離婚したいと言われた後の既読無視|送るべきか待つべきか、1万組を支えた夫婦修復コーチの判断基準

離婚したいと言われてから、LINEを送っても既読がつくだけで返事が来ない。何度もスマホを開いては、画面を見つめてため息をついていませんか。

送れば嫌われそうで怖い。でも何もしなければ、離婚の話がどんどん進んでしまいそう。もしかすると、不安にたえきれず、すでに何通も長いメッセージを送ってしまい、後悔しているかもしれません。

私は夫婦関係修復コーチとして20年以上、1万組を超える夫婦の関係修復をサポートしてきました。その中で、既読無視の時期を乗りこえて、もう一度笑い合える夫婦に戻った方をたくさん見てきました。

はじめにお伝えしておきます。既読無視をされていても、夫婦関係が終わったと決まったわけではありません。たとえ送り方を間違えてしまっていても、ここから立て直すことはできます。そして、相手の協力がなくても、あなた一人から状況を変えていけます。

この記事で分かること
  • 離婚したいと言われた後に相手が既読無視する心理
  • 連絡すべきか待つべきかの状況別の判断基準
  • 既読無視が続くときにやってはいけない行動
  • 相手が返事をしやすくなるLINEの送り方と文例
  • 返信がない間に一人から始められる関係修復の方法
  • 既読無視から関係修復までの1年〜1年半の流れ

目次

1.離婚したいと言われた後の既読無視|相手が返信しない本当の理由

既読無視は、離婚が確定したというサインではありません。相手があなたのメッセージを読んだうえで、返事を保留している状態です。その背景には、主に5つの心理があります。

相手がなぜ返事をしないのかが分かると、次に何をすればいいかが見えてきます。この章では、既読無視が意味することと、相手の心の中で起きていることを解説していきます。

1-1.既読がつくのは相手がメッセージを読んでいるサイン

この記事でいう既読無視とは、相手がLINEを開いて読んだのに、返事をしない状態のことです。まず知っておいてほしいのは、既読がつく以上、相手はあなたのメッセージを読んでいるということです。

本当に関わりたくないと思っている人は、メッセージを開かずに放っておいたり、ブロックしたりすることもあります。既読がつくなら、少なくとも相手は、あなたが何を伝えてきたのかを確かめています。

もちろん、読んでいるから気持ちが残っている、と言い切ることはできません。それでも、あなたの言葉が相手に届く道は、まだ閉じていないということです。

だからこそ、何を送るか、どんな言葉を選ぶかが大きな意味を持ちます。送る内容しだいで、相手の気持ちを少しずつほぐすこともできれば、反対にさらに心を閉ざさせてしまうこともあるのです。

私がサポートしてきた方の中でも、関係が戻ってから、相手に「全部読んでたけど、何て返せばいいか分からなかった」と打ち明けられたという話はよく聞きます。返事がないのは、届いていないからではなく、相手がまだ返す言葉を見つけられていないからかもしれません。

1-2.離婚を切り出した相手が既読無視する5つの心理

では、相手はなぜ読んでいるのに返事をしないのでしょうか。離婚を切り出した側が既読無視をする心理には、主に次の5つがあります。

離婚を切り出した相手が既読無視する5つの心理
  1. 気持ちが整理できず、落ち着く時間がほしい
  2. 話し合うと責められそうで怖い
  3. 何を返しても話がこじれると感じている
  4. 離婚の気持ちを揺らがせたくない
  5. あなたが本当に変わるのかを見極めている

それぞれの心理と、当てはまりやすい相手の様子を見ていきます。

1.気持ちが整理できず、落ち着く時間がほしい

離婚を切り出すまでには、相手の中にも長い時間をかけてためこんできた思いがあります。言葉にした直後は、怒りや悲しみ、罪悪感などが入りまじり、自分でも気持ちを整理できていないことが多いのです。そんなときに返事を求められても、何を書けばいいか分かりません。

離婚を切り出したときに相手も感情的だった、涙ぐんでいたという場合は、この心理が当てはまりやすいです。

2.話し合うと責められそうで怖い

返事をすれば話し合いが始まり、責められたり、引きとめられたりするのではないかと身構えている状態です。無視しているというより、ぶつかるのを避けて自分を守っているとも言えます。

以前から、話し合いになると黙りこむ、部屋を出ていくといった様子があったなら、この心理が当てはまりやすいです。

3.何を返しても話がこじれると感じている

過去に何度か話し合ったのに、結局うまくいかなかった経験があると、相手はあきらめに近い気持ちを抱いています。返事をしても同じことのくり返しになると感じ、あえて何も返さないという選択をしているのです。

離婚を切り出すときに、何度言っても分かってもらえないと口にしていたなら、この心理が当てはまりやすいです。

4.離婚の気持ちを揺らがせたくない

あなたからのメッセージを読むと、相手の心も揺れます。せっかく決めた離婚の気持ちが揺らいでしまうのが怖くて、返事をしないようにしているケースです。裏を返せば、あなたの言葉が相手の心を動かす力を持っているということでもあります。

離婚の話を、目を合わせずに切り出してきた、言いにくそうに迷いながら話していたなら、この心理が当てはまりやすいです。

5.あなたが本当に変わるのかを見極めている

謝罪や反省の言葉を受け取っても、相手はすぐには信じられません。言葉よりも、この先のあなたの行動を見て判断しようと、あえて黙って様子を見ている状態です。

これまでにも、もう二度としないと約束しては、同じことをくり返してきたなら、この心理が当てはまりやすいです。

1-3.既読無視だけで離婚の本気度は判断できない理由

既読無視という行動だけでは、相手の離婚の本気度は判断できません。判断の材料になるのは、LINE以外の様子と、離婚に向けた具体的な動きです。

同じ既読無視でも、ただ気持ちを落ち着かせたいだけの人もいれば、離婚の意思をかためて距離を置いている人もいます。それに、相手の気持ちは日によっても変わります。今この瞬間の既読無視が、相手の最終的な答えとは限りません。

同居中なら、顔を合わせればあいさつや必要な会話はするのに、LINEだけ返さないという場合は、文字で離婚の話をすることを避けているだけかもしれません。家の中でも口をきかない場合は、心の距離がより大きく開いている状態です。

別居中なら、生活費や子どものことなど、必要な連絡が取れているかどうかが目安になります。必要な連絡に応じてくれているなら、相手はあなたとの関わりを完全に断とうとはしていません。

一方で、次のような動きがある場合は、相手の離婚の気持ちがかなりかたまっている可能性があります。

相手の離婚の気持ちがかたまっている可能性が高いサイン
  • 離婚届を用意している
  • 弁護士に相談していると口にしている
  • 別居の準備を具体的に進めている

それぞれ簡単に解説します。

離婚届を用意している

離婚届を手に入れて記入を進めているなら、相手は気持ちだけでなく、実際の手続きに向けて動き出しています。口で離婚したいと言う段階よりも、一歩進んだ状態です。

弁護士に相談していると口にしている

弁護士への相談は、離婚の条件や進め方を具体的に考え始めているサインです。あなたに伝えてくるのは、本気であることを分かってほしいという気持ちの表れでもあります。

別居の準備を具体的に進めている

引っ越し先を探している、荷物をまとめ始めているといった様子があるなら、相手はあなたと物理的に離れることを決めつつあります。

これらに当てはまっても、修復の道がなくなったわけではありません。ただ、対応の仕方は変える必要があります。その方法は、第2章の相手が手続きを進めている場合でお伝えします。いずれにしても、返事のあるなしだけで相手の気持ちを読もうとしないことが大切です。

2.既読無視されたら連絡すべき?待つべき?状況別の判断基準

連絡すべきか待つべきかは、あなたが置かれている状況によって答えが変わります。よくある4つの状況ごとに、基本となる対応を次の表にまとめました。

▼既読無視されたときの状況別判断表
状況 基本対応 送ってよい内容 避けたいこと
離婚を切り出された直後に既読無視された場合 しばらく連絡を控えて待つ その場の態度をわびる短いメッセージを一度だけ ・結論を求める
・何通も送る
謝罪や離婚したくない気持ちを伝えた後に既読無視された場合 同じ内容を重ねずに待つ 基本は送らず、行動で示す ・謝罪のくり返し
・返事の催促
既読無視が1週間以上続いている場合 返事を求めない短い連絡を間をあけて送る ・子どもの様子の報告
・体調を気づかう一言
・離婚の話
・気持ちを確かめる質問
相手が別居や離婚の手続きを進めている場合 関係修復と並行して立場を守る準備をする 必要な連絡を短く穏やかに ・強い言葉での引きとめ
・押しかけ
※相手から連絡しないでほしいとはっきり言われている場合は、どの状況でも連絡を控えてください

ここからは、それぞれの状況について、なぜその対応がよいのかを詳しく見ていきます。

2-1.離婚を切り出された直後に既読無視された場合

離婚を切り出された直後に既読無視された場合は、しばらく連絡を控えて待つのが基本です。

相手は、離婚を口にするまでに大きなエネルギーを使っています。言った直後は相手の心も高ぶっていて、どんな言葉も素直に受け取れる状態ではありません。そこにあなたから何通もメッセージが届くと、相手はますます心を閉ざしてしまいます。

ただし、離婚を切り出されたときに、感情的に言い返してしまった、泣いて責めてしまったという場合は、その場の態度を短くわびるメッセージを一度だけ送るのは効果的です。文面は第4章でご紹介します。

待つのはつらいと思います。けれど、この時期のあなたの落ち着いた態度は、相手の心にしっかり残ります。

2-2.謝罪や離婚したくない気持ちを伝えた後に既読無視された場合

では、すでに謝罪や、離婚したくない気持ちを伝えた後に既読無視されている場合はどうでしょうか。この場合は、同じ内容を重ねて送るのはやめて、いったん待つことをおすすめします。

既読がついている以上、あなたの気持ちはすでに届いています。それでも返事がないのは、今はまだ受け止めきれない、どう返せばいいか分からない、という段階にいるからです。

ここで「読んだなら返事して」「どう思ってるの?」と答えを急がせると、相手は追いつめられた気持ちになります。せっかく伝えた謝罪も、自分の気持ちを押しつけるためのものだったのかと受け取られかねません。

この時期にあなたがするべきことは、言葉を重ねることではなく、伝えた言葉が本物だと行動で示すことです。その具体的な方法は、記事の後半でくわしくお伝えします。

2-3.既読無視が1週間以上続いている場合

待つと決めても、返事のない日が続けば不安は大きくなりますよね。既読無視が1週間以上続いているなら、返事を求めない短いメッセージを、間をあけて送ってみるのがひとつの方法です。

連絡を完全に断ってしまうと、相手によっては、もうあきらめたのだと受け取ることがあります。かといって、毎日のように送れば負担になります。大切なのは、相手の負担にならない内容と間隔で、つながりを細く保つことです。

送る内容は、返事をしなくても困らないものを選びます。たとえば、子どもの学校での出来事の報告や、相手の体調を気づかう一言などです。離婚の話や、相手の気持ちを確かめる質問は、ここでは入れません。

なお、1週間返事がないからもうだめ、ということはありません。期間だけで相手の気持ちをはからないでください。

2-4.相手が別居や離婚の手続きを進めている場合

相手が離婚に向けて具体的に動いている場合は、LINEの返事を待つだけでは足りません。関係修復の努力と並行して、自分の立場を守る準備を進めるのが基本です。

具体的に動いているとは、相手がすでに別居を始めている、弁護士に相談している、離婚届を渡してきた、といった状態です。ここまでの3つの状況とは、対応の考え方が変わります。

立場を守る準備とは、たとえば離婚届を勝手に出されないようにする方法や、家庭裁判所で関係修復のための話し合いの場をつくる方法を知っておくことです。これらは記事の後半でお伝えします。

ただ、手続きが進んでいるからといって、焦って何度も連絡したり、強い言葉で引きとめたりするのは逆効果です。相手はやっぱり話しても無駄だと感じ、ますます離婚の意思をかためてしまいます。

法律の上では、協議離婚は夫婦二人の合意がなければ成立しません。相手が離婚したいと言っているからといって、すぐに離婚が決まるわけではないのです。だからこそ、あわてずに、今できることを一つずつ進めていくことが大切です。

3.既読無視が続くときにやってはいけない4つの行動

ここまで、状況別の判断基準を見てきました。とはいえ、返事が来ない毎日が続くと、不安から思わず動いてしまいたくなるものです。

ここでは、既読無視が続くときに特に避けたい、次の4つの行動をお伝えしていきます。

既読無視が続くときにやってはいけない4つの行動
  • 返信を求める追いLINEや長文LINEを送る
  • 謝罪と離婚したくない気持ちを何度もくり返す
  • 子どもや義両親、友人を通して返事を迫る
  • 職場や実家に押しかけて話し合いを求める

どれも、相手の心をさらに遠ざけてしまう行動です。順番に解説していきます。

3-1.返信を求める追いLINEや長文LINEを送る

追いLINEとは、返事がないのに、続けてメッセージを送ることです。既読無視が続くときに、最も避けたい行動のひとつです。

返事が来ないと、「読んでるよね?」「なんで返事くれないの?」と送りたくなる気持ちは自然なものです。けれど相手にとって、返事を求めるメッセージは責められているのと同じです。通知が来るたびに気が重くなり、そのうちメッセージを開くことさえ苦痛になります。そうなると、既読すらつかなくなったり、ブロックされたりする恐れがあります。

長文LINEも同じです。思いを込めた長い文章ほど、相手には重たく感じられ、気持ちを押しつけられているように受け取られます。送りたい気持ちがこみ上げてきたら、すぐに送信せずスマホのメモ帳に書き、一晩おいてから読み返してください。多くの場合、送らないほうがいいと気づくはずです。

すでに追いLINEや長文を何通も送ってしまった場合も、あわてなくて大丈夫です。これまでの送り方を短くわびるメッセージを一度だけ送り、その後はしばらく間をあけてください。

「たくさん送ってしまってごめん。気持ちを押しつけてたと思う。しばらく連絡は控えるね。返事はいらないよ。」

大切なのは、わびた後に本当に連絡を控えることです。言葉どおりの行動が続けば、相手は少しずつあなたを信じられるようになります。

3-2.謝罪と離婚したくない気持ちを何度もくり返す

追いLINEと同じくらい気をつけたいのが、謝罪や離婚したくない気持ちを何度もくり返すことです。伝えること自体は大切ですが、くり返すほど、その言葉の重みはどんどん軽くなってしまいます。

相手からすると、同じ謝罪が何度も届くと、本当に反省しているのではなく、許してほしいから言っているだけではないかと感じます。離婚したくないと何度も言われると、自分の気持ちを聞いてもらえていないと受け取ります。

特に気をつけたいのは、謝罪のたびに「だから考え直して」と付け加えてしまうことです。謝罪が、相手を引きとめるための道具に見えてしまうからです。

焦りから、「離婚するなら子どもには会わせない」と脅したり、「もうどうなってもいい」と投げやりな言葉や泣き落としで気を引こうとしたりするのも逆効果です。相手は怖さや重さを感じ、やはり離れたほうがいいという気持ちを強めてしまいます。

気持ちは一度、心を込めて伝えれば十分です。あとは言葉ではなく、行動で示していく段階に入ったと考えてください。

3-3.子どもや義両親、友人を通して返事を迫る

自分の言葉が届かないと感じると、今度は周りの人の力を借りたくなるかもしれません。けれど、子どもに「パパに連絡するように言っておいて」と頼んだり、義両親や共通の友人に説得してもらおうとしたりするのは避けてください。

あなたとしては、間に入ってもらえば話が進むと思うかもしれません。しかし相手から見ると、自分の知らないところで周りを巻き込まれたと感じます。味方をつくって追いつめようとしているように受け取られ、信頼はさらに失われてしまいます。

特に、子どもを伝言役にするのは絶対にやめてください。子どもは両親の間にはさまれて、大きなストレスを感じます。そのうえ相手は、子どもを使われたことに強い怒りを覚え、修復がより難しくなります。

義両親や友人に相談すること自体は、悪いことではありません。ただ、それは自分の気持ちを聞いてもらうためにとどめ、相手への説得は頼まないほうが安全です。

3-4.職場や実家に押しかけて話し合いを求める

人を通しても返事が来ないと、もう直接会って話すしかないと思いつめてしまうこともあります。しかし、相手の職場や実家に押しかけるのは危険です。

職場に押しかけられると、相手は同僚の目もあり、とても恥ずかしく、怖い思いをします。実家に行けば、相手の家族も巻き込むことになります。どちらも相手にとっては、自分の生活の場をおびやかされる体験です。あなたへの警戒心を一気に強めてしまいます。

また、相手がはっきりと会いたくない、連絡しないでほしいと言っているのに、何度も押しかけたり待ち伏せしたりすると、つきまといと受け取られることもあります。そうなれば、関係修復どころではなくなります。

直接話したい気持ちは自然なものです。ただ、話し合いは、相手が応じてもいいと思えたときにはじめて意味を持ちます。その時を引き寄せるためには、まず相手が安心できる関わり方を身につけることが近道です。

4.相手が返事をしやすくなるLINEの送り方と文例

既読無視されているときに送ってもいいのは、返信を求めない短いLINEです。これを間をあけて送ることが基本になります。やってはいけない行動を避けたうえでこの形を守れば、LINEは相手の心をほぐすきっかけになります。

この章では、その理由と、そのまま使える文例、送る頻度の目安をお伝えしていきます。

4-1.返信を求めないLINEが相手の心をゆるめる理由

返信を求めないLINEとは、相手が読むだけで完結し、返事をしなくても気まずくならないメッセージのことです。たとえば、最後に「返事はいらないからね」と一言そえたり、質問の形にしなかったりするだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。

これが効果的なのは、既読無視をしている相手が、返事をしなければいけないというプレッシャーに疲れているからです。返事を求められないと分かると、相手は安心して読めるようになり、少しずつ心の警戒がとけていきます。そうしてはじめて、相手のほうから返事をしてみようかなという気持ちが生まれるのです。

反対に、「既読ついてるよね?」「いつまで無視するの?」「話し合いから逃げないで」といった言葉は、どんなに強い思いがあっても、相手には圧力としてしか届きません。

私がサポートした方の中にも、返事を求めるのをやめて、相手を気づかう短いメッセージだけを送るようにしたところ、しばらくして相手からスタンプが一つ返ってきたという方がいました。小さな変化ですが、これが会話を取り戻す最初の一歩になりました。

4-2.そのまま使える状況別のLINE文例

ここからは、状況別にそのまま使えるLINEの文例をご紹介します。どれも夫婦の間でふだん使う言葉づかいにしているので、あなたらしい言葉に少し言いかえて使ってください。

ただし、相手から連絡しないでほしいとはっきり言われている場合は、ここで紹介する文例であっても送らずに、その気持ちを尊重してください。

状況別のLINE文例
  • その場での態度をわびたいとき
  • 相手を気づかう気持ちを伝えたいとき
  • 子どもの様子を伝えたいとき
  • いつか話し合いたい気持ちを伝えたいとき

それぞれの文例を見ていきます。

その場での態度をわびたいとき

離婚を切り出された直後に、感情的に言い返したり、責めたりしてしまったときに一度だけ送る文面です。

「この前は感情的になってごめん。言われたこと、ちゃんと考えてる。返事はいらないからね。」

離婚の結論や相手の気持ちには触れず、わびる気持ちと、受け止める姿勢だけを伝えるのがポイントです。

相手を気づかう気持ちを伝えたいとき

謝罪を送った後に返事がなく、つながりを細く保ちたいときの文面です。

「仕事、忙しそうだね。無理しすぎないでね。返事は気にしなくて大丈夫だよ。」

子どもの様子を伝えたいとき

子どもの話題は、相手にとっても大切なものです。返事を求めず、うれしい出来事を分かち合うつもりで送ってください。

「今日、〇〇が学校で作った絵をほめられたって、うれしそうに話してくれたよ。写真送るね。」

いつか話し合いたい気持ちを伝えたいとき

ある程度時間がたち、相手の態度が少しやわらいできてから使う文面です。早い時期に送ると、話し合いを迫られていると感じさせてしまいます。

「今は話したくない気持ちもあると思う。無理に返事はしなくていいよ。いつか話せそうなときが来たら、そのとき聞かせてほしい。」

話し合う時期を相手にゆだねることで、あなたの気持ちを伝えながらも、相手に逃げ場を残すことができます。

4-3.LINEを送る頻度とタイミングの目安

最後に、送りすぎを防ぐための頻度とタイミング、そして返事が来たときの返し方をお伝えします。

頻度は相手の様子を見ながら決めるのが基本です。目安としては、離婚を切り出された直後はわびの一言以外は送らずに待ち、少し落ち着いてからも、数日から1週間に1回ほどにとどめてください。前のメッセージに返事がないうちは、次を送るまでに間をあけることも大切です。

タイミングは、相手が落ち着いて読める時間帯を選びます。仕事中や朝の忙しい時間、夜遅い時間は避けてください。また、あなた自身がさみしさや不安でいっぱいの夜も、送信しないほうが安全です。気持ちが不安定なときに書いたメッセージは、どうしても重くなりがちだからです。

そして、相手から返事が来たときこそ注意が必要です。うれしさから、すぐに長い返信をしたり、離婚の話を持ち出したりすると、相手はまた心を閉ざしてしまいます。

たとえば、子どもの写真に「ありがとう」とだけ返ってきたなら、次のように、相手と同じくらいの短さで返すのがちょうどいい距離です。

「うん、喜んでもらえてよかった。」

最初のうちは、こちらから質問を重ねず、相手の返事の長さに合わせて返します。短いやりとりが何度か自然に続いてから、少しずつ話題を広げていけば十分です。

5.返信がない間に一人から始める関係修復の4ステップ

ここまで、LINEの送り方についてお伝えしてきました。ただ、LINEはあくまで関係修復のきっかけにすぎません。相手の心を本当に動かすのは、返事を待っている間に、あなた自身がどう変わっていくかです。

この章では、相手の協力がなくても、あなた一人から始められる関係修復の4つのステップをお伝えしていきます。

返信がない間に一人から始める関係修復の4ステップ
  • 【Step1】返信に振り回される不安な気持ちを落ち着かせる
  • 【Step2】離婚を切り出された本当の理由を振り返る
  • 【Step3】家の中での態度と言葉を少しずつ変える
  • 【Step4】相手が安心できる距離感をつくる

順番に解説していきます。

5-1.【Step1】返信に振り回される不安な気持ちを落ち着かせる

最初のステップは、あなた自身の不安な気持ちを落ち着かせることです。

既読無視が続くと、一日に何度もスマホを確認し、返事がないたびに落ちこむ毎日になりがちです。この状態が続くと、不安から追いLINEを送ってしまったり、家で相手に冷たく当たってしまったりと、望んでいない行動につながります。

なぜ自分の気持ちを整えることが最初なのかというと、あなたの心の状態は、言葉や表情を通して必ず相手に伝わるからです。不安でいっぱいの人のそばにいると、相手も息苦しさを感じます。反対に、あなたが落ち着いていると、相手も少しずつ安心できるようになります。

具体的には、スマホを見る時間を決めることから始めてください。朝と夜の決まった時間だけ確認すると決めるだけでも、返事を待ち続ける時間は減ります。LINEの通知をオフにするのもひとつの方法です。

不安な気持ちは、ノートに書き出してみてください。頭の中でぐるぐるしている思いを文字にすると、自分が何に一番おびえているのかが見えてきます。相手に送れない言葉も、ノートになら書いて大丈夫です。

散歩をする、好きな音楽を聴く、しっかり眠るといった、心と体を休める時間も意識してつくってください。あなたが元気を取り戻すことは、わがままではなく、関係修復の土台づくりです。

ただし、眠れない、食事がのどを通らないといった状態が続くときは、一人でがまんせず、心療内科などの医療機関に相談してください。体と心を守ることが、何よりも先です。

5-2.【Step2】離婚を切り出された本当の理由を振り返る

気持ちが少し落ち着いてきたら、次は、相手がなぜ離婚を考えるようになったのかを振り返ります。

離婚を切り出されると、きっかけになった出来事ばかりに目が向きがちです。けれど多くの場合、相手の不満は一度の出来事ではなく、長い時間をかけて少しずつたまってきたものです。表に出た理由の奥に、本当の理由がかくれていることも少なくありません。

振り返るときは、相手を責める気持ちをいったん横に置き、次の3つの問いについて考えてみてください。

本当の理由に気づくための3つの問い
  1. 相手がよく口にしていた不満は何か
  2. 相手が悲しそうな顔をしていたのはどんな場面か
  3. 最後に相手が心から笑っていたのはいつか

それぞれの問いの考え方をお伝えします。

1.相手がよく口にしていた不満は何か

相手のくり返していた言葉には、一番分かってほしかった気持ちが表れています。その言葉が出たとき、自分はどんな態度だったのか、具体的な場面まで思い出してみてください。

2.相手が悲しそうな顔をしていたのはどんな場面か

相手は、不満を言葉にしないまま、がまんしてきたこともあるはずです。悲しそうな顔や、あきらめたような顔を思い出すと、言葉にならなかった本当の理由が見えてきます。

3.最後に相手が心から笑っていたのはいつか

相手が笑顔だった頃、あなたはどんな関わり方をしていたでしょうか。その頃と今の違いを比べると、相手が本当に求めているものが見えてきます。

3つの問いの答えは、次のシートに書き出してみてください。ノートに同じ表を書いて使っても大丈夫です。

▼本当の理由に気づくための振り返りシート
問い 思い出した場面 そのときの自分の言動 これから変えたいこと
記入例:相手がよく口にしていた不満
(ちゃんと話を聞いてくれない)
夕食後に仕事の悩みを話してくれたとき スマホを見ながら生返事をしていた 話しかけられたらスマホを置いて顔を見る
1.相手がよく口にしていた不満は何か
2.相手が悲しそうな顔をしていたのはどんな場面か
3.最後に相手が心から笑っていたのはいつか
※右端の列に書いたことが、次のステップで変えていく行動になります

このとき、自分ばかりが悪いと責めすぎる必要はありません。夫婦の問題は、どちらか一方だけで起きるものではないからです。大切なのは、自分が変えられる部分を見つけることです。

私がサポートしてきた方の多くも、この振り返りを通して、相手が本当に求めていたのは大きな変化ではなく、日々の小さな思いやりだったと気づいています。

5-3.【Step3】家の中での態度と言葉を少しずつ変える

本当の理由が見えてきたら、いよいよ行動を変えていきます。ここで大切なのは、大きく変わろうとせず、家の中での態度と言葉を少しずつ変えていくことです。

急に別人のように明るくふるまったり、相手の好きな料理を毎日並べたりすると、相手は引きとめるための作戦ではないかと警戒してしまいます。変化は小さく自然であるほど、相手に信じてもらいやすくなります。

まずは、毎日のあいさつから始めてください。相手から返事がなくても、「おはよう」「おかえり」と、明るすぎない、ふつうの声でかけ続けます。返事を期待せず、自分から気持ちのいいあいさつをすることに意味があります。

次に、本当の理由を振り返ったときに見つけた、相手が嫌がっていたことを一つずつやめていきます。ため息をつく、相手の話を否定から入るといった習慣は、意識しないとなかなか変わりません。まずは一つだけ選び、それをやめることに集中してください。

そして、相手がしてくれたことには、小さなことでも「ありがとう」と伝えます。ゴミを出してくれた、子どもを迎えに行ってくれた。当たり前になっていたことへの感謝は、相手の心を少しずつほぐしていきます。

別居中で顔を合わせる機会がない場合は、子どもの受け渡しのときの態度や、たまに送るLINEの言葉づかいがこの役割を果たします。どんな場面でも、落ち着いていて相手を責めない人であり続けることが大切です。

5-4.【Step4】相手が安心できる距離感をつくる

最後のステップは、相手が安心できる距離感をつくることです。

離婚を切り出した相手は、また引きとめられるのではないか、話し合いを迫られるのではないかと身構えています。この警戒心がとけないかぎり、どんなに態度を変えても、相手は心を開くことができません。

相手が安心できる距離感とは、近づきすぎず、離れすぎない関わり方のことです。必要なことは伝えるけれど、相手の気持ちを確かめたり、答えを求めたりはしない。相手が一人になりたそうなときは、そっとしておく。かといって、避けるように過ごしたり無関心な態度をとったりはせず、穏やかにそばにいることが大切です。

たとえば、妻から離婚を切り出され、家でも口をきいてもらえなかったある夫の方は、話しかけるのを夕食後の一言だけにしました。「お茶いれたけど、飲む?」と声をかけ、断られても「わかった」と笑顔で返す。この小さなやりとりを続けるうちに、妻のほうから「ありがとう」と受け取ってくれる日が出てきたそうです。

6.話し合いができないときに知っておきたい選択肢

状況によっては、相手との話し合いがまったくできない、離婚の手続きが進んでいるということもあると思います。

そんなときのために、次の3つの選択肢を知っておいてください。どれも、あなたの気持ちや立場、そして安全を守るためのものです。

話し合いができないときに知っておきたい3つの選択肢
  • 家庭裁判所の夫婦関係調整調停(円満)で話し合いの場をつくる
  • 離婚届を勝手に出されるのが心配なときは不受理申出を使う
  • 身の危険を感じるときは関係修復より安全を優先する

順番に解説していきます。

6-1.家庭裁判所の夫婦関係調整調停(円満)で話し合いの場をつくる

既読無視が続き、二人だけではまったく話し合いができないときは、家庭裁判所の夫婦関係調整調停(円満)という手続きがあります。

円満調停とも呼ばれるこの手続きは、離婚のためではなく、夫婦関係を修復するための話し合いの場です。裁判所の案内では、調停で夫婦それぞれから事情を聞き、関係が悪くなった原因や、改善するために必要なことなどを話し合うとされています。

裁判所のQ&Aでも、申し立ての時点で離婚するかどうかの気持ちが固まっている必要はないと案内されています。離婚を切り出されたけれど、まだあきらめたくない。そんな段階でも利用できる制度です。

申し立てにかかる費用は、収入印紙1,200円分と、連絡用の郵便切手代です。切手の額は裁判所によって異なるため、申し立てる家庭裁判所に確認してください。

ただし、申し立てをすると相手に伝わるため、相手が驚いたり身構えたりすることもあります。相手が感情的になっている時期だと、かえって心を閉ざしてしまう可能性もあります。

そのため円満調停は、自分で関係修復の努力を続けながらも、どうしても話し合いの糸口が見つからないときの選択肢として考えておくのがおすすめです。利用するか迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してから決めると安心です。

6-2.離婚届を勝手に出されるのが心配なときは不受理申出を使う

不受理申出とは、本人の意思にもとづかない離婚届などの届出が受理されるのを防ぐための制度です。相手が離婚届を用意していて、自分の知らない間に出されないか心配なときに使えます。

円満調停が話し合いの場をつくる制度なのに対し、不受理申出はあなたの立場を守るための制度です。法務省の案内では、協議離婚の届出も対象とされています。申し出ておけば、あなたが同意していない離婚届が受理されるのを防ぐことができます。

手数料はかからず、申し出た本人が取り下げないかぎり有効とされています。手続きは市区町村の役所の窓口で行えますので、くわしい方法は役所に確認してください。

ここで知っておいてほしいのは、不受理申出は、相手の離婚の気持ちを変えたり、離婚そのものをずっと止めたりする制度ではないということです。あくまで、あなたの意思にもとづかない離婚届が勝手に受理されるのを防ぐためのものです。

それでも、不受理申出をしておくと、勝手に出されたらどうしようという不安を手放すことができます。気持ちに余裕が生まれることで、焦らずに関係修復のステップに取り組めるようになります。

6-3.身の危険を感じるときは関係修復より安全を優先する

最後に、とても大切なことをお伝えしておきます。それは、関係修復よりも、あなたの安全が先ということです。

既読無視だけで、相手に暴力のおそれがあると決めつけることはできません。ただ、これまでに暴力をふるわれたことがある、大声でどなられて怖い思いをしている、物を投げられたことがあるという場合は、話が別です。

内閣府男女共同参画局のまとめによると、令和6年度に全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられた相談は127,796件にのぼります。夫婦間の暴力に悩んでいるのは、決してあなた一人ではありません。

暴力やおどしがある状態で、無理に関係修復を目指すのはとても危険です。まずは安全な場所を確保し、配偶者暴力相談支援センターなどの専門の窓口に相談してください。体への暴力だけでなく、言葉による強いおどしなども相談することができます。

あなたが安全で、心が守られていることが、どんな未来を選ぶにしても一番の土台になります。

7.離婚したいと言われた後の既読無視でよくある質問

ここからは、離婚したいと言われた後の既読無視について、よくいただく質問にお答えしていきます。

7-1.既読無視はどのくらい続くものですか?

既読無視がどのくらい続くかは人によって違うため、期間だけで判断しないことが大切です。期間よりも見てほしいのは、必要な連絡に応じてくれているか、あいさつや態度に小さな変化があるかどうかです。

数日で返事が来ることもあれば、数か月続くこともあります。それでも、追いLINEを控え、一人から始める関係修復のステップを続けていると、相手の警戒はゆっくりとけていきます。

返事が来ない間も、あなたの変化は相手にちゃんと伝わっています。期間を数えて落ちこむより、今日できることに目を向けてください。

7-2.ブロックされたら、もう関係修復はできませんか?

ブロックされたからといって、関係修復ができなくなったわけではありません。

ブロックは、相手がそれだけ追いつめられていたり、今は一人になりたいと強く思っていたりするサインです。この段階で別のSNSやメールから連絡したり、共通の知人を通じて連絡を迫ったりすると、相手の警戒心はさらに強まります。

まずは連絡を控え、相手の気持ちが落ち着くのを待ってください。同居しているならふだんの態度で、別居中なら子どもの受け渡しなど直接関わる場面で、穏やかに接し続けることが大切です。時間がたって、ブロックが解除されたり、相手から連絡が来たりすることもあります。

7-3.子どもの用事や誕生日なら連絡してもいいですか?

子どもに関する用事であれば、連絡すること自体は問題ありません。学校のことや体調のことは、親として共有する必要があるからです。ただし、ついでに離婚のことや相手の気持ちを確かめる話を入れると、子どもを口実に使っていると受け取られてしまいます。

伝える内容は短く、事実だけにします。たとえば「〇〇の個人面談、来週の木曜15時に決まったよ。来られそうなら教えてね。」のように、必要なことだけを伝えれば十分です。

相手の誕生日や結婚記念日も、短いお祝いの一言なら送って構いません。ただし、思い出話や、もう一度やり直したいという気持ちを添えるのは避けてください。特別な日ほど、相手は重さを感じやすいからです。

8.既読無視から関係修復までの道のり|1年〜1年半の流れ

既読無視から関係修復までは、1年から1年半ほどをかけて、3つの時期を経て進むのが現実的な流れです。状況によってはもっと早く変化が出ることもありますが、少なくとも1年はかかると考えておいてください。

全体の流れを表にまとめると、次のようになります。今あなたがどの時期にいるのかを確かめながら見てください。

▼既読無視から関係修復までの流れ
時期 あなたが取り組むこと 順調のサイン やりがちな失敗
最初の3か月 ・不安な気持ちを落ち着かせる
・本当の理由を振り返る
・あいさつと感謝を始める
スマホを確認する回数が減り、落ち着いて過ごせる日が増える 反応のなさにたえきれず、長いメッセージを送る
3か月〜1年 ・態度と言葉を少しずつ変える
・安心できる距離感を保つ
スタンプやあいさつの返事、何気ない会話が戻る 一気に距離をつめ、離婚の話を持ち出す
1年〜1年半 相手の気持ちを最後までさえぎらずに聞く 相手から話しかけてくる、相談ごとをされる 自分の言い分やつらかった気持ちを先にぶつける
※時期はあくまで目安です。良くなったり戻ったりをくり返しながら進むのが自然な流れです

本当に関係修復なんてできるのだろうかと思っている方もいるかもしれません。ここからは、それぞれの時期について詳しくお伝えしていきます。

8-1.最初の3か月:沈黙を受け止めて自分を整える時期

最初の3か月は、相手の沈黙を受け止め、あなた自身を整える時期です。

この時期は、相手からの返事はほとんどないかもしれません。LINEは既読無視、家の中でも必要最低限の会話だけという状態が続くこともあります。

けれど、この時期こそ関係修復の土台をつくる大切な時間です。不安な気持ちを落ち着かせることと、離婚を切り出された本当の理由を振り返ることに取り組んでいきます。あいさつや感謝の言葉など、家の中での小さな変化もこの時期から始めます。

この時期に順調だと言えるサインは、相手の変化ではなく、あなたの変化です。スマホを確認する回数が減り、相手の反応がなくても落ち着いて過ごせる日が増えていれば、正しく進んでいます。

反対に、この時期にやりがちな失敗は、反応のなさにたえきれず、また長いメッセージを送ってしまうことです。変化が見えない時期にやめずに続けられるかどうかが、その後の流れを大きく左右します。

8-2.3か月〜1年:短いやりとりから会話が戻っていく時期

最初の3か月を乗りこえると、少しずつ変化が見えはじめます。3か月から1年ほどの時期は、短いやりとりから会話が戻っていく時期です。

あなたが落ち着いた態度を続けていると、相手の警戒心が少しずつゆるんでいきます。LINEにスタンプが返ってくる、あいさつに返事が返ってくる、天気や子どもの話など何気ない会話ができるようになる。こうした変化が、この時期の順調なサインです。

この時期にやりがちな失敗は、変化がうれしくて、一気に距離をつめようとしてしまうことです。返事が来たからと長いメッセージを送ったり、離婚の話を持ち出したりすると、相手はまた心を閉ざしてしまいます。

家の中での態度と言葉を少しずつ変えること、相手が安心できる距離感を保つことを続けながら、相手のペースに合わせて会話を増やしていってください。良くなったり、また冷たくなったりと行きつ戻りつするのも、この時期の特徴です。一度冷たくされても、それまでの積み重ねが消えたわけではありません。

8-3.1年〜1年半:夫婦として再び向き合える時期

何気ない会話が戻る時期を経て、1年から1年半ほどたつと、夫婦として再び向き合える時期に入っていきます。

この頃には、ふだんの会話が自然にできるようになります。相手のほうから話しかけてくる、相談ごとを持ちかけてくるといった様子が見られたら、この時期の順調なサインです。ここではじめて、これまでのことや、これからの夫婦の形について、落ち着いて話し合えるようになります。

話し合いでは、相手がどんな気持ちで離婚を切り出したのかを、最後までさえぎらずに聞くことが大切です。この時期にやりがちな失敗は、関係が戻ってきた安心感から、自分の言い分や、つらかった気持ちを先にぶつけてしまうことです。

気持ちを受け止めてもらえたと感じたとき、相手の心にもう一度やり直してみようという気持ちが生まれます。関係を取り戻した夫婦の多くが、以前よりも本音で話せるようになったと口にします。既読無視の時期を乗りこえた経験は、夫婦の絆をより深いものにしてくれるのです。

8-4.既読無視から関係を取り戻した夫婦の実例

最後に、既読無視の時期を乗りこえて関係を取り戻した夫婦の実例をご紹介します。

40代の妻Aさんは、ある日突然、夫から離婚したいと告げられました。その日から夫はLINEに返事をしなくなり、Aさんは毎晩のように長文の謝罪を送り続けていました。既読はつくものの、返事は一度もありませんでした。

カウンセリングに来られたAさんは、まず謝罪のLINEをやめ、自分の気持ちを整えることから始めました。振り返りを進めるうちに、夫の話を最後まで聞かず、いつも自分の正しさを押しつけていたことに気づいたそうです。

それからAさんは、毎日のあいさつと、夫がしてくれたことへの感謝を欠かさないようにしました。最初の数か月、夫の態度はほとんど変わりませんでした。それでもAさんは、返事を求めないLINEと穏やかな態度を続けました。

半年ほどたった頃、Aさんが送った子どもの写真に、夫から「いい顔してるな」と短い返事が届きました。そこから少しずつ会話が戻り、1年3か月ほどたった頃、夫のほうから「もう一度ちゃんと話したい」と言ってくれたそうです。

今では、週末に家族で出かけるようになりました。夫からは「あの頃の君の変わり方を見て、もう一度やり直したいと思った」と言われたそうです。

Aさんの例から分かるのは、相手の協力がなくても、一人が変わり続けることで関係は動き出すということです。そして、そのために1年以上の時間がかかっても、決して遅くはないということです。

おわりに

ここまで、離婚したいと言われた後に既読無視をされたときの対処法についてお伝えしてきました。最後に、大切なポイントを振り返っておきます。

この記事のポイント
  • 既読がつくのは、相手があなたの言葉を読んでいるサイン
  • 既読無視だけで、相手の離婚の本気度は判断できない
  • 追いLINEや長文LINE、くり返しの謝罪は逆効果
  • 返信を求めない短いLINEが、相手の心をゆるめる
  • 返事を待つ間に、一人から始める4つのステップで自分を変えていく
  • 話し合いができないときは、円満調停や不受理申出という選択肢もある
  • 関係修復には1年〜1年半ほどの時間をかけるのが現実的

読み終えた今、何から始めればいいか迷っているなら、まずは次の3つから始めてください。どれも今日からできることです。

今日からできる最初の一歩
  1. LINEの通知をオフにする
  2. 不安な気持ちをノートに書き出す
  3. 次のあいさつを自分からする

それぞれのポイントをお伝えします。

1.LINEの通知をオフにする

通知が鳴るたびに心が揺れる状態から、まず抜け出します。確認する時間を自分で決めるだけで、返事に振り回される時間は大きく減ります。

2.不安な気持ちをノートに書き出す

相手に送りたくなった言葉は、LINEではなくノートに書いてください。気持ちが整理され、追いLINEを防ぐことにもつながります。

3.次のあいさつを自分からする

同居中なら、次に顔を合わせたときのあいさつを、返事を期待せずに自分からしてみてください。別居中なら、次に送る連絡を短く穏やかな言葉にすることが、その一歩になります。

返事が来ない毎日は、本当につらいものです。けれど、既読無視の時期は、あなたが変わるための大切な準備期間でもあります。今日踏み出す小さな一歩が、1年後の夫婦の姿を変えていきます。

もし一人で抱えきれないと感じたら、どうか一人で悩み続けないでください。私たちのカウンセリングは、夫婦二人で来ていただくものではなく、悩んでいる妻か夫のどちらか一方が、パートナーには内緒で相談に来られる形です。あなたが踏み出す勇気ある一歩を、全力でサポートします。

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