不倫の慰謝料を請求された…離婚したくない人が最初にやるべきこと|1万組を支えた専門家が教える信頼回復

不倫が配偶者に知られ、慰謝料を請求された今、頭の中は不安と後悔でいっぱいだと思います。お金のことも心配ですが、それ以上に、このまま家族を失ってしまうのではないかという恐怖で、夜も眠れずにいるのではないでしょうか。

まず最初にお伝えしておきます。慰謝料を請求されたからといって、離婚が決まったわけではありません。法律の上でも、慰謝料と離婚は別々の問題として扱われています。

私は夫婦関係修復コーチとして20年以上、1万組を超えるご夫婦の関係修復をサポートしてきました。その中には、不倫をした側の方が一人で先に変わり始め、1年から1年半かけて、もう一度夫婦として歩み始めたケースが数多くあります。

ただし、慰謝料を請求された直後の対応を間違えると、関係修復の道が一気に細くなってしまいます。逆に言えば、今この瞬間からの行動しだいで、未来は十分に変えられるということです。

この記事では、慰謝料請求への正しい向き合い方から、配偶者に拒絶されていても一人で始められる信頼回復の方法まで、順を追ってお伝えしていきます。

この記事で分かること
  • 慰謝料を請求されても離婚は避けられる理由
  • 慰謝料を請求された直後にやるべきことと、やってはいけないこと
  • 弁護士に相談したほうがよいケースと相談するときの注意点
  • 離婚を避けるために今日から始める初動の3ステップ
  • 配偶者に拒絶されていても一人から始められる信頼回復の行動
  • 不倫の発覚から1年半で夫婦関係を修復した実例

目次

1.不倫の慰謝料を請求されても離婚は避けられる|最初に知るべき基本

結論からお伝えすると、不倫の慰謝料は配偶者の心の苦しみをつぐなうためのお金であり、離婚の手続きではありません。そして、慰謝料を払ったからといって、配偶者に許されたことにもなりません。

慰謝料を請求されると、もう離婚しかないと思い込み、焦って間違った行動をとってしまいがちです。まずは慰謝料と離婚の関係、そして慰謝料と許しの違いを正しく知ることが、落ち着いて行動するための土台になります。

1-1.慰謝料の請求と離婚は別々の問題

慰謝料を請求されることと、離婚することは、まったく別の問題です。慰謝料を払ったから離婚になるわけでも、払わなかったから離婚を避けられるわけでもありません。

その理由は、慰謝料の性質にあります。裁判所は、不貞行為を理由とする慰謝料について、相手の不法行為によって受けた心の苦しみをつぐなうための損害賠償だと説明しています(出典:裁判所「裁判手続 家事事件Q&A」)。つまり慰謝料とは、配偶者が受けた心の痛みに対するつぐないであり、離婚の手続きそのものではないのです。

実際に、離婚をせずに夫婦関係を続けながら、慰謝料の問題だけを話し合いで解決するご夫婦はたくさんいます。夫婦が同じ家計で暮らし続ける場合、慰謝料の金額や支払い方法を、生活に合わせて柔軟に決めることも珍しくありません。

ただし、請求をお金の問題としてだけ受け止めるのは危険です。請求の背景には、配偶者がそれだけ深く傷ついているという気持ちがあります。この受け止め方の違いが、その後の関係修復を大きく左右します。

1-2.不貞慰謝料と離婚慰謝料の違い

同じ慰謝料という言葉でも、不貞慰謝料と離婚慰謝料は意味が異なります。不貞慰謝料とは、不倫という行為そのものによって配偶者が受けた心の苦しみに対する慰謝料です。一方の離婚慰謝料とは、不倫などが原因で離婚せざるを得なくなったことによる苦しみに対する慰謝料です。

この区別は、法律の上でもはっきりしています。最高裁判所も、2026年6月5日の判決の中で、不貞行為そのものを理由とする慰謝料と、夫婦を離婚に至らせたことを理由とする慰謝料を、異なるものとして整理しています(出典:最高裁判所第二小法廷判決 令和7年(受)第933号)。

この違いを知ると、離婚しないまま慰謝料の問題を解決する道があることがよく分かります。今あなたが向き合っているのは、多くの場合、不倫そのものに対する慰謝料です。離婚を前提にした話ではないのです。

一般的に、離婚をしない場合の慰謝料は、離婚する場合よりも低くなる傾向があると言われています。離婚という結果が生じていない分、苦しみの大きさの評価が変わるためです。ただし、金額は個別の事情で大きく変わるため、自分で決めつけないことが大切です。

1-3.慰謝料を払っても許されたことにはならない理由

ここまでお伝えしたように、法律の上では、慰謝料と離婚は別の問題として扱われます。ただ、関係修復を目指すあなたにとっては、もう一つ知っておくべき大切な区別があります。それは、慰謝料を払うことと、配偶者に許されることは別物だということです。

慰謝料を払ったことで、あなたは法律上のつぐないを果たしたことになるかもしれません。しかし、配偶者の心の傷は、お金で消えるものではありません。信頼を裏切られた痛みは、毎日の生活の中で何度もよみがえってくるものです。

よくある失敗は、支払いを終えたことで気持ちの区切りをつけてしまうケースです。例えば、配偶者が不倫のことを持ち出したときに、次のように返してしまう方がいます。

「慰謝料も払ったんだから、もういいだろ」

この一言は、配偶者にとって、自分の苦しみをお金で片付けられたと感じさせる言葉です。せっかく支払いをしても、この一言で信頼回復の努力が振り出しに戻ってしまいます。

本当の意味での関係修復は、支払いとは別に、あなたの日々の姿勢と行動によって進んでいくものです。

2.慰謝料を請求された直後にやるべきこと・やってはいけないこと

慰謝料と離婚が別の問題だと分かったところで、次は、請求を受けた直後に具体的にどう動けばよいのかをお伝えしていきます。この時期は気持ちが乱れやすく、後から取り返しのつかない判断をしてしまいやすい時期です。

ここで大切なのは、法律の上で自分を守ることと、配偶者との関係を守ることを両立させる視点です。どちらか一方だけを考えると、どちらもうまくいかなくなってしまいます。まずは全体像を、次の早見表で確認してください。

▼慰謝料を請求された直後の対応早見表
場面 やること やってはいけないこと
請求書が届いたとき ・請求者、金額、期限、書かれた事実を確かめる ・請求を無視する
・期限を放置する
示談書や合意書を出されたとき ・内容を守るために持ち帰って確認したいと伝える ・内容をよく読まずにその場でサインする
配偶者と向き合うとき ・言い訳をせずに謝り、怒りを受け止める ・書かれた事実に感情的に反論する
不倫相手の配偶者から請求されたとき ・書面や専門家を通してやりとりする ・一人で直接会いに行く
判断に迷ったとき ・離婚は避けたいと伝えたうえで専門家に相談する ・不安から一人で決めてしまう
※それぞれの理由と具体的な方法は、この後の小見出しで詳しくお伝えします

2-1.請求を無視せずに内容と金額を確かめる

慰謝料を請求されたとき、最初にやってはいけないのが、請求を無視することです。内容証明郵便などで正式に請求が届いた場合、何の返事もしないままでいると、裁判を起こされるなど、事態がより深刻になるおそれがあります。

そして、配偶者からの請求を無視することは、法律上のリスクだけでなく、関係修復の面でも大きなマイナスになります。配偶者から見れば、無視は誠意がない態度そのものであり、怒りや不信感をさらに強めてしまうからです。

請求を受け取ったら、まずは落ち着いて、次の4つを確かめてください。

請求を受け取ったら確かめる4つのポイント
  • 誰の名前で請求されているか
  • 請求額はいくらか
  • 支払いの期限はいつか
  • どんな事実が書かれているか

それぞれ詳しく見ていきます。

誰の名前で請求されているか

配偶者本人からの請求なのか、配偶者が依頼した弁護士からの請求なのかは、とても重要です。弁護士からの請求であれば、配偶者が本気で法的な手続きを考えている可能性があるため、こちらも慎重な対応が必要になります。

請求額はいくらか

請求額は、家計への影響を考えるうえで欠かせない情報です。金額を見て驚いたとしても、その場で払えるかどうかを決めつけず、まずは正確に把握することに集中してください。妥当かどうかの判断は、後から専門家と一緒に行えば大丈夫です。

支払いの期限はいつか

請求書には、支払いや返事の期限が書かれていることがよくあります。期限を確認したら、それまでに返事や専門家への相談ができるよう、すぐに予定を立ててください。

どんな事実が書かれているか

請求書には、不倫の期間や内容など、配偶者が把握している事実が書かれています。内容を確かめるときは、書かれた事実に一つひとつ反論するような態度は避けてください。事実と違う部分があっても、後で冷静に話し合うか、専門家に相談して整理するのが賢明です。

ここで一つ、知っておいてほしい法律上の論点があります。不倫が始まる前から夫婦関係がすでに破綻していた場合、慰謝料を支払う責任が認められなかったり、金額が下がったりすることがあります。

しかし、離婚したくないあなたが、夫婦関係はもう壊れていたと主張するのは、自分の本心と正反対のことを言うのと同じです。配偶者は、二人の結婚生活そのものを否定されたと感じ、修復の道を自ら閉ざしてしまうことになりかねません。

慰謝料の金額を下げることと、夫婦関係を守ることのどちらを優先するのか。この判断に迷ったときこそ、離婚は避けたいという目的に立ち返ってください。

2-2.示談書や合意書にその場でサインしない

内容を確かめるのと同じくらい大切なのが、示談書や合意書を差し出されても、その場でサインしないことです。罪悪感から、少しでも早く償いたい一心で、内容をよく読まずにサインしてしまう方は少なくありません。

示談書や合意書には、慰謝料の金額だけでなく、さまざまな条件が書かれていることがあります。例えば、支払えないほど高い金額、約束を破ったときの重い違約金、さらには離婚を前提とした条件が含まれていることもあります。

一度サインをすると、後から内容を変えるのはとても難しくなります。支払えない金額を約束してしまえば、家計が苦しくなり、結果的に夫婦関係をさらに悪くしてしまうこともあるのです。

とはいえ、サインを断る言い方しだいでは、配偶者に反省していないと受け取られてしまいます。そこで、サインを保留したいときは、例えば次のように伝えてみてください。

「書いてあることを、ちゃんと守りたいと思ってる。だからこそ、軽い気持ちでサインしたくないんだ。一度持ち帰って、しっかり読ませてほしい」

このように、内容を守る意思があるからこそ慎重になっていると伝えれば、誠意を示しながら時間をもらうことができます。大切なのは、逃げるためではなく、約束を本気で守るために確認するという姿勢です。

2-3.不倫相手の配偶者からも請求された場合の注意点

ここまでは、自分の配偶者から請求された場合についてお伝えしてきました。不倫相手も既婚者だった場合は、不倫相手の配偶者からも慰謝料を請求されることがあります。このとき特に気をつけたいのは、求償権の扱いと、一人で直接会わないことの2点です。

まず求償権についてです。不倫は、あなたと不倫相手の二人で行ったものとして扱われます。そのため、不倫相手の配偶者に慰謝料を支払った場合、あなたは不倫相手に対して、負担の一部を返すように求める権利を持つことがあります。これを求償権と言います。

この求償権は、あなたの家庭にも関係してきます。例えば、あなたの配偶者が不倫相手から慰謝料を受け取ったとしても、不倫相手があなたに求償権を使えば、結局は家計からお金が出ていくことになりかねません。

こうした事態を避けるために、示談の際に求償権を使わないという取り決めをする方法もあります。ただし、内容が専門的になるため、自分だけで判断せず、専門家に相談しながら進めることをおすすめします。

もう一つは、不倫相手の配偶者と一人で直接会わないことです。やりとりは感情的になりやすく、直接会うと話がこじれたり、思わぬトラブルに発展したりするおそれがあります。やりとりは書面や専門家を通して行うほうが安全です。

2-4.弁護士に相談したほうがよい3つのケース

ここまで読んで、自分のケースは専門家に相談したほうがいいのだろうかと迷っている方もいると思います。すべての方が弁護士に相談しなければいけないわけではありませんが、次のようなケースでは、早めの相談をおすすめします。

弁護士に相談したほうがよい3つのケース
  1. 配偶者が弁護士を立ててきた場合
  2. 請求額や条件が自分では判断できない場合
  3. 不倫相手の配偶者からも請求されている場合

それぞれ詳しく見ていきます。

配偶者が弁護士を立ててきた場合

配偶者が弁護士を通して請求してきた場合、相手は法律の専門家の助けを借りて交渉を進めてきます。こちらが知識のないまま対応すると、不利な条件をそのまま受け入れてしまうおそれがあります。また、配偶者が離婚も視野に入れている可能性があるため、慎重な対応が欠かせません。

請求額や条件が自分では判断できない場合

請求額が妥当なのか、示談書の条件に問題がないのかは、法律の知識がないと判断が難しいものです。特に、家計に大きな影響が出るほどの金額や、重い違約金が含まれている場合は、一人で判断しないほうが安全です。

ここで判断を誤ると、支払いの負担が長く続き、家庭の中に新たな不満や不安を生む原因になってしまいます。無理のない解決策を、専門家と一緒に探すことが大切です。

不倫相手の配偶者からも請求されている場合

2-3でお伝えしたとおり、請求が二つの家庭にまたがると、求償権なども関わってきて、問題が一気に複雑になります。一つひとつの判断がもう一方の請求にも影響するため、全体を見ながら進められる専門家の存在が欠かせません。

ここまでの3つのケースのどれにあてはまる場合でも、弁護士に相談するときは、最初に離婚は避けたいという希望をはっきり伝えてください。その希望を伝えずにいると、法的に有利かどうかだけを基準に、配偶者と争う方向で話が進んでしまうことがあるからです。

3.離婚を避けるために今日から始める初動の3ステップ

慰謝料への対応と並行して、今すぐ始めてほしいのが、離婚を避けるための初動です。慰謝料の問題がどれだけうまく片付いても、配偶者の心が離れたままでは、夫婦関係を続けることはできません。

不倫の発覚直後は、配偶者があなたの言葉に耳を貸してくれないこともあるでしょう。しかし、この時期の行動こそが、その後の1年から1年半の関係修復の土台になります。ここでは、配偶者の協力がなくても、あなた一人で今日から始められる3つのステップをお伝えします。

離婚を避けるための初動の3ステップ
  • 【Step1】言い訳をせずに心から謝る
  • 【Step2】不倫相手との関係を完全に断ち切る
  • 【Step3】誓約書を信頼回復の第一歩として受け入れる

ここから、一つずつ詳しくお伝えしていきます。

3-1.【Step1】言い訳をせずに心から謝る

最初のステップは、言い訳をせずに心から謝ることです。当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実はここでつまずく方がとても多いのです。

よくある失敗は、謝りながら理由を説明してしまうことです。例えば、寂しかったから、家庭で居場所がなかったから、といった言葉です。あなたにとっては事情の説明のつもりでも、配偶者には責任を自分に押しつけられたように聞こえてしまいます。

では、どのように謝ればよいのでしょうか。心からの謝罪には、次の3つの要素が欠かせません。

心からの謝罪に欠かせない3つの要素
  1. 自分のしたことをはっきり認める
  2. 配偶者の苦しみを理解しようとする
  3. これからどう行動するかを伝える

これらを含んだ謝罪が、配偶者の心に届きやすくなります。具体的には、例えば次のような伝え方です。

「僕は、あなたを裏切ることをしてしまった。言い訳はできない。毎日、どれだけつらい思いをさせているかと思うと、本当に申し訳ない。許してほしいとは言えないけど、これから行動で示していきたいと思ってる」

ここでは夫の立場の例を挙げましたが、妻の立場で謝る場合も、伝えるべき3つの要素は同じです。大切なのは、きれいな言葉を並べることではなく、あなた自身の言葉で語ることです。

そのために、謝る前に次のワークシートで、自分の気持ちを紙に書き出して整理してみてください。頭の中だけで考えるよりも、言い訳が混ざっていないかを自分で確かめやすくなります。

▼謝罪の準備ワークシート
書き出す内容 考えるときのヒント
1.自分のしたこと ・何をして、どんな約束を破ったのか
・理由や事情は書かない
2.配偶者の苦しみ ・知ったとき、どんな気持ちになったと思うか
・今、毎日どんな思いで過ごしていると思うか
3.これからの行動 ・明日から具体的に何を変えるのか
・守れない約束は書かない
※書き出した内容に、だって、でも、という言葉が入っていたら、それは言い訳になっているサインです

このとき大切なのは、許してほしいと求めすぎないことです。許すかどうかを決めるのは配偶者であり、あなたが急かすことはできません。謝罪の目的は許しを得ることではなく、自分の過ちに真剣に向き合っている姿勢を伝えることです。

また、謝罪は一度で終わるものではありません。配偶者が何度怒りをぶつけてきても、そのたびに逃げずに受け止め続けることが、少しずつ信頼を取り戻す力になっていきます。

3-2.【Step2】不倫相手との関係を完全に断ち切る

謝罪と同時に行わなければならないのが、不倫相手との関係を完全に断ち切ることです。謝罪の言葉がどれだけ誠実でも、不倫相手との関係が少しでも残っていれば、その言葉はすべて信じてもらえなくなります。

関係を断ち切るときは、二人きりで会わないことが鉄則です。最後に会って直接話したいという気持ちがあっても、それは配偶者から見れば、隠れて会っていることと同じです。別れの連絡は、メッセージなどの記録が残る形で、短くはっきりと伝えてください。

可能であれば、別れの連絡をする前に配偶者に内容を見てもらったり、連絡先を削除するところを見てもらったりするのも一つの方法です。配偶者の目の前で行動することで、隠しごとをしないという意思を示すことができます。

不倫相手が同じ職場にいる場合は、すぐに完全に離れるのが難しいこともあるでしょう。その場合でも、仕事上の必要な会話以外はしない、二人きりにならないといった線引きをはっきりさせ、その方針を配偶者に正直に伝えておくことが大切です。

関係を断ち切ったことを、言葉だけでなく行動で示し続けること。それが、配偶者の不安を少しずつ和らげていく唯一の方法です。

3-3.【Step3】誓約書を信頼回復の第一歩として受け入れる

不倫相手との関係を断ち切ったら、最後のステップとして、誓約書を信頼回復の第一歩として受け入れることが大切です。配偶者から誓約書を求められた場合、それを拒むのではなく、前向きに受け止めてください。

誓約書は、二度と不倫をしないことや、不倫相手と連絡を取らないことなどを、書面で約束するものです。自分を縛るものだと感じるかもしれませんが、配偶者にとっては、あなたを信じたいけれど信じきれない苦しさの中で、何とか前に進もうとする手段なのです。

ただし、先ほどお伝えした示談書と同じく、内容はしっかり確認してください。例えば、守ることが現実的に難しい約束や、払いきれないほどの違約金が書かれている場合は、そのまま受け入れるのではなく、冷静に話し合うことも必要です。

誓約書を書いたら、それを守り続けることで、配偶者の信頼を一つずつ取り戻していくことができます。紙に書かれた約束を、毎日の行動で本物にしていくこと。それこそが、誓約書の本当の意味なのです。

4.配偶者に拒絶されていても一人から始められる信頼回復の行動

謝罪をし、不倫相手との関係を断ち切り、誓約書も受け入れた。それでも、配偶者の態度がすぐにやわらぐことはほとんどありません。口をきいてもらえない、目も合わせてもらえないという状態が続くこともあるでしょう。

私はこれまで、不倫をした側の方の相談を数多く受けてきました。その中で、関係を修復できた方には、はっきりとした共通点があります。それは、配偶者の反応ではなく、自分の行動に意識を向け続けたことです。

なぜなら、配偶者の気持ちは、あなたが変えようとして変えられるものではないからです。反応に一喜一憂していると、冷たくされるたびに心が折れ、行動が続かなくなります。一方で、自分の行動は、今日からあなた一人で変えることができます。

この章では、配偶者の協力がなくても始められる信頼回復の行動を、配偶者の心の理解から順にお伝えしていきます。

4-1.配偶者の怒りと苦しみの正体を理解する

配偶者の怒りの正体は、深い悲しみと不安です。怒りは、そうしたつらい気持ちから自分の心を守るための、いわば鎧のようなものなのです。ここを理解しないまま行動すると、どれだけ努力しても空回りしてしまいます。

不倫をされた側は、一番信じていた人に裏切られたことで、自分には価値がないのではないかと感じたり、これまでの思い出がすべて嘘だったように思えたりします。さらに、これからの生活がどうなるのか分からない不安や、また裏切られるかもしれないという恐怖も抱えています。

だからこそ、激しい言葉をぶつけられても、言い返したり自分を守ろうとしたりするのは逆効果です。

一方で、怒りをまったく見せない配偶者もいます。責めることもなく、淡々と日常をこなしているように見えると、思ったより傷ついていないのかもしれないと安心してしまう方がいます。

しかし、無言や無関心は、もうこの人に何を言っても仕方がないという、心が離れかけているサインであることが少なくありません。中には、静かに離婚の準備を進めている場合もあります。怒りを見せないからこそ、より丁寧に向き合う必要があるのです。

配偶者の怒りも沈黙も、あなたを責める攻撃としてではなく、傷ついた心の表れとして受け止めること。この受け止め方ができるようになるだけで、あなたの態度は自然と変わり、それが配偶者にも少しずつ伝わっていきます。

4-2.フラッシュバックが起きたときの向き合い方

配偶者の苦しみを理解したうえで、次に知っておいてほしいのが、フラッシュバックへの向き合い方です。原則は、言い訳をせずに気持ちを受け止めること、そして質問には正直に答えながらも、聞かれていないつらい詳細までは話さないことです。

フラッシュバックとは、不倫をされた側が、ある日突然当時のつらい気持ちを思い出し、激しく取り乱してしまう状態です。きっかけは、あなたのスマホの通知音、帰りが遅い日、不倫があった時期と同じ季節など、日常のささいな出来事です。何か月もたってから、急に同じ質問を繰り返すこともあります。

ここで多くの方がしてしまう失敗が、またその話かという態度を見せることです。あなたにとっては何度も話したことでも、配偶者にとっては、そのたびに傷口が開いている状態です。うんざりした態度は、その傷をさらに深くしてしまいます。

例えば、配偶者が夜中に急に泣き出したときは、次のように声をかけるのが一つの方法です。

「思い出させてしまって、本当にごめん。つらかったら、いくらでも話して。ちゃんと聞くから」

特に答えに詰まりやすいのが、なぜあんなことをしたのかという質問です。このときの判断基準は、配偶者や家庭のせいにせず、自分の心の弱さとして語ることです。分からないと答え続けるのも、向き合うことから逃げているように見えてしまいます。

例えば、寂しさや不満を口にせず、楽なほうへ逃げてしまったなど、原因を自分の問題として言葉にしてください。原因を自分の中に見つけられた人だけが、同じことを繰り返さないと配偶者に信じてもらえるのです。

フラッシュバックは、時間とともに少しずつ回数が減っていくものです。そのたびに誠実に向き合い続けた経験が、やがて配偶者の中で、この人は本当に変わったという確信へと変わっていきます。

4-3.毎日の小さな行動で誠実さを積み重ねる

フラッシュバックへの向き合い方と同じくらい大切なのが、毎日の小さな行動の積み重ねです。不倫で失った信頼は、大きな約束や特別なプレゼントではなく、ささいな行動の繰り返しによって少しずつ戻っていきます。

具体的には、次のような行動を今日から続けてみてください。

誠実さを積み重ねる毎日の行動
  • 帰りが遅くなるときは事前に連絡する
  • 言った時間に帰る
  • スマホを隠さない
  • 家事や育児を自分から引き受ける

それぞれ詳しく見ていきます。

帰りが遅くなるときは事前に連絡する

不倫をされた側にとって、相手の帰りが遅い時間は、また誰かと会っているのではないかという不安がふくらむ時間です。遅くなると分かった時点で、理由と帰る時間を伝えるだけで、配偶者の不安は大きく減ります。

言った時間に帰る

連絡した時間どおりに帰ることは、小さな約束を守る練習でもあります。言ったことと行動が一致する経験を重ねることで、配偶者はあなたの言葉を少しずつ信じられるようになっていきます。

スマホを隠さない

スマホを伏せて置いたり、ロックを厳しくしたりすると、配偶者は何かを隠していると感じてしまいます。画面を見られても困らない状態を保ち、求められれば見せるくらいの姿勢でいることが、安心につながります。

家事や育児を自分から引き受ける

頼まれる前に家事や子どもの世話を引き受けることは、家庭を大切にしているという気持ちを形で示すことにつながります。配偶者の負担が軽くなることで、心にも少しずつ余裕が生まれていきます。

これらの行動を続けていると、反応が返ってこないことにいら立ち、こんなに頑張っているのにと口にしてしまう方がいます。この一言で、配偶者は、結局は見返りがほしかったのだと感じてしまい、それまでの積み重ねが崩れてしまいます。

信頼は、配偶者が見ていないところでも同じように行動し続けることで、少しずつ戻ってくるものです。今日一日を誠実に過ごすことを、毎日繰り返す。その地道な積み重ねこそが、関係修復への一番の近道です。

不倫が発覚した後の信頼回復については、こちらの記事でも詳しくお伝えしています⇒(内部リンク:不倫発覚後に配偶者の信頼を取り戻す方法の記事)

4-4.子どもの前での過ごし方と家庭での役割

お子さんがいるご家庭では、毎日の行動に加えて、子どもの前での過ごし方にも気を配ってください。夫婦の間に何かあったことを、子どもは言葉にしなくても敏感に感じ取っています。

まず大切なのは、子どもの前で夫婦の問題を話し合ったり、言い争ったりしないことです。また、子どもに配偶者の様子を聞いたり、伝言を頼んだりして、夫婦の問題に巻き込むのも避けてください。子どもに大人の問題を背負わせることになってしまいます。

そのうえで、親としての役割はこれまで以上に丁寧に果たしてください。一緒に食事をする、宿題を見る、話を聞くといった日常の関わりを大切にすることで、家庭の中に少しずつ安心感が戻ってきます。

もう一つ大切なのが、子どもの前で配偶者を大切にする姿勢を見せることです。配偶者が冷たい態度をとっていても、子どもの前で不満を口にしたりせず、穏やかに接してください。

子どもが安心して笑顔で過ごしている姿は、配偶者にとっても大きな安心材料になります。あなたが家族全体を大切にしている姿は、言葉以上に配偶者の心に届いていくのです。

5.離婚を切り出されても話し合いの道を残す方法

離婚を切り出されても、話し合いの道を残す方法はあります。それが、離婚届不受理申出、夫婦関係調整調停(円満)、そして夫婦関係の専門家への相談の3つです。

ここまでお伝えしてきた信頼回復の行動には、どうしても時間がかかります。その間に配偶者から離婚を強く切り出され、慌てて行動すると、取り返しのつかない結果を招いてしまうことがあります。

5-1.離婚届を勝手に出されないための備え

離婚を切り出されたときに、まず知っておいてほしいのが、離婚届不受理申出という制度です。これは、あなたが知らないうちに離婚届が役所に出され、受理されてしまうことを防ぐための手続きです。

離婚届は、夫婦の一方が勝手に記入して提出しても、書類に不備がなければ受理されてしまうことがあります。また、激しい話し合いの中で、勢いでサインをしてしまうケースも少なくありません。不受理申出をしておけば、あなた本人が窓口で意思を確認されない限り、離婚届は受理されません。

手続きは、市区町村の役所の窓口で行います。本人確認書類などが必要になるため、事前に役所に確認してから出向くと安心です。一度出しておけば、自分で取り下げるまで効力が続きます。

ただし、この制度はあくまで、感情が高ぶった勢いで離婚が決まってしまうことを防ぐためのものです。配偶者を縛りつけるための道具ではありません。また、不倫は法律で定められた離婚の原因の一つにあたるため、配偶者が裁判を起こせば、離婚が認められる可能性もあります。

つまり、不受理申出で守れるのは、話し合いのための時間だけです。その時間の中で配偶者の心を取り戻せるかどうかは、あなたのこれからの行動にかかっています。

離婚届へのサインを求められたときの対応については、こちらの記事で詳しくお伝えしています⇒(内部リンク:離婚届へのサインを求められたときの対処法の記事)

5-2.夫婦関係調整調停(円満)という選択肢

不受理申出で時間を確保したうえで、もう一つ知っておいてほしいのが、家庭裁判所の夫婦関係調整調停(円満)です。これは、夫婦関係をやり直すために、第三者を交えて話し合う手続きです。

裁判所は、夫婦関係調整調停について、離婚と円満の2種類を案内しています。このうち円満の調停は、夫婦関係を円満にするために話し合う手続きです(出典:裁判所「夫婦関係や男女関係に関する調停」)。

この調停は、夫婦のどちらからでも申し立てることができ、不倫をした側から申し立てることも可能です。申し立て先は、原則として相手の住所地を受け持つ家庭裁判所になります。

調停では、家庭裁判所の調停委員という第三者が間に入って、夫婦それぞれの話を聞いてくれます。二人きりでは感情的になって話し合いにならない場合でも、第三者がいることで、落ち着いて気持ちを伝え合える可能性が高まります。

また、裁判所は、離婚するかどうか決めきれていない場合でも夫婦関係調整調停を申し立てることができ、話し合いの結果、離婚ではなくもう一度円満にやり直す方向へ変更することも可能だと説明しています(出典:裁判所「裁判手続 家事事件Q&A」)。

ただし、調停はあくまで話し合いの場であり、配偶者の気持ちを無理に変えるものではありません。調停を申し立てる場合も、配偶者を説得するためではなく、やり直したいという真剣な気持ちを誠実に伝える場として活用することが大切です。

離婚調停を申し立てられた場合の向き合い方については、こちらの記事で詳しくお伝えしています⇒(内部リンク:離婚調停を申し立てられたときの対応の記事)

5-3.一人で抱え込まずに夫婦関係の専門家を頼る

制度を知っておくことと同じくらい大切なのが、一人で抱え込まないことです。不倫をした側は、自分が悪いのだから誰にも相談できないと考え、一人ですべてを背負い込んでしまいがちです。

しかし、罪悪感と不安を抱えたまま一人で頑張り続けると、眠れない、仕事に集中できないといった形で、生活そのものが崩れていきます。その疲れは、配偶者への態度にも表れ、ちょっとした言葉にいら立ったり、投げやりになったりする原因になります。

ここで知っておいてほしいのが、反省と自己否定は別物だということです。自分はだめな人間だと責め続けても、配偶者の傷が癒えるわけではありません。むしろ、誠実な行動を続ける力を奪ってしまいます。必要なのは、自分を責め続けることではなく、これからの行動を変え続けることです。

また、配偶者の怒りやフラッシュバックにどう向き合えばいいのかは、自分一人の経験だけではなかなか分かりません。良かれと思った行動が、かえって配偶者を傷つけてしまうこともあります。

私のカウンセリングは、夫婦関係に悩んでいる妻か夫のどちらか一方だけが、パートナーに知られずに一人で受けられるものです。配偶者が話し合いに応じてくれない状況でも、あなた一人から関係修復を始めることができます。正しい方法を知って行動するほうが、一人で悩み続けるよりも、修復の可能性はずっと高まります。

カウンセリングの詳しい内容は、こちらでご案内しています⇒(リンク:夫婦関係修復カウンセリングのご案内)

6.不倫の発覚から1年半で夫婦関係を修復した実例

ここまで、慰謝料への対応から信頼回復の行動、話し合いの道を残す方法までをお伝えしてきました。とはいえ、本当に関係を修復できるのだろうかと不安に感じている方もいると思います。

そこでこの章では、実際に不倫が発覚し、慰謝料を請求されながらも、1年半かけて夫婦関係を修復した方の実例をご紹介します。ご本人の了承を得たうえで、個人が特定されないよう内容を一部変えています。

6-1.発覚直後〜3か月:拒絶と怒りの中で続けたこと

相談に来られたのは、40代の会社員の男性です。妻と小学生の子ども二人の四人家族でしたが、職場の女性との不倫が妻に知られ、弁護士を通して慰謝料を請求されたうえで、離婚を切り出されていました。

発覚直後の妻は、口をきいてくれず、目も合わせてくれない状態でした。男性は、慰謝料の請求に対しては弁護士に相談し、離婚は避けたいという希望を伝えたうえで、家計に無理のない形での解決を目指しました。

並行して、不倫相手とは記録の残る形で別れを伝え、妻に求められた誓約書にも応じました。そのうえで、言い訳を一切せず、毎日定時に帰宅し、家事や子どもの世話を自分から引き受けるようになりました。

それでも最初の3か月は、妻の態度はほとんど変わりませんでした。男性は何度も心が折れそうになりましたが、カウンセリングで妻の怒りの奥にある苦しみを理解したことで、冷たい態度も受け止められるようになっていきました。

この時期の学びは、配偶者の反応が変わらなくても、行動を続けることそのものに意味があるということです。

6-2.4か月〜1年:少しずつ会話が戻った転機

状況が少しずつ変わり始めたのは、半年ほどたった頃でした。ある夜、妻が突然、当時のことを思い出して泣き出し、なぜあんなことをしたのかと、何度も同じ質問を繰り返しました。

以前の男性であれば、もう何度も話したと言ってしまっていたかもしれません。しかしこのときは、言い訳をせずに最後まで話を聞き、本当にごめん、つらい思いをさせたと謝り続けました。妻は泣きながら、初めて自分の苦しみを言葉にして伝えてくれたそうです。

この夜をきっかけに、妻との間に少しずつ会話が戻ってきました。子どもの学校のことや、その日の出来事など、ささいな話ができるようになり、夕食を家族四人でとる日も増えていきました。

もちろん、その後もフラッシュバックは何度かありました。それでも男性は、そのたびに誠実に向き合い続けました。1年がたつ頃には、妻のほうから、休みの日に家族で出かけようと声をかけてくれるまでになっていました。

この時期の学びは、配偶者が苦しみをぶつけてくる瞬間こそ、関係が動き出す転機になるということです。そのときに逃げずに受け止めた経験が、配偶者の心を開くきっかけになります。

6-3.1年〜1年半:もう一度夫婦として歩み始めるまで

1年を過ぎた頃、男性は妻から、こう言われたそうです。

「正直、まだ全部は許せてない。でも、この1年のあなたを見てきて、もう一回やってみようと思えた」

妻は離婚の話を取り下げ、二人は改めてこれからの家族のあり方について話し合うようになりました。慰謝料についても、家計に無理のない形で取り決めを終え、生活は少しずつ落ち着きを取り戻していきました。

発覚から1年半がたった今、男性は、不倫の前よりも妻と本音で話せるようになったと話しています。妻の気持ちに向き合う中で、自分が以前は家庭の中で妻の話をきちんと聞いていなかったことにも気づいたそうです。

この実例から分かるのは、配偶者が許してくれるのを待つのではなく、自分から変わり続けることで、関係は少しずつ動き出すということです。あなたが一人で先に変わることが、夫婦の未来を変える力になります。

この男性の歩みを、多くのご夫婦に共通する修復の流れとして整理すると、次のようになります。今あなたがどの段階にいるのかを確かめる目安にしてください。

▼不倫発覚後の夫婦関係修復の流れ
時期 配偶者の心の状態 あなたがやるべきこと
発覚直後〜3か月 ・強い怒りや拒絶、または沈黙
・何も信じられない状態
・慰謝料に誠実に対応する
・謝罪と不倫相手との関係清算
・反応を期待せず行動を続ける
4か月〜1年 ・怒りと揺らぎをくり返す
・フラッシュバックが起きやすい
・フラッシュバックを逃げずに受け止める
・小さな約束を守り続ける
・ささいな会話を大切にする
1年〜1年半 ・やり直すかどうかを考え始める
・少しずつ本音を話せるようになる
・これからの夫婦のあり方を話し合う
・気を抜かずに誠実な行動を続ける
※配偶者の傷の深さやそれまでの関係によって、各段階にかかる時間は前後します

7.不倫の慰謝料と離婚回避についてよくある質問

ここでは、不倫の慰謝料を請求され、離婚を避けたいと考えている方から特によくいただく質問にお答えします。

7-1.慰謝料を払えば離婚しなくて済みますか?

残念ながら、慰謝料を払えば離婚を避けられるというわけではありません。慰謝料は配偶者の心の苦しみに対するつぐないであり、払ったからといって配偶者の気持ちが自動的に変わるものではないからです。

ただし、請求に対して誠実に向き合い、無理のない形で解決しようとする姿勢は、配偶者に反省の気持ちを伝える一つの手段になります。慰謝料への対応と、毎日の信頼回復の行動を両方続けていくことで、離婚を避けられる可能性は高まっていきます。

7-2.請求された金額は減らしてもらえますか?

話し合いによって、金額が減ったり、分割での支払いが認められたりすることはあります。慰謝料の金額は、結婚していた期間や不倫の期間、夫婦関係の状況、離婚するかどうかなど、さまざまな事情によって変わるからです。

ただし、配偶者から請求されている場合、金額を減らすことばかりを強く求めると、反省していないと受け取られてしまうおそれがあります。支払いが難しい事情があるときは、正直に伝えたうえで、専門家に相談しながら、家計に無理のない方法を一緒に探す姿勢で話し合うことが大切です。

7-3.配偶者に許してもらえるまでどのくらいかかりますか?

一般的に、不倫による信頼の回復には、少なくとも1年、多くの場合は1年から1年半ほどかかります。配偶者の心の傷の深さや、夫婦のそれまでの関係によっては、さらに時間がかかることもあります。

また、許しは一度で訪れるものではありません。少し関係が良くなったと思っても、フラッシュバックで元に戻ったように感じることもあります。それでも、誠実な行動を続けることで、配偶者の心は波を描きながら少しずつ回復していきます。

各時期に配偶者の心がどう変わり、あなたが何をすべきかは、第6章の修復の流れの表で確認できます。焦らず、長い目で向き合うことが大切です。

おわりに

ここまで、不倫の慰謝料を請求されても離婚を避けるために、知っておくべきことと、今日から始められる行動をお伝えしてきました。最後に、特に大切なポイントを振り返っておきます。

離婚を避けるために大切なポイント
  • 慰謝料の請求と離婚は別々の問題であり、請求されても離婚が決まったわけではない
  • 請求は無視せず、示談書や合意書にはその場でサインしない
  • 慰謝料を払うことと、配偶者に許されることは別物である
  • 言い訳をせずに謝り、不倫相手との関係を完全に断ち切る
  • 配偶者の怒りの奥にある苦しみを理解し、毎日の小さな行動で誠実さを積み重ねる
  • 離婚を切り出されても、話し合いの道を残す制度や選択肢がある

まずは今日、届いた請求書の内容を落ち着いて確かめ、謝罪の準備ワークシートに自分の言葉を書き出してみてください。不倫相手との連絡がまだ残っているなら、それを断つことが最初の一歩です。どれも、配偶者の協力がなくてもあなた一人で始められることです。

不倫をしてしまったという事実は、変えることができません。しかし、これからのあなたの行動は、今日から変えられます。配偶者が今はあなたを拒絶していても、その変化を続けた先に、もう一度家族で笑い合える未来は十分にあります。

もし一人で向き合うことに不安を感じたら、どうか一人で抱え込まずに頼ってください。パートナーに知られずに、あなた一人からご相談いただけます。

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