修復の第一歩は、パートナーを変えようとすることではありません。まず自分自身の言動を振り返ることから始まります。
これは自分を責めることではありません。関係が壊れていくとき、多くの場合は両者に何らかのパターンがあります。自分がどんな言動をとりがちだったかに気づくことが、変化の始まりになります。
よく見られるパターンとしては、相手の話を遮って自分の意見を押し通す、疲れているときに返事をしなくなる、小さなことで批判的な言葉を使う、といったことがあります。どれも悪意があるわけではなく、習慣になってしまっているものがほとんどです。
まずは一週間、自分がパートナーにどんな言葉をかけているかを意識してみてください。「ありがとう」を伝えられているか、相手の話を最後まで聞けているか。そこから見えてくるものが、修復の具体的な出発点になります。
4-2.【Step2】子供を通じた自然な接点をつくる
自分の言動を見直し始めたら、次に意識したいのが、パートナーとの接点をつくることです。ただし、いきなり深刻な話し合いをしようとする必要はありません。
子供を通じた会話は、直接的な夫婦の対話よりも自然に生まれやすいです。たとえば、こんな言い方から始めることができます。
「今日、〇〇が算数のテスト満点だったみたい。見てやってくれると喜ぶと思う」
「最近、〇〇が夜なかなか寝なくて、ちょっと困ってる。何か知ってる?」
どちらも攻撃でも謝罪でもなく、子供を通じた情報共有です。その積み重ねが、少しずつ接点を増やしていきます。この段階では、子供を話の中心に置き、夫婦関係の話を直接持ち出さないことが大切です。
同時に、この時期に忘れてほしくない視点があります。それは、子供自身の心を守ることです。親がピリピリしていると、子供は言葉にしないまま不安を抱えることがあります。
離婚の話が出ていることを子供に詳しく伝える必要はありません。ただ、日常の安心感を保つことは、子供の年齢を問わず大切です。子供が小学生以上の場合、親の様子から何かを察していることが多いため、次のような一言が不安を和らげる大きな役割を果たします。
「パパとちょっと難しい時期だけど、〇〇のことはずっと大好きだよ」
離婚の詳細ではなく、子供への愛情を言葉で届けること。それがこの時期に親としてできる最も大切なことの一つです。
4-3.【Step3】パートナーの気持ちに近づく聴き方を覚える
接点が少しずつ生まれてきたら、次に大切になるのが聴き方です。修復の場面で多くの方がやってしまいがちなのが、相手の話に対してすぐに反論したり、自分の言い訳を始めたりすることです。
しかし、パートナーが本当に求めているのは正論ではなく、気持ちをわかってほしいという感覚です。まずその気持ちに寄り添う聴き方を意識することが、関係の空気を変えるうえでとても重要になります。
意識したい聴き方のポイントは、以下の3つです。
- 相手が話しているときに口をはさまず最後まで聞く
- 感情的な内容でも、まず受け取る
- 反論より先に、共感の言葉を返す
それぞれ詳しく説明します。
相手が話しているときに口をはさまず最後まで聞く
話の途中で「でも」「それは違う」と口をはさむと、相手は「どうせわかってもらえない」と感じて心を閉じます。まずは最後まで聞ききることが、聴き方の基本です。
感情的な内容でも、まず受け取る
相手が怒りや不満を表現してきたとき、事実関係を正したくなるのは自然なことです。しかしそのタイミングではなく、まず「そうか、そう感じていたんだね」と受け取ることが大切です。
反論より先に、共感の言葉を返す
相手の言い分に納得できなくても、まず「それは大変だったね」と一言添えることから始めてみてください。この順番を変えるだけで、会話の空気が大きく変わります。
最初はうまくできなくても大丈夫です。大切なのは、相手の言葉に打ち勝とうとするのではなく、理解しようとしているという姿勢を積み重ねることです。その姿勢が伝わり始めたとき、パートナーの態度に少しずつ変化が現れ始めます。
4-4.【Step4】小さな信頼を積み重ね、関係をゆっくり回復させる
ここまでの3つのステップを続けていくと、少しずつ関係の空気が変わってきます。ただし、一気に元どおりにしようとするのは禁物です。失われた信頼は、小さな行動の積み重ねでしか取り戻せないからです。
信頼を積み重ねるための行動は、劇的なものでなくてかまいません。明日からすぐに実践できる具体例を挙げます。
帰宅したときに「ただいま」と声をかける。相手が話しかけてきたら、スマホを置いて顔を向ける。食事の準備をしてくれたときに「ありがとう」と一言添える。子供の行事は必ず参加し、その様子を短く共有する。
どれも小さなことです。しかしこの積み重ねが、相手の心に「変わってきたかもしれない」という感覚を少しずつ生み出していきます。
反対に気をつけたいのが、頑張っているのに変わらないと焦れて、急に元の言動に戻ってしまうことです。修復は直線的には進みません。良くなったと思ったら少し後退し、また少し前へ進む。その繰り返しの中で、全体としては少しずつ改善に向かっていきます。
一人でできることを着実に続ける。その姿勢そのものが、パートナーが一緒にいる価値を感じていくことにつながっていくのです。
5.修復には時間がかかる。それでも諦めないために
ここまでの4つのステップをお伝えしてきました。ただ、実際に取り組んでみると、すぐに変化が出ないということに直面する方がほとんどです。だからこそ、時間感覚についても正直にお伝えしておきます。
5-1.修復には1年以上かかることも珍しくない
夫婦関係の修復には、それなりの時間がかかります。私のカウンセリング経験から言えば、修復の実感が得られるまでに1年から1年半かかるケースがとても多いです。
なぜそれほどの時間がかかるのか。それは、失われた信頼は一度にまとめて取り戻せるものではないからです。小さな行動を積み重ねて、少しずつ相手の心に「変わってきた」という実感が生まれていく。そのプロセスには、どうしても時間が必要です。
修復のフェーズと、それぞれの時期に起きやすい変化を以下の表に整理しました。今の自分がどの段階にいるかを確認する目安にしてください。
| ▼夫婦関係修復の時系列イメージ | |||
| フェーズ | 時期の目安 | 起きやすい変化 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 準備期 | 0〜3ヶ月 | 自分の言動のクセに気づく。相手の変化はほぼ表れない | 結果を求めすぎず、自分を変えることだけに集中する |
| 接触期 | 3〜6ヶ月 | 子供を介した短い会話が少しずつ増え始める | 夫婦関係の話を直接持ち出さない |
| 変化期 | 6ヶ月〜1年 | 相手の態度が少し和らぎ、返事が増えてくる | 少し良くなっても油断せず、行動を続ける |
| 回復期 | 1年〜1年半 | 話し合いの場が自然に生まれ、関係が安定してくる | 継続と根気が最も大切な時期 |
修復が途中で頓挫する原因の多くは、時間感覚のズレにあります。3ヶ月頑張っても変わらないと感じて諦めてしまったとき、実はあと少しで転機が来るタイミングだったというケースも少なくありません。
1年という時間は長く感じるかもしれません。しかし、子供が大きくなるのも1年です。その1年を修復に向けて動き始める1年にするか、諦めてしまう1年にするかで、その後の家族の形が大きく変わってきます。
5-2.実際に関係を修復できた夫婦の話
40代前半のある女性は、夫から「離婚したい」と言われた翌週から、一人でカウンセリングを受け始めました。夫はその事実を知りません。子供は2人、当時はともに小学生でした。
最初の3ヶ月は、自分の言動のクセを見直すことに集中しました。批判的な言葉を使う習慣があったことに気づき、意識して変えていきました。夫との会話はほとんどなく、子供の話題だけが共通の接点でした。
半年が経ったころ、夫が少しずつ返事をするようになってきました。劇的な変化ではなく、「ああ」や「そうか」程度のものです。しかし、それが彼女にとっての大きな手応えでした。
1年が過ぎたころ、夫から「最近、変わったね」という一言がありました。その言葉をきっかけに、初めて二人でゆっくり話し合う場が生まれました。すべてが解決したわけではありませんでしたが、離婚という言葉は二人の間から消えていました。
1年3ヶ月後、夫婦は関係を続けることを改めて選び直しました。彼女はこう言っていました。「最初の3ヶ月が一番つらかった。でも、あのときに諦めなかったことが、すべてを変えた」と。
5-3.一人での限界を感じたときは、専門家という選択肢もある
先ほどの事例の女性も、一人でカウンセリングに通いながら変わり続けました。しかし、そこまで続けられる方ばかりではありません。一人で取り組み続けることは、体力も気力もいることです。
「もうどうすればいいかわからない」と感じたとき、専門家に相談するという選択肢があることを知っておいてください。
夫婦関係の専門カウンセリングは、必ず二人で訪れるものではありません。私のカウンセリングも、悩んでいる本人が一人で訪れるものです。パートナーには内緒で相談できます。
一人でカウンセリングを受けることで得られるのは、第三者の視点です。自分では気づけない言動のパターンや、修復に向けた具体的な方向性を一緒に整理していくことができます。
友人や家族への相談が感情的なサポートにとどまりやすいのに対し、専門家のサポートは科学的な根拠に基づいた実践的な方法を提供できる点で違います。一人では限界を感じたときは、抱え込まずに専門家を頼ることをお勧めします。
よくある質問
おわりに
パートナーから「離婚したい」と言われた今、あなたは深い混乱と不安の中にいると思います。それでも諦めたくないと思っているからこそ、この記事を最後まで読んでくださったのだと思います。
一つ、はっきりお伝えします。子供がいる状況は、修復にとって不利な条件ではありません。子供という共通の存在があるからこそ、夫婦の間に接点と修復の起点が生まれ続けます。これが、この記事全体を通じて最も伝えたかったことです。
修復に近道はありません。時間がかかることも、つらいと感じる日があることも、正直なところです。ただ、一つ言えることがあります。正しい方向に一人でも動き始めた夫婦には、必ず変化のきっかけが訪れます。
今日からできることを一つ選んでみてください。まずStep1として、自分の言動を一週間意識することから始めてみます。一人では難しいと感じたときは、専門家への相談も選択肢の一つとして持っておいてください。焦らず、諦めず、小さな一歩を続けていただければと思います。




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