離婚調停を申し立てられた、離婚したくない——調停を修復の入口に変えた夫婦がやっていたこと

ある日突然、家庭裁判所からの封筒が届く。中を開けると、離婚調停の申し立てという文字が目に飛び込んでくる。頭が真っ白になり、手が震えたという方も少なくありません。

しかし、ここで一つ大切なことをお伝えします。離婚調停を申し立てられても、それは離婚が決まったということではありません。

調停はあくまでも話し合いの場です。あなたが離婚に合意しない限り、調停だけで離婚が成立することはないのです。

私は20年以上にわたり、夫婦関係修復のサポートをしてきました。1万組を超える夫婦の方々と向き合ってきた中で、調停を乗り越えて夫婦関係を修復できたという事例は決して珍しくありません。

今は絶望的な気持ちでいっぱいかもしれません。ただ、正しい知識と今からできる行動があれば、ここからでも向きを変えることはできます。

この記事では、今まさに離婚調停を申し立てられ、それでも離婚したくないと思っているあなたに向けて、まず何をすべきかから、調停中に一人からできる関係修復の実践まで、順番にお伝えします。

この記事で分かること
  • 申し立てを受けた直後に確認すべきこと
  • 初回調停までに準備しておくこと
  • 調停の場でやってはいけない行動
  • 離婚調停の仕組みと調停委員の役割
  • 調停中に一人からできる関係修復の方法

1. 離婚調停を申し立てられたら、まず何をすべきか

受け取った封筒の前で途方に暮れていても、時間だけが過ぎていきます。気持ちが追いつかないのは当然ですが、今一番大切なのは冷静に初動を整えることです。

1-1. 通知書が届いたらすぐに確認すること

家庭裁判所から届く通知には、初回調停の期日(日時・場所)が記載されています。まずこの期日を確認し、スケジュールを確保してください。仕事の都合などでどうしても難しい場合は、早めに家庭裁判所へ連絡すると変更に応じてもらえる場合があります。

最高裁判所の案内によると、離婚調停の申立先は原則として「相手方の住所地の家庭裁判所」です。つまり、あなたの住所を管轄する家庭裁判所から通知が届くことになります。裁判所の名前と連絡先もあわせて控えておいてください。

また、通知とあわせて「照会書」や「回答書」が同封されている場合があります。出頭意思の欄には出席する意思を明記し、意向欄には離婚には合意していないという趣旨を、感情的な言葉を使わずシンプルに書いてください。期限内に記入・返送することが基本です。

届いた通知で確認すべきことを、以下のチェックリストにまとめました。混乱状態のまま放置すると、初回調停までに手が打てなくなる項目が出てきます。届いた当日に全項目を確認しておくことをお勧めします。

▼通知書が届いたら確認すること チェックリスト
確認事項 具体的な行動・ポイント
□ 初回調停の期日(日時・場所) カレンダーに入れ、仕事・予定の調整を先に行う
□ 担当の家庭裁判所の名前と連絡先 期日変更が必要なときの連絡先として控えておく
□ 照会書・回答書の有無と返送期限 届いた当日に確認し、期限を手帳やスマホに入れる
□ 照会書への記入内容 出頭意思を明記し、離婚不同意の立場をシンプルに記す
□ 離婚届不受理申出の検討 心配な場合は本籍地の市区町村窓口に申し出る
※1つでも確認が漏れると、後の対応が後手に回ります

1-2. 初回調停期日までにやっておくこと

今すぐ取り組んでおきたいことは次の3点です。

初回調停期日までにやっておくこと3点
  1. 自分の気持ちと現状を紙に書き出す
  2. 弁護士への相談を検討する
  3. 離婚届不受理申出を知っておく

順番に説明します。

①自分の気持ちと現状を紙に書き出す

なぜパートナーが調停を申し立てたのか、相手はどんな不満を積み重ねてきたのか、自分にはどんな言動が問題だったのか——これらを書き出してみると、頭の中が整理されてきます。感情が先に立っているうちは、何が本当の問題なのかが見えにくいものです。

②弁護士への相談を検討する

弁護士がいなくても調停に出席することはできますが、法的なアドバイスをあらかじめ受けておくと、当日の対応に余裕が生まれます。法テラス(日本司法支援センター)では、収入に応じた相談費用の減額制度もあります。

③離婚届不受理申出を知っておく

これは、自分の知らないうちに離婚届が提出されることを防ぐための申し出です。心配な場合は、本籍地の市区町村窓口に申し出ることができます。

1-3. 絶対にやってはいけない5つの行動

初動で誤った行動をとると、あとで修復しようとしても状況が一気に悪化することがあります。私のカウンセリング経験でも、あの時の行動が一番まずかったと後悔される方が多いのがこの段階です。

特に気をつけてほしい行動を5つお伝えします。

絶対にやってはいけない5つの行動
  1. 調停を欠席すること
  2. 感情的なメッセージを送り続けること
  3. 相手を論破しようとすること
  4. 離婚に有利になると思って証拠集めに走ること
  5. 一人で思い詰めてすぐに行動を起こすこと

一つずつ説明していきます。

①調停を欠席すること

調停を無視・欠席することは、最も避けるべき行動です。 欠席が続くと調停不成立と判断され、離婚訴訟に発展するリスクが高まります。また、出頭しない側として調停委員に悪い印象を与えることにもなります。どれだけつらい気持ちでも、必ず出席することが大切です。

②感情的なメッセージを送り続けること

なぜ調停なんか申し立てたんだ、取り下げてくれ、と感情のままにLINEや電話を繰り返すと、相手の気持ちはさらに遠ざかります。相手がすでに距離を置こうとしている段階では、感情的なアプローチは逆効果になりやすいのです。

③相手を論破しようとすること

調停は裁判ではありません。正しさを主張して相手を言い負かそうとするのは、修復の可能性を遠ざける行動です。自分の言い分をぶつける場ではなく、相手の気持ちを受け取る姿勢が問われる場だということを理解しておいてください。

④離婚に有利になると思って証拠集めに走ること

まだ離婚したくないという立場であれば、証拠集めに躍起になることより、修復に向けた自分の変化を示す方が大切です。証拠集めに走ると、それが相手に伝わり、やはり争うつもりだと受け取られ、話し合いの余地がさらに縮まることがあります。

⑤一人で思い詰めてすぐに行動を起こすこと

焦りから極端な行動——たとえば突然相手の実家へ押しかけたり、共通の知人に仲裁を頼んだりする——は、状況をさらに複雑にします。まず深呼吸して、信頼できる専門家や相談窓口に話してから動くことをお勧めします。

2. 離婚調停の仕組みを正しく理解する

やってはいけないことが分かったうえで、次はもう少し調停そのものについて理解を深めてください。仕組みを正しく知ることが、調停中の冷静な対応につながります。

2-1. 調停は裁判ではなく「話し合いの場」

家事調停とは、最高裁判所の説明によると、当事者の合意による解決を目指す手続きです。裁判のように勝敗を決める場ではなく、話し合いを通じて双方が納得した結論を出すことを目的としています。

つまり、あなたが離婚に合意しない限り、調停だけで離婚が成立することはありません。この点が、調停と裁判の最も重要な違いです。

▼離婚調停と離婚裁判(訴訟)の違い
比較項目 離婚調停 離婚裁判(訴訟)
目的 話し合いによる合意形成 裁判所による法的判断
離婚の成立条件 双方の合意が必要 裁判所の判決による
合意しない場合 調停不成立で終了 判決が強制的に確定
進行役 調停委員(民間人)+裁判官 裁判官
修復の余地 あり(円満調停も選択可) 基本的になし
※調停は合意なしには成立しません。離婚調停を申し立てられた=離婚確定ではありません

なお、調停には離婚のためのものだけでなく、夫婦関係の円満を目的とした「夫婦関係調整調停(円満)」という手続きも存在します。離婚したくない側が、修復の意思を示すうえで積極的に使えることも、知っておいてください。

2-2. 調停委員はどんな人で、何を見ているのか

調停委員という言葉を聞いて、裁判官のような人が離婚を決めるとイメージする方もいます。しかしそれは誤解です。

最高裁判所の資料によると、家事調停は裁判官1人と民間から選ばれた調停委員2人以上で構成される調停委員会が進行します。調停委員は社会経験豊富な一般市民であり、元教員や大学教授、会社経営者など様々な背景を持つ方々が務めています。

調停委員の役割は、双方の話を交互に聴きながら合意形成をサポートすることです。勝敗を決める立場にはなく、あくまでも話し合いを助ける存在です。

2-3. 調停が不成立になった場合に何が起きるのか

調停不成立とは、話し合いで双方の合意に至らなかった状態のことです。これは離婚が決定したわけではなく、この後の対応によっては状況を変えることもできます。

多くの解説では調停不成立の後は即訴訟と紹介されていますが、その間に「調停に代わる審判」という手続きが存在します。調停に代わる審判とは、調停委員会が双方の事情をふまえたうえで裁判所が一定の結論を示すものです。ただし、どちらかが異議を申し立てれば効力を失い、相手が離婚を求める場合は最終的に訴訟へ進みます。

訴訟に進んだ場合でも、離婚が認められるには民法に定められた離婚事由が必要です。浮気や暴力といった明確な原因がない場合、一方的に離婚したいというだけでは認められないこともあります。

最高裁判所の案内でも示されているとおり、夫婦間の問題は原則として話し合いによる解決が想定されており、調停の段階ではまだ離婚が強制されるわけではありません。今の段階で全てが決まったわけではないことを、まず知っておいてください。

3. 調停の場で「離婚したくない」を正しく伝える方法

調停の仕組みと調停委員の役割が分かったところで、次は実際の調停の場でどう振る舞うかを見ていきます。知識があるだけでは不十分で、実際の言葉と態度に落とし込む必要があります。

3-1. 調停委員への第一印象が結果を大きく左右する

調停委員への第一印象が結果を左右する理由は、調停委員が双方の態度を見ながら合意形成をサポートする立場にあるからです。冷静で誠実な印象を与えられるかどうかが、その後の調停の進み方にも影響します。

服装は、清潔感のあるシンプルなものを選んでください。華美なものも極端にカジュアルなものも避け、誠実な大人として見てもらえる見た目を意識します。

話し方は感情的になりすぎず、落ち着いた口調が基本です。とにかく離婚したくないんです、と繰り返すだけでは、切実さは伝わっても、修復への具体的な意思は伝わりません。

大切なのは、離婚したくない気持ちよりも、自分が何を反省し何を変えようとしているかを伝えること です。「私のこういう部分が相手を傷つけてきたと思います。それを変えていきたいと思っています」という言葉の方が、調停委員には誠実さとして届きます。

3-2. 感情ではなく言葉で伝えるための準備

次は、調停当日に向けて何を話すかを事前に準備することについてお伝えします。

準備しておくべきことは3点です。

調停前に準備しておく3つのこと
  1. なぜ相手が申し立てに至ったかの自分なりの考え
  2. 自分が変えようとしていること・変えてきたこと
  3. これからどのような夫婦でありたいかというビジョン

順番に整理していきます。

①なぜ相手が申し立てに至ったかの自分なりの考え

ここを準備しておくことで、相手の立場に立てる人という印象を調停委員に与えられます。感情的に責めるのではなく、自分の行動を振り返る言い方が大切です。

具体的には、次のような言い方が参考になります。

仕事を最優先にして、家族との時間をほとんど作れてきませんでした。それが長年の不満につながったと、自分でも思います。

②自分が変えようとしていること・変えてきたこと

申し立て後から調停までの間に行動を変えた点があれば、それを具体的に話せる準備をしておきます。一般論ではなく、自分の実際の行動を話すことが大切です。

例えば次のような言い方です。

申し立てを受けてから、できる限り早く帰宅するようにしています。子どものことも、前より積極的に関わるようにしました。

③これからどのような夫婦でありたいかというビジョン

漠然と仲良くしたいではなく、少し具体的な言葉で伝えることが大切です。これは相手への約束ではなく、自分の意思の表明として調停委員に届きます。

例えば次のような言い方です。

お互いの気持ちを、ちゃんと話し合える関係に戻りたいと思っています。まずは自分が変わることから始めます。

3-3. 相手の主張を「攻撃」ではなく「メッセージ」として受け取る姿勢

もう一点、調停の場で重要なことをお伝えします。調停委員を通じて相手の主張が伝えられたとき、それを攻撃と受け取ると、感情的な反論に走りやすくなります。

相手の主張の中には、必ずこういう夫婦でいたかったのに、そうならなかったという気持ちが含まれています。不満や怒りの言葉は、裏を返せば期待の言葉です。 相手はあなたに期待していたからこそ、傷つき、怒っているのです。

調停委員の前では、相手の言葉を否定せず、まず受け取る姿勢を見せることが大切です。どう答えればよいか迷ったときは、以下の表を参考にしてください。

▼調停の場でのNG発言とOK発言
相手の主張 やりがちなNG発言 効果的なOK発言
全然話を聞いてくれなかった そんなことはない、ちゃんと聞いていた そう感じさせてしまっていたことは事実だと思います
家のことを何もしてくれなかった 仕事が忙しかったから仕方なかった 任せきりにしてきたことは申し訳なかったと思っています
愛情を感じなかった それは誤解だ、愛しているのに 気持ちが伝わるような言動ができていなかったと思います
※OK発言は全面的に非を認めることではありません。相手の気持ちをまず受け取ることが目的です

別居中の場合は、調停の場が事実上の唯一の対話の場になります。だからこそ、その場での態度が相手に与える印象はより重要です。

4. 調停中に一人からできる関係修復の実践

調停の場での振る舞いが大切なことはお伝えしました。ただ、修復は調停の場だけで起きるものではありません。日常の中に、あなたが一人から始められる実践があります。

4-1. 調停期間中にパートナーとどう接するか

調停期間中は、相手への接触について慎重に考える必要があります。毎日連絡を取ったり、話し合いを迫ったりすることは、相手の気持ちをさらに追い詰める可能性があります。

同居中と別居中では、実践の仕方が異なります。同居中の場合は、家の中での言動が直接目に触れます。子どもや家事など生活上の必要なやり取りを穏やかにこなしながら、感情的な話し合いを持ちかけることは避けてください。別居中の場合は、LINEや電話での連絡頻度を抑えつつ、子どもや生活上の必要事項だけに絞ったシンプルなやり取りを心がけます。

いずれのケースでも、元気にしてる、子どもが今日こんなことがあったよ、といったプレッシャーを与えない短い言葉の方が、相手の心に届きやすいことがあります。関係についての話は避け、返信を求めることもしないのが基本です。

相手を取り戻そうとするより、相手が自然と話しかけたくなる自分になることを目指す ことが、調停期間中の正しい方向です。焦らず、小さな誠実さを積み重ねていってください。

4-2. 自分を変えることが修復の土台になる理由

調停期間中の接し方を整えながら、同時に意識してほしいのが自分自身を変えることです。私がこれまで1万組を超える夫婦と向き合ってきた中で、一つの確かな事実があります。それは、関係が修復できた夫婦には必ず、どちらか一方が先に変わっているという点です。

相手に変わってほしいと思うのは自然な気持ちです。しかし、相手をコントロールすることはできません。一方で、自分の言動・態度・習慣は、今日から変えることができます。

何を変えるかに迷ったときは、相手がこれまで不満に感じていたことから逆算するのが近道です。以下の表を参考に、自分に当てはまる項目から取り組んでみてください。

▼相手の不満から逆算する自己変容チェック
相手が感じていた不満 あなたが今日から実践できること
話を聞いてもらえなかった 相手が話すときはスマホを置き、最後まで聞く
感謝の言葉がなかった 日常の小さなことに、言葉で感謝を伝える
後回しにされていた 家族との約束を、仕事より先にスケジュールに入れる
家のことをしてくれなかった 担当する家事を一つ決め、毎日続ける
気持ちを分かってもらえなかった 相手の言葉を否定せず、まず受け止める
※当てはまる不満が複数あっても、一度に全部変えようとせず、一つずつ積み重ねることが大切です

大切なのは、変わったことを相手に言葉で伝えることより、行動で見せ続けることです。変わったよという言葉は、今の段階では信じてもらえません。でも、毎日の態度が変わっていけば、相手は必ずどこかで気づきます。

4-3. 子どもがいる場合に特に意識したいこと

自己変容の実践は、夫婦間の関わり方だけにとどまりません。子どもがいる場合は、子どもへの接し方にも同じ意識が必要です。

まず、子どもを連絡役や情報収集の手段に使うことは絶対に避けてください。 ママはどんな話をしてる、とパートナーの様子を探るために子どもと話すことは、子どもに大きな心理的負担をかけます。子どもは大人の期待に応えようとするため、親の板挟みになりやすいのです。

子どもに対しては、できる限り日常の安心感を保つことが最優先です。学校のことを聞いたり、一緒に食事をしたりという普通の関わりが、この時期の子どもには一番の安定剤になります。

また、子どもとの関わり方は、パートナーの目にも入ります。子どもに対して誠実で穏やかに接している姿を見て、相手の気持ちに変化が生まれることも、カウンセリングの現場では珍しくありません。

5. 離婚調停を乗り越えて関係を修復した夫婦の実例

ここまで、調停の場での振る舞いと日常での実践についてお伝えしてきました。実際にこれらに取り組んで、修復を実現した夫婦の例を紹介します。

5-1. ケーススタディ:申し立てから再出発までの道のり

小学生の子どもを持つ40代の男性Aさんのケースです。妻から離婚調停を申し立てられ、「もう一緒にいたくない」と言われたとき、Aさんは頭が真っ白になったといいます。

妻の不満の中心は、長年にわたるAさんの無関心な態度でした。仕事を最優先にして家事も育児もほぼ妻任せ。感謝の言葉もなく、妻の話を聞かないことが続いていたのです。

Aさんは調停の場で言い訳をせず、まず妻の言葉を受け止める姿勢をとりました。「自分が変わらなければ関係が壊れていたのは当然だった」と認めたことで、調停の雰囲気が少し変わったといいます。

転換点になったのは、Aさんが子どもの習い事の発表会に初めて一人で付き添った日のことです。その夜、妻から短いLINEが届きました。ありがとう、子どもが喜んでたよ、という一言でした。Aさんはすぐに返信せず、それを受け取るだけにしたといいます。

この小さな変化が積み重なり、調停は半年ほどで取り下げとなりました。その後も修復の実践は続き、関係が実質的に再スタートしたのは申し立てからおよそ1年が経ったころです。今では定期的に夫婦で話し合える時間を作れるようになったとのことです。

5-2. 修復までのタイムライン

Aさんのケースでも、申し立てからおよそ1年で再出発に至りましたが、それくらいの時間を要することは決して特別ではありません。関係修復の道のりを、一般的な目安として整理しておきます。

▼調停申し立てから関係修復までの目安タイムライン
時期 状況 取り組むべきこと
申し立て直後 通知が届き、混乱・不安がピーク 期日確認、照会書返送、弁護士への相談検討
調停開始(1〜3ヶ月) 調停委員との面談が始まる 誠実な出席、準備した言葉で話す、調停委員への印象作り
調停中期(3〜6ヶ月) 調停が繰り返される 日常での自己変容の実践、相手への接触の質を見直す
調停終了後(6ヶ月〜1年) 調停不成立または取り下げ 修復の実践を継続、必要に応じて専門家のサポートを受ける
修復段階(1年〜1年半) 関係に変化が生まれ始める 信頼の再構築、対話の時間を少しずつ増やしていく
※個人の状況により期間は異なります。上記はあくまでも目安です

このように、関係修復は短期間では完結しません。ただ、正しい方向で実践を積み重ねれば、必ず少しずつ変化が起きてきます。焦らずに取り組むことが、最終的な修復への最短ルートです。

5-3. 一人で限界を感じたとき、専門家に頼る選択肢

長い修復の道のりを一人で抱え込んでいると、気持ちが折れてしまう瞬間が必ず訪れます。そのとき、専門家に頼ることは決して弱さではありません。

私のカウンセリングには、パートナーには内緒で、一人で訪れる方がほとんどです。二人で行くものではないかと思われる方も多いですが、そんなことはありません。あなた一人の変化が、二人の関係を変えていくのです。

専門家のサポートを受けることで、何をどう変えるべきかが明確になり、感情的になりやすい状況でも冷静な判断ができるようになります。調停中という難しい時期こそ、一人で悩まず、サポートを活用してほしいと思います。

FAQ

Q:離婚調停中でも、夫婦関係の修復はできますか?

A:はい、調停中でも修復に向けた取り組みを始めることは可能です。調停はあくまでも話し合いの場ですので、あなたが誠実な姿勢を示し続けることで、相手の気持ちが変わるきっかけになることがあります。調停期間中にできることとして、日常の行動を変えること、接触の仕方を見直すこと、専門家のサポートを受けることなどが有効です。調停中だからといって諦めず、できることから取り組んでいただきたいと思います。

Q:調停委員に「離婚したくない」と伝えるのは有効ですか?

A:伝えること自体は大切ですが、それだけでは不十分です。調停委員が評価するのは、離婚したくないという気持ちの強さではなく、あなたが何を反省し何を変えようとしているかという誠実さです。離婚したくないと伝えつつ、具体的にどう変わろうとしているかを言葉にすることで、調停委員にあなたの本気度が伝わりやすくなります。

Q:別居中でも、夫婦関係の修復はできますか?

A:はい、別居中でも修復を始めることは可能です。別居は関係の終わりではなく、双方が距離を置きながら考える時間と捉えることもできます。調停期間中は、子どもや生活に関する必要最低限の連絡をシンプルに続けながら、自分自身の言動を変えていくことが大切です。別居中だからこそ、調停の場での印象が唯一の対話の窓口になります。誠実な姿勢を一貫して見せることが、修復への第一歩です。

まとめ

離婚調停を申し立てられても、あなたが合意しない限り離婚は成立しません。調停は話し合いの場であり、今からでも関係修復への一歩を踏み出すことができます。

今の段階では、まず初動を正しく整えることが大切です。調停の通知が届いたら期日を確認し、やってはいけない行動を避け、調停の場では誠実な姿勢に集中してください。

この記事でお伝えした主なポイント
  • 離婚調停を申し立てられても、それだけで離婚は成立しない
  • 調停は合意が前提の話し合いの場であり、調停委員は勝敗を決める立場にない
  • 調停委員には、気持ちよりも変化の意志を具体的な言葉で伝えることが大切
  • 調停期間中も、一人からできる関係修復の実践がある
  • 修復には1年〜1年半程度かかることが多いが、正しい方向で続ければ変化は起きる

関係の修復に特効薬はありません。しかし、今日からの行動が1年後の現実を変えます。あなたの努力は、必ず積み重なっていきます。

一人で限界を感じたときは、ぜひ専門家を頼ってください。正しいサポートと実践があれば、どんな状況からでも向きを変えることはできます。

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